28.12.09

起きたら15時だった

13時くらいだと思ったのに……。

午前3時まで起きていても、まだ12時間しか活動していないのか。

27.12.09

完全に冬眠モード

来週の月曜から10日間ほど出かけてくることもあって、今週は水曜以外は家にこもって過ごしている。冬眠のため巣にもぐっている熊のようだ。ニューオーリンズでの食べ過ぎの反省から粗食にしていて買い物にも行っていない。白菜とキャベツは長持ちする上、一玉の量が多いからから助かる。

ちょっとした気まぐれで15時過ぎから近所を散策しに出かけた。タイやインド、台湾、韓国などの学生向けの安い飲食店やブラジル系の食料品店など、学生街と移民の需要に応えた商店街があるのだ。こういった質実剛健な街はかなり好きなのだが、あまりに家から近すぎてかえって足が遠のいていたのだった。各店舗を眺めながら歩くと、ちらほらと「Best of Boston」のサインを見かける。地域誌〈Boston Magazine〉が一年に一度発表する賞は結構参考になる。メニューを見るとかなり安価だ。しかも現地風っぽい。こんな楽しそうな所、もっと早く来ていれば良かったなぁ。

台湾のパン屋で抹茶のロールケーキとあんパン、挽肉の総菜パンを購入。甘いパンは日本で見かけるものとあまり変わらないようだが、総菜パンは肉の繊維がひげのようにパンから溢れていてかなり台湾だ。その後、ベトナム料理屋で春巻き、フォー・ボー、チキンのレモングラス炒めを食す。フォーはうっかり大盛りにしたら、凶悪なほどの量の米麺が牛のリブアイ・すじ・蜂の巣等、様々な部位の牛の出汁スープの中に隠れていた。出汁のベースは上品で非常においしかったが、夫には牛のクセが気になった様子。私は全然気づかなかった。フォー・ガー(鶏肉入り)の方が無難かもなぁ。日本でよく食べたのもフォー・ガーだったように思う。

パン屋もベトナム料理屋も、これまでのボストン生活からしたらめちゃくちゃ安かった。学生街+異国の店ってのが利いてるのか。帰り道にドラッグストアで散財した額の方が高くなってしまった。クリスマス明けでチョコレートが軒並み安くなっていたからついうっかり。これでまた保存食にはしばらく困らないだろう。

行き帰りに家の裏の公園を通った。あえて雪かきしていないところを通ったら、溶けた雪でぐしょぐしょになってしまった。このどろどろをslushって言うらしいよ。で、車がslushを踏んづけて音を鳴らすのはsplosh。どっちもあのどろどろを踏みつけた音からきているのか、オノマトペだ。英語にもあるなんて知らなかったなぁ。日本語に特有なのは擬態語だったっけか。

雪が溶けて少し土が見えているような状態の林は遠目に見るとモノクロが美しい。日が落ちた後で街灯が弱々しく辺りを照らしていると尚良い。とか考えてながら、枕草子や和歌なんかを読み返したくなった。

23.12.09

クリスマスシーズンのおたのしみ

12月2週目くらいから、Boston Popsの冬のコンサートシーズンが始まる。〈Holiday Pops〉というタイトルで、クリスマスにちなんだ曲を楽しむコンサートだ。Boston Pops Orchestraと夏のTanglewoodから練習を重ねている市民合唱団が一緒になって演奏する。しかも今回は、1階席はいつもの座席を全部取っ払ってテーブルを設置し、お酒を飲みながら鑑賞することも可能。だが、まあそれは必要ないかなと思って2階席のチケットを買った。8月の終わりには申し込んでたよ。何とも気の早い話でした。観客は3代揃っておめかしして来ました! という感じの家族連れが多かった。

曲目は、クリスマスの童謡のメドレーやイエスの生誕にまつわるエピソードの朗読を交えながらの賛美歌など、いろいろ聞けてよかった。とは言っても、クリスマスの定番曲でも知らない曲もあり帰ってから調べたりもした。特に「12 Days of Christmas」は、周囲がどっかんどっかん受けているようなアレンジだったのに、原曲はわからず、歌詞も聴き取れずでその世界に入っていけないのが悔しかったなぁ。Queenのボヘミアンラプソディーからフレーズを借用してたり、結構フリーダムなアレンジではあった。そして先日、おもしろいと思って購入したクリスマスカードの絵柄がまさにこれであった。

歌詞ははっきり言って無意味だ。クリスマスの翌日から12日間に毎日一つずつ何かが増えていくみたいな歌で、日本でいう数え歌が近そう。1月は正月で酒が飲めるぞー的なのにも親近感を覚える。宗教的には12日目の1/6はイエスが三賢者Magiに祝福を受けた日として、特に東方教会では12/25よりも1/6の方が重要という。ちなみにアメリカは1/6は祝わない。それどころか、クリスマス商戦として12/14からの12daysだとか間違ったことを堂々と主張する人たちもいるらしい。アメリカってほんと敬虔な人がいる一方で、そんな原理主義者に刺されそうなことを言う人もいて、不思議な国だなぁ。

せっかくおめかししていたので食事をして帰ることにした。フレンチの〈Petit Robert Bistro〉だ。ここはフランス人シェフがアメリカ人に正しいフレンチを出してやろうと開いた店、だけどビストロ、と聞いたらもうはやる心は抑えられないね。しかし、アメリカでテーブルにクロスがかかっているようなレストラン(でもここはビストロ)で食事をするのは2度目か? 非常にまれ。でもこの店はメインがおおむね$20以下というすばらしく安い店だ。ビストロと標榜しているだけある。アルザスワインを一本と、前菜には白身魚のムースにロブスターソースをかけたもの、メインは鴨のコンフィ、デザートにタルトタタンを食す。ロブスターソースとコンフィの出来が最高だった。コンフィは正しく調理するとこうなるんだろうなーと想像したもののままで、低温の油でじっくり揚げてあるので肉の身はほろほろだが表面はかりかりだった。コンフィは家庭でも作れると思うのでいずれやってみたいなぁ。実にまっとうなフランスご飯であった。こういう家庭料理が自分でも作れたらいいなと思う。

20.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その3(完)

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/20 Sun

この日はレンタカーを借りて近隣の自然保護区へ出かけようとわくわくしていた。

にもかかわらず、免許証を忘れた…。

湿地や沼地、湿原の風景が好きで、去年のフロリダ旅行で感動したサイプレスなどがまた見られると、すごい楽しみにしてたのに、忘れた。国際免許証を初め、日本の免許証も、先月加入したAAA(JAFみたいなロードサービス)のカードも全部忘れた。

まるまる1日空いてしまったので、動物園へ行くことにした。〈Audubon Zoo〉だ。結果としてこれがすごくよかった。移動するのにストリートカーに乗れたし、停留所から動物園まで続くAudubon Parkは芝生の広がる美しい公園だった。動物園自体も、展示コーナーが各動物の原産地のような雰囲気になっている。アジアゾーン、メキシコゾーン、ミシシッピ近隣ゾーンなどなど…。とは言え、暇そうな動物たちを見るにつけ、なんとなく自分と重ねてしまった。

この日のご飯
  • 前夜に購入したシリアルバー。初めて買ったけど、普通のシリアルよりおいしいんじゃないかと思った。
  • 動物園内で軽食。チーズバーガー、チキンフィンガー、グリルチキンサンド、フレンチフライ。ここはハンバーガーの野菜は自分で持って行く式だったのがよかった。ここぞとばかりにレタスとトマトとピクルスを挟んでおいた。グリルチキンがぱさぱさでなく、普通に食べられることにびっくり。ファストフードまでとは、ニューオーリンズ、恐るべし。
  • 〈Crescent City Brewhouse〉にて生牡蠣1ダースとカラマリフライ×2。クラッカー+生牡蠣+トマトとホースラディッシュは勝利の方程式。生牡蠣は時間がたつとAcmeのすばらしさに気づく感じだったような。この日は牡蠣の揚げたやつが食べたかったのだけど、この店はイカのフライしかなかった。ひどい。でもイカフライを二度注文したら牡蠣フライへの情熱は冷めてしまった。ビールはAbitorの方が断然おいしい。
▼12/21 Mon

飛行機は16時の便であったので、最後のご飯もフレンチ・クウォーターで。〈Fluer de Lis〉は朝ご飯にオムレツ、ランチにパニーニを食べろとホテルの部屋のガイドブックに書いてあったし、だいたい店名からしてフランスに傾倒している私にはどうしても行きたい店であった。ブランチの時間に到着したら、狭い店内はほぼ満席! よく分からないまま、メニューに※印が付いていたOmelette Fluer de Lisを頼んだら、オムレツのザリガニソースかけが出てきた。ふわふわの卵の中にこれでもかと言うほどのタマネギとピーマン、バターの香り高いソースにたくさん見える赤い身…。フランス系ニューオーリンズ朝ご飯としては完璧です。ザリガニも名物だが、ここに来て初めて食す。が、ちょっと生臭いのが気になったな…。ソースはすごくおいしかった。神。ザリガニがその味や香りを自分の身の中にだけ持っていてくれたから助かった。これが出汁となってソース中で存在を主張していたら死ねる。

食後、路線バスに乗って空港へ。特に問題なく飛行機に乗り、5時間半後にボストン着。前日までものすごい大雪だったせいかめっちゃ寒い。日中15度まで上がるニューオーリンズ仕様の薄着では、ボストンのマイナス5度に対抗できないのは自明だが、でもいけると思ったんだもん。空港から家までは、A「時間がかかるし二回も乗り換えるけど一度も外に出ない」ルートとB「スムーズに乗り換えが可能で早く移動できるけど外気に曝される」ルートがあり、22時半に到着した今回は後者を選んだが、これからの季節は絶対前者だ。でないと凍え死ぬ。

道の脇や車の上に雪がたんまり積もっていて、兵どもが夢の跡的な静けさを感じた。でも自分の車を見て翌日の雪かきが思いやられた。

19.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その2

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/19 Sat

午前はMardi Gras Museumへ行った。

Mardi Grasとはフランス語でFat Tuesday。キリスト教に由来するイベントだ。ちらっと聞いた限りでは、2月のとある水曜から4月の復活祭まで、イエスはゴルゴダの丘に登ってつらい思いをした期間であるので、信者も節制して卵や牛乳、バターは摂取しないで過ごすらしい。この期間に入る直前の火曜は、そんなわけで乳製品を食べきらないといけない。イギリスだとMardi Grasはパンケーキデイなんて呼んで、ひたすらパンケーキとして消費する日だが、フランス由来のここでは仮装行列をするらしい。しかも、行列はMardi Grasの日の11日前から始まり、ニューオーリンズ中で55組もの参加があるとか。

で、行列はフロートと呼ばれる山車がトラクターなどで牽引され、そこに仮装者が乗り込み、観客に向かっていろいろ投げる。これはプラスチックのビーズのネックレスを初めとするグッディ、と言えば聞こえはいいが要するにがらくただ。中世のヨーロッパの行列が硬貨などをまき散らしていたのを踏襲したらしい。

このミュージアムは、そのフロートを修理したり作ったりする工房を見せてくれるところ。人が乗り込む場所は鉄製の基礎の上に木材で柱を組んであるが、装飾部は重さを減らすために平坦な発泡スチロールを水平に重ねて立体化しているらしい。作る所は職人毎にブースがある感じ。巨大なのに細部まできちんと作ってあり、そばによると圧巻だった。

このMardi Grasにちなんだお菓子がKing's cake。ケーキというよりアイジングしたブリオッシュだった。見た目こそ危険そうだが、これがまたおいしかった。ニューオーリンズいいわ。

午後はフレンチ・クウォーターに戻り〈New Orleans Jazz National Historical Park〉の事務所内で行われたクリスマスジャズコンサートを聞いた。さすがナショナルパーク管轄だけあって無料のイベントであった。すばらしいね。編成はピアノ、クラリネットおよびサックス、トランペット、トロンボーン、ウッドベースに歌手。「聖者が街にやってきた」などの定番曲を各パートのソロを交えながら約40分ほど演奏した。途中で観客が踊り始めたのにはびっくりした。アフリカ系の人のリズム感はどうしてあんなにとぎすまされているのか。日本人には厳しい芸当だ。杖をついて歩いているようなおばあちゃんさえも、脚を巧みに動かして曲にのっていた。

この日のご飯
  • 〈BACCO〉にてアーティチョークとオイスターのスープ、オイスターフライ添えフェットチーネ、カニサラダミカン添えなどを食す。ここは各席に鈴のついたリボンが置いてあり、首にかけることを推奨される。由来等は全く不明。ニューオーリンズからボストンへの帰路でこのリボンを首にかけたまま飛行機に乗ってきた人を見た。
  • 〈Acme Oyster House〉再び。生牡蠣1.5ダース、グリル牡蠣1ダースとザリガニ入りコロッケ、ジャンバラヤを食す。この日はアメフトのニューオーリンズ・セインツ対テキサス・カウボーイズの試合があり、13勝0敗のセインツが無敗のままプレーオフに進めるか否かで町中が盛り上がっていた。この店も、試合が始まると店員の牡蠣をさばく手が止まりがちになっていた。 結果、この日はセインツが負けてしまった。そのせいか、酔っぱらいの叫び声は夜中まで何度も何度も聞こえた。

18.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その1

12/17木-21火にニューオーリンズへ行ってきた。奇しくもこの週末は、東海岸はこの冬一番の大雪となり、ボストンからの移動の日はニューオーリンズも大雨に見舞われた。というか、この低気圧が北上してワシントンDCやNYC、ボストンで雪を降らせたのだった。ニューオーリンズはその後帰るまでずっといい天気。雲一つない青空を見るのは久しぶりだった。気温はそんなに高くなかったけど。

ニューオーリンズはメキシコ湾沿いのルイジアナ州でもかなり南寄りで、ミシシッピ川の河口近くの河岸にフランス人が入植してできた街。New Orleansは新しいオルレアンの意(オルレアン公ルイ・フィリップなんて懐かしい!)。地の利から、今でもアメリカ有数の大型港があり、漁業も盛ん。一方、河口とメキシコ湾に囲まれて海抜ゼロメートルの湿地帯が広がっているため、近年、カトリーナやアイクなどの大型台風の被害に遭ったのも記憶に新しい。そんなわけで、ここの旅行の楽しみはとにかくご飯(フレンチの流れをくむ庶民的なケイジャン料理や上流のクレオール料理、生牡蠣)とフレンチ・クウォーターと呼ばれる約1.5km四方ほどの旧市街の散策、そしてジャズだ。2月にMardi Grasという大きな仮装行列祭りもある。またアメリカ人からすれば、ここはアメフトの強豪《セインツ》のホームタウンで奇しくも今年はこの旅行前までは全勝ペースであったため、ボストンに氾濫するレッドソックススウェット以上にセインツユニフォームを見かけた。

▼12/17 Thu

一度の乗り換え、約5時間のフライトで16時頃ニューオーリンズに到着。すでに雨模様。路線バスがダウンタウンへの最も安い移動手段だが、旅行者は全く乗っていなかった。事前にバスのサイトで調べていたのよりも手前のバス停で降ろされた。雨は風を伴ってますますひどくなり、片手に傘、片手に荷物を引きずってホテルを目指すのは大変であった。なんとか到着できたけど。

宿はフレンチ・クウォーターのすぐそば。夕飯を求めて早速でかけた。夜の繁華街であるバーボンストリートを歩いてみたら、バーは多くあったけれど、それ以上に多いのがネオンのまぶしい店。ここは歌舞伎町か!と思った。嵐のためか人通りがまったくないが、これは嵐故の奇跡だったなと振り返って思う。偶然、事前においしいと聞いていた〈Acme Oyster House〉を発見し入店。生牡蠣、牡蠣のニンニクバターチーズのせグリル、オイスターフライとナマズフライの盛り合わせ、ケイジャン料理盛り合わせ(ジャンバラヤ、ガンボという名のオクラ入りスープ、レッドビーンズ、ソーセージ)、バナナフォスターパイ(バナナチーズケーキ)を食す。どれもおいしかった。アメリカ外食においては奇跡だと思った。



ボストンでもニューイングランドの生牡蠣が食べられるがなぜか塩水の味がきつすぎる。ところがルイジアナ産牡蠣は塩気を抜いており、また薬味のトマトソースとホースラディッシュを予め混ぜてあるのがよかった。これ、いつもばらばらに出てきて使いこなせなかったのだ。トマトの優しい甘みとホースラディッシュの香りがうまく混ざっていて、もう手放せない。クラッカーに生牡蠣とこのソースを載せて一口でいくのが現地の食べ方らしい。ソース、牡蠣、クラッカーの三位一体説は通説にしてもいい。

▼12/18 Fri

朝からいい天気。フレンチ・クウォーターを散策した。フレンチと言っても、カラフルな壁や縦に細長い窓は南欧、スペインっぽい。ベランダのキャストアイアンの柵の装飾が細かくて美しい。ブドウの蔓などの植物を描いているのが多かった気がする。通り名がタイルで道に埋め込んであったり、アンティークの店が多かったり、ちょっと芸術的かもと思わせる街だ。いかにも観光地。
ミシシッピ川に浮かぶ蒸気船は、ディズニーランドを思い出させた。たぶんこれがモデルなんだろうなあ。夜のバーボンストリートは、前日と違ってものすごい人出。色っぽいおねーちゃんがお店の前でなまめかしいポーズをとっていたり、ほんと、夜の街であった。

この日のご飯
  • 〈Cafe du Monde〉でコーヒーとベニエ(揚げドーナツにたっぷりの粉砂糖)
  • 〈Gambo Shop〉でガンボとジャンバラヤ。ジャンバラヤがトマトと魚介出汁のピラフみたいなものなのかとやっと判明。唐辛子のアクセントがよかった。
  • 〈Louisiana Pizza Kitchen〉でアーティチョークのグリルとアーティチョークピザ等とクレームブリュレ。このクレームブリュレは絶品だった。カスタードの甘さはちょうどだし、ラムは芳しいし、表面のカラメルはぱりぱり。もうこれ以上のクレームブリュレはないんじゃないかと思えるほどの完璧な出来だった。このためにまた旅行してもいいくらい。
 

16.12.09

夜のボストン市内

前の日のローカルニュースで、Bsoton Commonを上空からとらえた映像がとてもきれいに見えたので、きっとライトアップしてるんだろうと期待して夕方からカメラ片手に出かけてきた。

 しかし、今のデジカメはすごいね。広い範囲まで撮れる。端っこが曲がってしまうのはちょっと困るけど。


13.12.09

サイダーの季節

秋頃にリンゴの収穫期が来ると、サイダーと称するリンゴジュースがどこのスーパーにも並び始める。味は、幼い頃熱を出すと母が作ってくれたすり下ろしリンゴをガーゼで絞ったリンゴ果汁そのまま。熱々のサイダーにシナモンやクローブ加えると、寒い季節に定番のエッグノッグに並ぶホットドリンクだ。スタバでも頼める。

MA州近隣もNY州と同じくリンゴの産地だけあって、ローカルプロダクトであることを売りにした商品が多いものの、おいしい一品に出会うのは難しい。去年はついに見つけられずに終わった。ところが今年は出会ってしまったよ、Whole Foodsで買えるNew England Apple Ciderに! これは甘すぎず、皮臭さも少なく、飲みやすい。アメリカだけあってやっぱ皮も一緒に処理してるんだろうなと思われるサイダーは多い。しかも、ふじや王林などの日本のリンゴと違って、こっちのリンゴは皮が厚く苦い。

問題はWhole Foodsにはあんまり出かけないことと、出かけても買うのを忘れること。2回買い忘れて、3回目にやっと購入できた。我ながら忘れっぽくて困る。メモを冷蔵庫に貼っておいても、そのメモを忘れたりね。

サイダーと言えばイギリスではリンゴの発酵に任せたアルコール飲料だ。フランスのシードルcidreと同じ。そういえばこのあいだの渡英時に飲んだやつは、フランスのよりアルコール度数が高かった。海を渡ったアメリカでは、アルコール飲料のサイダーはhard ciderだ。地域によって少しずつ違うのが興味深い。

洋梨のタルトをもう一度焼いた。うちのオーブンはどうやら設定温度よりも実際の温度が低いらしく、なかなか焼けきれない。前回はタルト台の下の部分が生焼け一歩手前だったのでそのリベンジをと、時間を延長したら今度は焼きすぎて縮んだ(型とタルトに隙間があるのがわかる)。オーブン用温度計が必要だ! それにしても洋梨のタルトは洋梨の並べ方が難しいなぁ。センスのなさが見て取れる。放射状に置いておけば良かった。ぐるっと円上に並べたかったのだが、なぜか直線状になってしまったのだ。なぜだ…。

9.12.09

フープロ餃子 雑感

年がら年中冬休みではあるが、12月に入るといつも以上に気持ちが緩んでくる。雪や霙を言い訳にして、いつも以上に引きこもっている。家最高。

フープロで餃子製作を敢行した。豚挽肉とキャベツを500gずつ、薬味にネギ・生姜・ニンニク・を適量といつも通りの調味料を投入。約70個分。肉以外は全部フープロで処理した。キャベツとネギはみじん切りに、生姜とニンニクはすり下ろし。そんでもってキャベツは布巾にくるんで絞って水気を切った。結果、具が細かすぎて売り物に近くなったがジューシーさが減った気がする。

キャベツか白菜かで水分量も違うが、手でみじん切りすると自分の能力の限界が自ずと出てきて、餃子の中に包むにはちょっと大きいなと思うような欠片も出てくる。が、餃子として食べると、この不揃いな欠片がいいアクセントになっていたんだなぁと思う。フープロで全部一様の小ささになっているので、舌触りのつまらなさというか、物足りなさを感じる。よく言えば、今回は舌触りなめらかな上品な出来であった。

こうなると餃子の皮は薄めがいい。タネに対して、餃子の皮の主張が強すぎる。ご飯のおかずにならない。皮の手作りはまだ手が出ないので買うとなれば、中国様式の上海風か香港風、あるいは韓国産となる。皮の厚さでは、韓国>上海>>>>香港。香港のは黄色の薄い皮でまるでワンタン皮。上海はさすがに水餃子様式って感じ。それを上回る韓国の分厚さよ。で、今回のは韓国産でした。宇都宮のホワイト餃子を思わせる厚さ。高田馬場の〈成都〉の大きな餃子も皮が厚かったが、それにもましてタネのインパクトが大きいからなぁ。大きいし下味も強い。タネと皮のバランスなんて考えたこともなかったので、いい経験になった。

次回はフープロ使用の白菜餃子だ。

6.12.09

ついに雪が降ってきた

換気用に3cmほど開けておいた窓から入ってくる空気がやけに冷たいと思ったら、雪が降っていた。一昨日の予報ではみぞれだったのに、雪になってしまった。来週はおおむね摂氏5度から氷点下を行き来する模様。外に出られない季節がやってくる…。

先日買った掃除機ルンバを動かしてみた。聞いていたよりも壁や家具への衝撃は小さく、ラグやマットも固定されていれば、多少厚くとも乗り越えられる模様。また、部屋が狭いにも関わらず同じ箇所を繰り返し掃除する一方、殆ど行き来しない所があったり、床に触れている電源ケーブルを巻き込みそうになったりするため、稼働時には床に置いてあるものを極力減らす必要がありそうだ。それを除けば、低いソファーの下にもちゃんと入り込むし、部屋の角にぶつかると2,3度その近辺をうろうろして四角い部屋もおおむね四角く掃いている様子で、予想以上に役立ちそうだ。ゴミ取りとブラシの掃除は使用後毎回行う方がよいが、今使っている掃除機も同様にパック式ではなく手で取り除く式なので、慣れていればそんなに手間じゃない。またフィルターを2ヶ月に1度交換する必要があるが、デフォルトで余剰に3枚ついてくるし、買うならば3枚で定価3000円、実勢1200円でまあそんなものかなという印象。

自動で動くものを見るなんて滅多にないことなので、ルンバの作業中はすっかり見入ってしまった。イスの脚にひっかかって必死にすり抜けようとしている時や、厚みのあるラグに一生懸命乗り上げようとしているのを見ながら、なんというか、子供の歩く練習を見ているような気分に陥った。

もう一つ、フードプロセッサーも使ってみた。一度、注文し逃した商品がまたアマゾンに登場したので、今度は逃すことなくぽちっとしたのだった。CuisinartのPrep Miniというやつで定価$60のところ$29。3カップという低容量に加え、みじん切りと粉砕機能しかついていないゆえの安さだが、みじん切りと包丁とすり鉢でつみれを作るのが面倒で仕方ないための導入なので、スライス機能は惜しかったけどまあいいや。初のフードプロセッサーだし。使用感から、この機械はフードプロセッサーよりもむしろチョッパーと呼んだ方が正しい気もする。

タマネギをみじん切りにしてみた。スイッチ入れたら、何これ、早っ! と呆然とした。3秒ずつ3回ボタンを押して、蓋を開けて中身をぐるぐる混ぜて、もう2回、3秒ずつボタンを押したら、めちゃくちゃ細かいみじん切りができた。これまでの苦労は何だったんだ…。ちょっとボタンを長押しするとあっという間にタマネギが液体になるな。危ない。またさすが3カップという小ささだけあって、拳一個半程度の大きめタマネギは8等分して1/2個ずつでないと投入できなかった。二人暮らしの今だから間に合う感じ。

しかしこれは簡単だ。感動した。買って良かった。餃子を作るのにも白菜のみじん切りに活躍しそう。白菜の処理が一番面倒なんだよなぁ。機械よりも包丁で切った方が良いとは言うけど、味の違いがどこまで出るか今度試してみよう。

4.12.09

元気になると、それまで何で辛かったのかがわからなくなる

朝起きたら、それまで数週間悩まされてきた鬱屈した気分が消えていた。前の晩、早くに寝付けたこともあって寝覚めもすっきりしている。なんだこれ。心も体も軽く、ESLへ行くのに家を出る10分前にコートまで着込んじゃって用意万端。授業でも絶好調で、終わった後に友人と昼ご飯を食べていると、今日は目が大きいとまで言われた。目がらんらんとしていたのかもしれない。

夕方に美術館で常設展のツアーがあるとのことで、休みの夫に昼から町中へ来てもらって散策。ボストンで有数の山手地域であるビーコンヒルでクリスマスカードを物色後、立ち寄った〈Cafe Vanille〉にてボストンクリームパイを食す。ボストンと名の付く洋菓子だが遭遇したのは初めて。中身はカスタードクリームとスポンジの層になっているケーキであり、特筆すべきはその割合。日本で食べる100円のショートケーキはスポンジの合間にうっすいクリームが挟んであるものだが、そのスポンジ対クリームが逆になっていた。めっちゃクリーム。超クリーム。ただひたすらクリーム。まあでも、カスタードクリームはラムが利いていておいしかった。その後もカロリー消費のために町中のクリスマスツリーやツリー用の生木を売っているのを見ながら歩き回っているうちに、夜にはボストンコモンにてボストン市主催のクリスマスツリー点灯イベントがあることを知る。美術館に行くには少々疲れてしまったので、イベントを見て食事をして帰ることにした。



ボストンコモンにはイベントの舞台とその後ろに大きなツリーが設置されていた。その周りではエッグノッグやらチーズやらコーヒーやらジュースやら試供品くばりまくり。おいしゅうございました。 イベントは予定では6時開始とのことだが、なかなか始まらない。しかも話によると7時からローカルテレビで生中継するらしい。ということは、ツリーの点灯は8時近く…? ご飯を食べに移動しようとしたところで、舞台に人が出てきて続々とクリスマスソングを歌い始めた。まあどうせオープニングアクトあるいは前座だろうと思いながら移動。

中華街でいつも行列の出来ている店〈南北風味 Gourmet Dumpling House〉へ。6時半というのに店内は満席で店外で待っている人も。それでも中華は回転が速いため、10分ほどで入店できた。周りのテーブルを見渡して人気メニューっぽいのを推測し頼んでみた。小籠包、空心菜炒め、挽肉煮込みのせご飯、そして四川水煮魚片。いざ食すと、どれもこれも本格派であった。全然アメリカ化されてない。そういえば客は殆どが中国人っぽかった。量も多く、久しぶりに正しい中国料理を食べた気分。おいしかったが二人には量が多すぎて食べきれず。今回初めて水煮というものを食べたが、これは四川では非常にポピュラーな料理で、ラー油、豆板醤たっぷりのスープに魚や肉、野菜を入れて煮て、さらに山ほどの唐辛子と花椒をかけてできあがり。真っ赤な丼は見た目こそかなり凶悪であったが、めちゃくちゃ辛いわけでもなくおいしかったなぁ。また来たい。

7時45分頃にボストンコモンに戻ると、まだクリスマスツリーが点灯していない。やはりテレビ用に最後まで引っ張るつもりか…と待っていたら、突如花火が上がり点灯した。花火好きのボストン。

で、帰宅後、南北風味のメニューを見ながら中華料理に思いを馳せ、たまたまたどり着いた台湾旅行記(もちろん食事目的の)ウェブサイトなんかを食い入るように読んでしまい、ちょっと中国語の勉強がしたくなった。が、それまでまったく興味のなかった中国語にもかかわらず、こんなに興味が出てきた理由が「ご飯」だなんてと、ちょっと自分のいやしさが切なくなった。

2.12.09

たった数ヶ月前の気持ちが思い出せない

今週から真人間に復帰した。が、まだ後手後手になっている気分。うまくいっているときは、例えば学校ならば、ちゃんと予習して、授業で半ば復習して理解を深めて…とまるで波に乗っているような気分になるのだが、今は完全に後ろから追いかけている状態だ。8月の終わりから9月にかけて夢一杯で各講座に申し込んだはずなのに、今となってはどのような動機があったかもはっきりと思い出せない。

3週間前からそれまでずっと飲んでいた薬を止めている。というか、飲み忘れたために一時休薬する羽目になった。ホルモンの調整剤のために、それまで安定させていた状態がそうでなくなり、体も気持ちも調子が整わないのかもしれない。昨日なんてイライラの度が過ぎて、この世の滅亡を考えてしまったくらい。また今日から飲み始めたので、1,2週間もすれば元に戻るだろう。そろそろ来学期の予定を考えないといけない時期だけど、もうちょっと調子を見るかって感じ。

今日は夕飯にお好み焼きを作った。キャベツを粗みじんに切ってから余っている中華麺のことを思い出し、広島っぽくしたくなったのだけれどあっちのキャベツは千切りなんだってね。で結局、堅焼きにした麺の上にパンケーキ型のお好み焼きを載せてみた。できあがったハイブリッドお好み焼きは時代を先取りしすぎた感じ。成長盛りの子供たちにはボリューム的な意味でいいかもしれない。おたふくソースとマヨネーズのマリアージュ(笑)は神。

うーん、今日の日記もなんかイマイチ、冴えないなぁ。 こういうときこそ、草枕とか徒然草とか読んで浮世離れした気分になりたい。でもどちらも今は手元にないので、Copleyの図書館から借りてきた山川の世界史Bの教科書を開いて寝るとしよう。

29.11.09

生活リズムが「乱れて」いるのではなく人と違う時間帯で固定してるだけ

近隣で比較的大きなモールであるバーリントンモールへ行ってきた。さすがセールの週末だけあって、駐車場がほぼ満車かつ空きスペースを求めてうろうろする車多数。こんなに混んでるのを見るのは初めてだ。セールと全く関係なく、タルトストーンとか靴とか買った。タルトストーンとは何ぞやと、理解され辛くて大変だった。最終的に、「ああ、あのビーズね~」と理解してくれたが。商品名はPie weightだった。そもそも「タルト」という言葉は通じないことが多い。なんでも「パイ」って呼ぶな。重しを乗せて焼くのはタルトだけだろと、タルトのクッキーの台とパイ生地は違うだろと、もうちょっと他国の食文化を見習えと、アメリカの食文化に言いたい。まあアメリカのパイは重しを載せるような一手間はかけないけどね。

そういえば、アメリカでは店に入るとすぐに店員が声をかけてくる。帰る人や精算をするときにもHave you found everything you want? などと尋ねてくるのだが、それに対して毅然とNo, not yet! と答えるアメリカ人を見た。こういう定型文的挨拶では日本語と同じく、まあまあ、などと適当に濁すもんだと思っていたので、返答が正直過ぎて笑えた。まあ確かに、世間がセールだからといって買い物に出かけても、自分が必要としている物がないと、何も得る物なく終わることはしばしばあるよなぁ。

帰りに信号待ちの交差点で交通事故を見てしまった。交差点に進入する車Aの左側からつっこんでくる車Bがあって、車Aは前面のライトからバンパーまでえぐれた。エンジンルームまでは影響なさそうだったけど、車体右側でかろうじてくっついているバンパーはぶらぶらしており、そのまま運転したら整備不良で警察に捕まるレベル。車Bはぶつけた瞬間に急停止し、3分ほど立ち往生した。運転手はさぞかし放心していたことだろう。運転、気をつけないといかんね。

このモールには本当は前日に行く予定だったが、起きたら午後2時だったので諦めた。ちなみに就寝時間は午前5時頃。この2週間あまりの引きこもり生活で、睡眠時間が5-14時で落ち着いてしまった。午後に起きて、夕飯を作って、だらだら過ごすとなぜか朝5時になるのだ。で、翌日はがんばって12時に起きて今回のバーリントンモールまで出かけたのだった。モールでは人混みもあってかなり無駄に歩き回り、帰宅してご飯を食べてすぐに就寝、そして午前2時半起床、そのまま起きて今7時。今日この後もがんばって起きていれば常人の生活時間帯に合わせられるかな。

昨日、余っていた栗の渋皮煮でタルトを焼いた。フィリングはアーモンドクリームであるが、栗はあんまりタルトに合わないね。栗もフィリングも台も、味がすべて同じ方向でつまらない。それぞれから砂糖の甘さを感じる。その前に焼いた洋梨のタルトの方が、洋梨自体の味が残っている分おいしかったなぁ。

27.11.09

引き続き休み

今日はサンクスギビング。1620年にプリマスに到着したピルグリム達が、なぜか英語を話せるネイティブアメリカンと出会い、その年の厳しい冬を彼らの助けで乗り越え、翌1621年の秋は大豊作になったのでみんなでパーティーしました、ってのが始まり。去年も同じ事書いたな。家族が集まって七面鳥とかサツマイモの蜂蜜煮を食べる日で正月の感覚に近い。明日はブラックフライデーとして全米でセールが始まる日。日本で1/2にデパートの初売りと冬のバーゲンが始まるようなもんだ。

今年は何もしていない。なぜかローストビーフを焼いてみようと昨日肉を買った。が、ローストビーフの秘訣は肉の内部まで室温に戻してからローストすることらしい。本日の起床時間、15時。室温に戻すのにかかる時間、5,6時間。今日中に食べられる目算、ない。

というわけで、今晩は先月イギリスから買って帰ってきたM&Sのラムカレー用スパイスを使ったラムインドカレー。しかも特筆すべきは、夫がすべて調理した! 作ってもらえるご飯はおいしかったなぁ。

ところで、ブラックフライデーと翌月曜、サイバーマンデーとしてオンラインショッピングのセールが始まる月曜は二大セールデーと親しまれてきた。前者のブラックフライデーは今も健在で、チェルシー系のアウトレットは午前0時にオープンしたし、Old NavyというGAPの廉価版衣料品店は午前3時に開店すると盛んにテレビCMが流れている。アウトレットの人は一年で一番忙しい日だろうな。後者のサイバーマンデーについては、かつてはネットを会社で見るので、この木曜から始まるサンクスギビング休暇が開けて初出勤する月曜にターゲットを合わせていたのに由来する。しかし今やどこでもネットにつなげられるから、サイバー「マンデー」の重要性が薄れている様子。確かに翌週月曜まで待っていたら商機を失うね。

今週、アマゾンがブラックフライデー特集として毎日決まった時間からセールをしている。我が家も1つ便乗して注文してしまった。それは掃除機ルンバ。約$200の提示だったのでついうっかり。我が家はそんなに広くないので不要といえば不要なのだが、日本で75000円と聞いたら、値引率を非常に重要視する我が家の財務省が決断した。1年半で壊れる、日本で修理不可ということだが、まあその辺を加味しての$200だなぁ。本当は今日、フードプロセッサーも注文しようとしていたのだが、気がついたら注文可能時間が終わってしまった。残念。

26.11.09

出鼻をくじかれる

サンクスギビングの前日、昼前にリスケされた聴講授業に行こうといつも通り車に乗ってエンジンをかけると、点火しない。以前、バッテリーが上がったときにしたようなカチカチという音もしない。3日前には普通に乗ったのに! とりあえず誰かに見てもらわないといけないと、近所の日本人がいるauto shopを調べたら塗装・板金屋であった。自動車整備をしてくれるところを探さねば、と半ばパニックになっているうちに、夫がオンラインでAAA(JAFみたいなもの)に加入し、直後に電話して助けを呼んでいた。オペレーターは原因はバッテリーじゃないか、車種からエンジンが壊れることは考えにくいと言ってくれたが、不安で仕方がない。で、1時間後にメカニックが到着し見てもらうと、バッテリーの寿命だとのこと。自分でバッテリーを買って交換するか、今自分が交換するかどうするかと聞かれるので、もちろんお願いする。そしたらあっという間に終わった。メカニックの車には多くのバッテリーが積んであってすぐに対応できるようだ。約$120。AAAにもっと早く加入しておけば心配いらずだったなぁ。実に頼もしいサービスだ。

結局大学には行けず、車の調子を見ながら〈UBURGAR〉へ行き、普通のハンバーガーとビッグパピー(RedSoxのオルティス選手の愛称)と言う名のハラペーニョソースバーガー、フレンチフライをテイクアウト。野菜が適度に挟んであり、ソースもそんなに多くなく、非常に健康的な味だった。美しいマクドナルドて感じ。フライドポテトはもっと塩辛いのが好きなんだけどな。それにしても、ハンバーガーは健康的な食べ物だと思う今日この頃。

25.11.09

BSO

2週間前に思いつきで買ったBSOのチケットのコンサートへ行ってきた。Boston Symphony Orchestraという団体の演奏をSymphony Hallで聞く、といった体は初めてだ。BSOの演奏は夏のTanglewood以来だし、殆どメンバーが同じだけれども先日のBen Foldsと共演したのはBoston Popsである。シンフォニーホールの音響の良さはベンフォールズの時に十分に分かったので、てきとーにとったチケットとはいえ結構楽しみであった。何しろチケットは一人$20、破格であるよ。40歳未満ならばこの$20チケットが買える。若い人にもっと来てほしいんだろうなぁ。

そしたら、いつの間にか指揮者が交代しておりそれに伴って2曲目も変更されていた。まあ今回の目当てはバイオリンコンチェルトでソロを務めるJoshua Bellであり、そこんとこは変わりなかったのでよい。夏のTanglewoodで見たときには彼が有名な演奏者であることを知らなかったために、演奏後に握手を求めるファンの数にびっくりした。かっこいいのも人気の秘密だと思われる(写真は無断引用です)。この人、youtubeにWashington Post紙の企画で、駅の片隅で演奏したら何人立ち止まってくれるかを試した動画がある。都会は冷たいけど、さすがたくさん人がいるね、と思ったもんだ。


曲目は以下の通り。
  1. DEBUSSY Prelude to The Afternoon of a Faun
  2. STRAVINSKY The Firebird (1945 suite)
  3. BRAHMS Violin Concerto
寸感:一曲目はハーモニーが美しく響き、さすがBSOとうならずにはいられない。新緑が萌える5月の草原て感じ。二曲目はバレエのBGMを全部まとめてひとつの曲にしたもの。1946年には作曲者のストラビンスキーが自らBSOで指揮を執ったらしい。ちなみにBSOは来年、創立130年を迎える。この曲で指揮者が本領発揮 。狭い指揮者の台をめいっぱい動き回って、盛り上がりのところではジャンプした。着地後、客席がざわついたのが印象深い。直前の曲目変更のためか、一曲目に比べて和音に荒さを感じる。で、お待ちかねの三曲目はさすがブラームスと思わせる大曲。ソリストの動きの激しさに、指揮者は少しなりを潜めた様子。

クラシックこそCDで聞くのではなくコンサートに行くべきだと思う。CDの演奏はうまいけれども(市販のCDでもヘタクソなやつもあるが、それはまた別の話)、小さなスピーカーからを通すとそれだけ狭められる気がする。少なくとも家の15cm*8cm×2個のスピーカーは小さすぎる。5.1chの音響システムを使うと違うかもしれない。いいイヤホンを使うと、例えばバイオリンが右手前から、ホルンが正面から、トランペットが右奥から聞こえてくるのがわかる点でスピーカーに勝るけれども、演奏している姿が見えないのが決定的だ。その点コンサートは自分の視界一杯から音が聞こえてくるし、演奏家が見えることもあってそれぞれの楽器の音もわかりやすい。ひいては各楽器が担うフレーズが際だち曲が立体的に感じられる…気がする。

それと、クラシックでも聞いていられる曲と聞き続けるのにエネルギーが必要な曲があるとつくづく思った。旋律があってそれを補佐するように伴奏がある曲と、どこにメインのメロディーがあるのかわからない曲。前者はわかりやすいし、もしその旋律が自分のツボにくると、もう100回でも聞いていられる。その点ブラームスは偉大だと、今日の演奏を聞いていて思ったのだった。三楽章とも楽しく聞けたもんなぁ。口ずさみながら聞ける感じ。そのほか例えばブラームス交響曲1番なんてコンサートの定番だけど、定番になるだけのことはある。

好きな曲と言えば、ドボルザークの交響曲5番もそうだ。この曲はマイナーすぎてなかなかCDが売られていない。かつて2chのどのCDを買うべきかスレみたいなところでおすすめのCDを教えてもらったもんだ。ちなみに、この曲を認識したのは「のだめカンタービレ」からであった(日本編のニナ・ルッツ音楽祭で選抜オケが演奏した曲目の1つ)。いろいろ書いてきたが、きっかけはそんなもん。

22.11.09

引きこもり

ここ2週間ほど、去年の冬を思わせるような引きこもり生活をしていた。なんだかすべてのことにやる気を失ってしまったのだった。始まりは夫関連の日本人交流会で数多くの同年代の優秀な女性留学生達に会ったことだった。その境遇をうらやんだものの、そのエネルギーを自分を伸ばすことに向けず、嫉妬する方に費やしてしまった。自分を鍛錬するのは大変だから、うじうじ考えることに逃げたわけですね。でも、負の感情をずっと持ってるのは非常に疲れることで、ついには日常生活にも支障が出る始末。この間、ESLも聴講してる授業も殆ど行かなかった。食事も一日一食ほど。とはいえ、さすがに冷蔵庫から食糧がなくなると夫が飢えてしまうので、やっと買い物に出かけ、思いつきで生の栗を買い、その晩に渋皮煮をしてみた。

作業療法と言うのだろうか。渋皮煮のための栗の皮むきは手間がかかる。無心になって鬼皮を剥き、爪楊枝で筋を取り続けているうちに、記憶にたまっていたものがだんだん薄れてきた。悩みが解消するわけではないが、忘れてきたというか、その苦しい気持ちが霞んできた。そういえば、料理はストレス解消には有用だよなぁ。無心になって体を動かすのは楽しいもんだ。この日記を書くためのタイピングも、打っては訂正してはしているので、指の運動になり似た効用をもっている気がする。

12.11.09

乾燥がひどくなってきた

いよいよ最低気温がかろうじて0Cを上回る季節になり、セントラルヒーティングが稼働し始めた。冬の間、家の中が常に暖かいのは嬉しいが、なぜか非常に乾燥する。加湿器は必須だ。去年購入した加湿器を持ってきたのだけど、石灰がこびりついてとれなくなってしまったために先日買い直した。今度は冷たい霧がでるやつ。暖かい霧が出るタイプより高価だ。熱い霧は触れると危ないかもしれないからなぁ。子供が喜んで指をつっこむんだよね。高いと言っても$40くらいで、日本よりも安いかもしれない。アメリカは家電の価格はほんと安いものから超高級品まで幅広い。選択肢が広いってのはいいことだ。

で、乾燥がひどいので保湿は欠かせない。ドラッグストアは今やボディミルクやハンドクリーム、かかとクリームで溢れかえっている。私もここぞとばかりにJohn Masters Organicsのバニラとオレンジのボディミルクをせっせこ塗っていた。そしたら虫に刺されたよ…。虫との因果関係は明らかではないが、甘い香りがやつらを呼び寄せてしまったのかもしれない。

化粧水も問題だ。欧米人はクレンジングクリームで浮かせた化粧を拭き取り化粧水(トナー)で拭い、ミルク状の保湿液(でもオイルフリー)をつけて手入れ完了らしい。日本でおなじみの保湿用化粧水ってやつは存在しない。多湿のアジアに住む我々とは肌の厚さや細胞のはがれ方が違うんだろうな。トナーでもなるべく薄いやつを保湿用にといろいろと試した結果、Body ShopのAloe Calming Tonerにおちついた。香りがないので虫に刺される心配もない。しかも安い。CaudalieのBeauty Elixirも香り控えめで、スプレーなのにすごく浸透するので併用している。同じスプレータイプならJuliqueのRosewater Balancing Mistが気になるが、バラの香りがネックだ。Caudalieの後だな。数年前にバラの香料が人工的に作られるようになって、バラの香りが付された化粧品が爆発的に増えたらしい。いい香りだとは思うけど、柑橘類の香りと異なってちょっと近寄りがたい感じがする。

そういえば、ロンドンのCalpeperで買ってきたホホバのキャリアオイルの効用がすごい。最近、アイジェルかなんかで目の縁が荒れてひりひりしていたのだが、いい保護材になったのかすっかり回復した。オイルを使うのは初めてだけど、乳液と違って塗った後の息苦しさがなく、少量でのびが良くて扱いやすい。すばらしいね、ホホバオイル。

9.11.09

かゆいのその後

かゆみがとれた頃にまた刺されてもういやんと思っている今日この頃ですが、本日ついに容疑者を捕獲そしてつぶして廃棄。Bed bugという虫のようだった。日本語では南京虫らしい。戦後の公衆衛生が整備されていない頃によく見られた虫だと思う。やだなぁ。どっから入ってきたんだ。アメリカでは寝る前に、この虫に刺されないないでぐっすり眠れるように、とおまじないするくらいよく被害に遭う虫らしい。中古マットレスや中古家具から移ることが多いとか。我が家のベッドは新品なのに…。暖かい所、人の手が触れにくい空間、外からの出入り口等、家の中に怪しい箇所はたくさんある。明日は総ざらいして大掃除だ。夫は無傷なのにどうして私ばかりが刺されるのか、それだけが疑問。

それはそうと、今日はボストンで知り合った人々とお茶してきた。だんだん人と出会えてきたのが嬉しい。

その後、今日の生理学はLabだから特段予習もいらないやーと何もせずに大学へ行ったところ、Labは来週で、今週は引き続き講義であった。授業は2時間で約120ページのパワーポイントを使って進められるため、いつも事前に印刷して持参している。が、今日は当然持っていない。仕方なく必死にノートを取ったら、いつもより内容が分かる気がした。普段は印刷物ばっかり見てしまったり、先生の説明がよく分からなくても後で確認すればいいや、と流してたんだなぁ。反省。

6.11.09

会員なのにまだ二度目

せっかく会員になって1年間無料で入館できるというのに、全然活用してこなかったボストン美術館メンバーシップ。やっとこさ使ってみた。ここに来るのは3度目、2度目に訪れたときに会員になった。非会員は会員と一緒なら$5で一緒に入れるのも嬉しい制度だ。

ボストン美術館はMuseum of Fine Artsが正式名称で米国でも有数の美術館らしい。美術の教科書の中で「ボストン美術館所蔵」の文字を何度か見かけた気がする。現在の特別展示はエジプトのとある墓。1915年にここの美術館が発掘し始めたらしい。そのとき既に盗掘に遭っており、残っていたのは死後の世界へ渡る船の人形とわずかな壺類、それに棺とミイラだけ。だが、棺はまるまる残っていて、そこに施された装飾がすばらしかった。棺は木製であり経文が彫り込まれたかのような細かい文章、現世と死後の世界を結ぶ扉の装飾、顔料も褪せていなかったし朽ちてもいなかった。欧米人が漢字にロマンを感じるように、ヒエログリフに思いを馳せてしまった。

常設展は、まだ見ていなかった古代ギリシアコーナーへ。世界史の資料集に載っていた、黒字に赤い装飾の壺や皿がこれでもかというほど並んでいて壮観であった。赤いのが地の粘土で、黒いのが釉薬らしい。数は少ないながらも繊細なギリシア彫刻もあり、これがローマ・フランクと年代を経るとともに彫刻の細かさがどんどん衰えていくんだよなぁと思うと切なくなる。手先の器用さは人種・民族で異なる気がするなあ。

11/21から4つの小さな特集展示が始まるらしい。また行かねば。

ちなみに、ボストン近郊にはMuseum of Bad Artsというのもあるらしい。そこのうたい文句は'too bad to be ignored'。展示されている作品には気の毒だけど、笑える。

Ben Folds

近隣の大学で、学生は$10、一般人でも$15という破格のBen Foldsライブを見てきた。この間のBoston Popsも良かったが、バンドライブもいいよねーと期待していったんだけど、結論から言えばイマイチだった。チケットの価格を考えればバンドなんて採算が合わないだろうし、会場も大学の体育館とくれば設置場所の観点からも難しいだろう。実際はBen Folds一人のピアノコンサートであった。

開場時間に到着しても駐車場が空いているのが嬉しい。入り口にそこそこの行列ができていたのは厳重なセキュリティチェックのためであった。飲食物は持ち込み禁止、バッグの中身を二人がかりで確認した上、金属探知機のゲートをくぐらされた。コンサートの入場がこんなに厳しいのは初めて。何かあったら大学の責任だからこその対策だろうけど、大変だ。そして内部はオールスタンディング。悲惨。

7時開演のはずが、前座が登場したのが7:20頃。ソロの人で曲の紹介が長い。周りの人と同じように「早く歌えよー」とぼやいてしまった。で、本人は9時になってようやく登場。売れた歌はそれなりに合唱が聞こえたけど、学生向けの大学イベントだけあって観客のすべてがファンというわけではない様子。視界を遮る背の高い人がつまらなそうな様子でいるのを見続けなければならないのは辛かった。Ben Foldsは歌詞もMCもおもしろいはずなのだが、聞き取れないのもつらい。そこに加えて即興曲を披露してくれちゃったりもしてついて行けない感じ。周りが笑っているのを自分だけが笑えない状況ってのは寂しいものだ。

終わったのは11時近く、立ちっぱなしは脚にキた。次のU2のコンサートではGAに参戦するのが夢だねなんて夫と話してきたが、やっぱり音楽は座って聞くべきだと考えを改めた。

3.11.09

日常カムバック

昨夜はコンサートの興奮から全然眠れず、今朝も10時過ぎまで寝てしまった。なんとなく思い立ってこのブログ(というか日記)のレイアウトを変えてから、生理学の授業の予習をして過ごす。逃避行動か?

今日の生理学の授業は神経系の話。これまで意味も分からず習ってきた細かい基礎知識がやっと意味を持ってきた感じ。この授業のタイトルは「生理学と解剖学」のため、体の構成部位を確認する解剖学の比重が高い単元と、生命のメカニズムから人体を見る生理学が重きをおく単元と、両者相俟っている単元がある。先週の骨と関節は解剖学寄りだったが、今日の神経系は生理学寄りで断然おもしろかった。なぜ? が解決するのが何より楽しい。この世には知らないことがたくさんあるけれど、自分自身のことこそ全然わかっていない、ということがわかるのがおもしろい。化学がちょっと大変だけど、それを補って余りある。まあ実は、これまでは人体を形成する細胞の種類とか組織の種類とか、基礎の基礎の基礎くらいの内容だったので、正直に言うと「結局暗記でしょ?」と今一乗り切れなかったのであるが。今日はそういう基礎知識あってこそのメカニズムの理解だよなぁと反省した。来週はまたLabだ。今度は関節らしい。また細かそう。

今週はかなり冷え込み、最低気温も0度くらいになるらしい。寒いと疲れやすくて困る。今日も寒かった。早く寝よう。

2.11.09

Travisアコースティックライブ

夫が大好きなイギリスのバンドTravisがボストンで見られる! ボーカルFranとギターのAndyの二人だけのアコースティックライブで、ものすごい狭い会場、しかもグッズは本人が手売りする!! ということで行ってきた。Travisのコンサートは6年ぶり2回目。前回はロンドンのアレクサンドラパレスでクリスマスの日だった。あのときも二人で来たっけ…と思い出す。私が留学中でチケマスでチケット買って、結婚する前の夫が日本から来たんだよなあ。懐かしい。

会場は家から約6kmの所にある、地域の集会場みたいなところ。規模的には公民館の体育館。44台分しかないという駐車場も会場1時間前はがらがら。しかも近隣は路駐し放題ゾーンで全く恐れるに足りず。すばらしいね。チケットはGA(自由席)だったために、前から2列目の座席を確保。小さいハコ最高。

どんな曲を演奏するかと思ったら、やはり売れた2,3枚目のアルバムが多かった。私は4枚目を留学中にずーっと聞いていたこともあって思い入れが深いのだが、コンサートで演奏するには暗すぎるようだった。それでも定番の「Writing to reach you」「Why does it always rain on me」「Turn」「sing」「side」に観客大喜び。

自前のPCでプレゼンをしながらというのも手作り感いっぱいで斬新。彼らはグラスゴー出身なのだが、わざわざスコットランドの地図を大きく提示しての講義。Franが一曲毎に、その曲ができたときのエピソードを披露してくれて、学校の課題のようだと言って笑いを誘っていた。彼らの曲は楽曲は静かで美しく歌詞も詩的であることが多いのだが、実際に曲ができるシチュエーションはまったく関係ないのが衝撃的であった。例えば妻に幸せな未来を誓う「Flowers in the window」は、メンバーが深夜まで飲み明かして醜態をさらしているのを見たらアドレナリンが出てきて10分で書けたとか、この曲が好きな私にはちょっとショック。笑いの絶えないMCだった。

今回初めて、プロの歌手ってのは歌も演奏もうまいんだなーと感動した。一曲目の「20」はFranが舞台から飛び降りて会場の真ん中へ移動し完全にアンプラグドで弾き語りしたにもかかわらず、声もアコギも切なく響いた。また、ギターが響く「As you are」は私的スキップ曲であったのに、Andyのギターに釘付けになってしまった。エレキギターってあんなにいろんな音が出るんだねぇ。びっくら。

最後にリクエストに応えると言ったら、会場が突如激しいオークション会場の様相を呈した。が、全然それには応えず自分たちの都合で曲を演奏していた。ひどい。2曲で締められたけど、もう1曲くらい聴きたかったな。時間が押している様だったが、それは絶対Franのしゃべりすぎが原因だ。

その後、物品販売でこのツアーのオフィシャルブートレッグCDとTシャツを購入し、CDに二人のサインをもらっちゃった。握手も写真も撮ってもらってしまった。しかもFranの手撮り。そんなことさせるなんて! ちょこっと言葉を交わしたのだけど、なんかものすごい緊張した。AKB48が売れる理由が分かった気がする。手売りいいねぇ。また来たくなっちゃうよ。CDもいい商売だ。このコンサートをライン録りしてそれをCDに焼いて売っている様子で、MCが全部入っている。コンサートの後にはやっぱライブ版の音源聞きたくなるもん。うまい商法だ。写真は後から見返したら、肝心の夫がFranの陰に半分隠れていて落ち込んでいた。申し訳ないけど笑えた。

今度はいつ行けるかな。去年、国際フォーラムに来ていたらしい。次は何年後に来日するんだろう…。

1.11.09

ハロウィン@Salem

この週末はちょうど10月末日にかかったため、いろいろと気にすることがあった。
  • 10/31はハロウィン。ボストンはtrick-or-treatingが盛んだとは耳にしていた。それに近隣のSalemはかつて魔女裁判が行われた地でそれ自体は悲劇だが、今ではハロウィンは異形に身を包んだ人々が闊歩する日として有名になったらしい。
  • 10月最終の日曜は夏時間daylight saving timeが終わる日。3月最終日曜日から1時間早められてきた時計が元に戻る。午前2時から3時に変わる際、もう一度2時になる。
てな感じ。

そんなわけで、セーラムに行ってきた。ボストンから地上を走る近郊列車に乗って約30分の海沿いの街。かつては税関がここにあって、ボストン美術館にたくさんある日本の美術品がみんな通過していったらしい。古く小さな美しい田舎町…であるが、ハロウィンのこの日だけは別格の混雑ぶりだった。

そもそもボストンから電車に乗れない。電車はデッキまで乗客が満載なのに、ホームは電車に乗れない人々で溢れかえり、むしろホームにも踏み込めない乗客の行列が駅構内まで続いていた。電車は増発して30分に1本。それでもなんとかデッキの隙間に滑り込み発車。途中で4駅ほど停車したが、車掌が混雑を理由に乗車を認めない。車掌が停車駅のアナウンスをしようにもマイクまで到達できない始末で、その近辺にいた乗客に代わって駅名を言うように指示。暑い暑いと走行中にドアを開けるなど、なかなかアメリカ的な電車体験だった。

ハロウィンの仮装練り歩きは夜が主。と言っても5時くらいにセーラムに到着すると、もう既に様々な仮装が見られた。老いも若きも人もペットも、お化けや芸能人に扮したり単純に派手な服を着ていたり、一大コスプレ会場であった。目に付いたキャラクターものは、マリオとルイージ(5組、色Tシャツにオーバーオールを用意すればよいので簡単そう)、ウォーリー(4人、リアルウォーリーを探せ状態。でもそんな簡単に見つかってはいけないと思う)、ホグワーツ関係者(たくさん、特定のキャラというよりもハリーの衣装を着ているだけか)、バナナ(3本、既成の着ぐるみ)、ケチャップとマスタード(2組、赤と黄色のとんがり帽子に布を巻いている)、ティンカーベル(5人、妙齢の女性ばかり)、マイケルジャクソンとSP(1組、全然見かけなかった。もっといると思ったのに)。そのほかにも、中世の王侯貴族っぽいドレス、イタリアの仮面舞踏会的な鼻とんがりマスク、ドラキュラやオオカミ男などの伝統的な異形の人たち、単純に派手な人たちも。今回一緒に見物した友人達はインディジョーンズと海賊たちだった。衣装の中古屋で仕入れたり、自前の服を組み合わせたりして楽しむとのこと。

街では特に大きなイベントがあるわけではなく、何カ所かに設置されたステージでライブやコスチュームコンテストが行われているくらいで、基本は街を練り歩く&見物する。こういうのは統一イベントがあった方が見物するにはおもしろいんだけどな。街の中をうろうろしたら、私設お化け屋敷やオカルトグッズ屋、神秘体験系の店が多く目にとまった。そうでなくとも、この町はかつて日本で大森貝塚を発見したモースの故郷で、彼が携わった美術館があったり、魔女裁判博物館があったりと、普通に観光に来ても楽しそうな印象。魔女裁判にかけられた人々の墓地は薄暗くはあったが、その近辺では歩き疲れた人々が数少ないベンチを占拠していて、この夜ばかりは決して怖い雰囲気ではなかった。

帰りの電車は、掲示されていた臨時スケジュールとは全く関係ない時間に運行していたおかげで座れたからよかったんだけど、こりゃあ運営側は大変だろうなと思いを馳せた。地下鉄に乗り換えて以降も、続々と乗ってくる異形の人たち。今夜は夜通し仮装パーティなんだろう。盛り上がった若者達が突如「星条旗よ永遠なれ」を歌い出したときには、校歌や紺碧が響き渡る週末の高田馬場駅前を思い出して、古今東西変わらないのかもしれないと思った。

この夜は1時間長いことを言い訳に夜更かししようと思ったが、歩き回った疲れからか1度目の2時が終わる前に就寝。翌朝10時までぐっすり眠ってしまった。そういえば、日本語で「サマータイム」と呼んでいるけど、アメリカではdaylight saving timeと言うんだよなぁ。サマータイムはイギリスか。日本語の外来語文化は世界の文化を尊重していていいと思うんだけど、浸りきっているとどこの言語か分からなくなるため、アメリカ英語が席捲しているような国では時々困る。

31.10.09

かゆいのは治まった

痒かった件、いろいろ各方面よりご心配いただいてほんとすいません。かゆみが引いたので、極力触らないようにして過ごしていたら患部はすっかりきれいになった。かゆいって不思議な感覚。乾燥もあるのか、全身むずむず感じる時もあるし、脚だけがやけに感じてしまう時もある。困るね。

今、夫の勤め先の偉い人が海外出張でボストンに来ている。私は面識はない。水曜の夜は家の近所で飲むと言っていたので、ひょっとしてホテルへ送る必要があるのか、うちに立ち寄るのか、などといろいろと心配してしまって、その日の午後はめいっぱい家の掃除したり、1ヶ月間のアメリカ滞在、しかも滅多にない海外体験ということだったので差し入れの可能性を考えて炊き込みご飯をつくったりした。そしたら、夫は連絡もなくふつーに帰宅、偉い人は自分で電車に乗って帰って行った。

思えば、働き始めて以降「これから何か起こる可能性がある」ということを待っているときの緊張感に耐えられなくなってきた。たぶんそれまではそんなに大事な局面がなかったんだろうな。物事がはっきりしない状態への苛立ちと相俟って緊張が続くと、その後に感じる疲労感はただことじゃない。そんなわけで「事前に備える」ことが怖くなり避け始めて、いろんな事が後手後手になっていく。それはそれで身の回りのことがうまく機能しなくなって困る。この緊張感をうまく逃がすにはどうしたらいいのかね。難しいなぁ。

そんなわけで木曜は家でごろ寝してすごした。家最高。

金曜は木曜の延長的な感じであったけれど、夜に前述の偉い人たちと一緒にで食事。JFKも通ったという伝統あるシーフードレストランで観光名所的な感じ。古い建物や内装は楽しかった。味はアメリカ。

27.10.09

かゆい!

以前、朝起きたら足の裏が劇的に痒くなっていたことがあった。そのときは悔しい気持ちをこらえて水虫を疑い、あまり効果を感じないながらもラミシールを塗布し続け2週間ほどで治まった。

金曜の朝、起床後なんだかふくらはぎが痒いなーと掻いてみたら、その後やけに痛くなった。おかしいぞとよくよく見てみるとあちこち赤くなっている! 患部は先日の水虫疑惑とよく似ている。左ふくらはぎに4カ所、右ふくらはぎに2カ所、何かに刺されたような跡があり、その周りが半径3cmほど真っ赤に、その外側半径3cmほどピンクに腫れている。こりゃおそらく、虫に刺されたな…。そしてこの間の足の裏も同じだろうな。

ダニにしてはひどすぎるし、同じ寝床を使う夫は無傷なのでおそらく違う。ブヨの症例に似ている気もするけど、そんな虫が飛んでいたらすぐわかると思う。ムカデが家の中にいた! という証言をボストンで聞いたことがあるが、ムカデに刺されると寝ていられないと思う。痛すぎて。

そんなわけで、脚の裏側を真っ赤に腫らして早3日目に突入した。真っ赤になっているときは内側で免疫系ががんばっていると信じて、なるべく触らないように耐えている。かゆみを耐えるのってほんとつらい。入浴後に少し治まるのは、何か流れ出ているのか、それとも水を吸って薄まっているのか、謎だ。

そういえば昨夜、youtubeでU2のコンサートが生中継された。16カ国で閲覧が可能だった模様だが、サーバの重さを感じることなく見ていられた。トラフィック分散をものすごいしたんだと思う。すごいなぁ。今はyoutubeで普通に見られるようだが、ビューは1億を超えているとか。ひえええ。イサカ時代の友人夫婦は見に行ったんだろうか。会場で見ていたら大変だったろうなぁ、帰るのが。内容的には随分おとなしい印象だった。メンバー紹介は普通だったし、ファンのおねーちゃんを舞台に引っ張り上げることもなかった。でもVertigoでのedgeの合いの手「おらー」が野太すぎて笑えた。どうしたんだ、edge。

今日は生理学の日。今日の内容は骨と関節。人体模型が欲しくなるね。骨はなかなか奥が深いよ。指の関節は、骨と骨の間に液体に満たされた隙間があるから円滑に曲がるらしいよ。肩や股関節のように球状の骨をはめ込む型や肘のちょうつがい型のように骨同士が組み合わさっているような構造が、この指の関節という狭い場所にあるとは思えなかったので納得。なかなかおもしろかった。

26.10.09

秋晴れ

今週の日曜は、先週の雪模様とはうって変わって雲1つないいい天気。青空に赤や黄に染まった街路樹が美しく映えていた。

日曜はハーバード大学の自然史博物館と人類学博物館にMA州住民なら無料で入れるよ、と友人に教えてもらい行ってきた。大学の展示なんてどうなのかと思っていたら、すばらしい展示の数々だった。自然史博物館は動物、鉱物、植物、気候変動の展示が、人類学博物館は中南米のマヤ・アステカ文明、ミクロネシア等南洋諸島、ネイティブアメリカンの展示があり、展示物の豊富さと説明の詳細さにびっくりした。

動物コーナーは現存する動物の剥製や骨標本、恐竜の化石が所狭しと並んでいた。このあいだの旅行で見かけた野生動物たちが一堂に会していておもしろかったなぁ。鳥のコレクションも大量で、コーネルの鳥類学研究所とはまた少し違った感じ。植物は本物の植物標本があるのではなく、1900年前後にドイツで作られたガラス製の標本が飾られていた。実寸の全体像のほか、茎やめしべ・おしべの断面図の拡大版などもあり、ハーバード大学生が研究に来るほど精緻に作られているらしい。

人類学の方は中南米文明しか見ていないけれど、近づくハロウィンにちなんだのか、それに類似した風習の展示があった。先祖の霊を呼んで縁者一同が集まる行事があるらしい。まるで日本のお盆だ。中南米はカトリックが大勢と聞くけれど、死人が現世に戻ってくる考えをよく受け入れたなぁと不思議に思った。土着の信仰とうまく融合したのかな。

今回はエクステンションスクールのハーバードIDを見せたら入れたので、いつ来ても無料でいけると思われる。また来ようっと。

22.10.09

具が少ないほどレトルトカレーに近い味

連日7時に起床して、これまでにないほど健康的な日々を送っている。

水曜の夜は帰宅が遅いためいつも夕飯は悩みの種だが、今週は昨夜からカレーを仕込んだ。が、昨夜のラムチョップに考えなしに野菜を投入したため、カレーに回せるのはサツマイモ、白タマネギ半分と紫タマネギ1個、大量のにんじんに大量の豚バラ肉かたまりしかない。あとニンニク。たまにはシンプルでもいいかとやってみたら、最終的にはレトルトカレーっぽくなってしまった。味だけでなく、液体でしゃびしゃび。でも味はちゃんとついてる。タマネギが溶けて甘さが増している。悪くないよ、悪くない。私は何事も具だらけの状態が好きで、夫の液体偏向とは相容れないのであるが、たまにはいいか。でもあまりの具のなさに耐えきれず豆腐を追加。豆腐いいね。癒し。

Whole FoodsにもFAGEのTotalがあった。0%fatものならもっと大きな容器のも売っていたけれど、less fatは勇気が出ない。乳製品は脂肪があってこそなんぼだ。

今日の発音の授業で、pleasureやmirageなどの「ジ」の音と、joyやmagicの「ジ」の音の発音方法の違いが最後までわからなかった。授業後に先生に個別に聞いても解決せず。日本語の表記だと同じ「ジ」だからなぁ。あえて近づけるなら後者は「ヂ」か? この違いは大まかに言えば前者は舌がどこにも当たらず、後者は舌が口蓋に当たるらしい。でも後者にあたるageとかcageなんて舌がどこにもつかないよー。どうしたらいいのかわからん。

21.10.09

朝早く起きれば、深夜になる前に眠くなれる

今日も7時に起床。これまでにないすっきりとした目覚めに、やるじゃん私、と自画自賛。前夜10時頃に寝ていればそれも可能か。

午前中にはESLのクラスへ。火・木とクラスがあるのに、火曜に行くのは初めてだ。木曜に比べて、どこどなく空気がよどんでいる気がする。月曜、火曜の朝は結構しんどいかもなぁ。久々にプレゼン練習したのだけど、全然口が回らなくてびっくりした。英語しゃべってないもんなぁ。日本語はロンドンの友人のおかげで大分復活してきたけどね。

クラスメイトと近隣のフードコードで昼ご飯。タイ料理を標榜する店があったので、おそるおそるパッタイを注文。そしたら、また甘かった。てかケチャップで味付けしてある! 普通の魚醤ベースのやつを味わいたいというのは無理な注文なのか。

その後、図書館で明日の予習をすると見せかけて、読みかけの「My sister's keeper」を開いてしまった。夏に映画化され、読みたいなと思っていたベストセラー。イギリス旅行中に購入し、この日の夜までかけてやっと読了。よく作り込まれておもしろく、先を急ぐようにして読んだ。ただ、作り込まれすぎてフィクション感が拭えなかったのと、300ページかけて進めてきた話が301ページ目でひっくり返され、310ページから違う話になってそのまま315ページで終わった印象で、なんだこりゃあああああ的結末であった。

図書館の前のCopley Squareではよくファーマーズマーケットをやっていて、昨日できなかった夫のバースデイディナーを本日決行するために、ラムチョップを購入。値段を聞かずに買ったら、400gで$14したよ! 普段はこんなの買わないよ。食費と言えば聞いた話では、スーパーマーケットで完全に値段を無視して買い物できるのは年収1500万円かららしい。それを鑑みるとエンゲル係数が高すぎる我が家。時々、自分達の食欲旺盛・意地汚さに切なくなる。帰宅し、ロンドンの友人がやっていたのと同じ手法で、イモと一緒に焼いてみた。にんじんとナスもついでにオーブンにぶち込んで。ちょっと焼きすぎたけど、値段だけあっておいしいラムでした。ごちそうさま。

上に書いたように食には好奇心旺盛な私だが、一方でそんなにあれこれかまわずいろんな食材を試しているわけではない。が、ロンドンの友人宅でごちそうになったグリークヨーグルトのトータル(水切りヨーグルト)が、行きつけのイタリア系八百屋Russoにあったので買ってみた。もちろん、Less fatでないもの。いやーおいしいよ。水分が少ない分濃厚だし、脂肪分も減らしてないから非常になめらか。グリークサラダのドレッシングや肉料理のソースに使うことも多いらしいけれど、全部そのまま食べてしまった。また買おう。こちらで買えたFAGEのTotal $4.99/500g、日本で買うと1600円弱らしい。恐ろしい…! 写真の手前はイチジク。Black Fig。小さいけどちゃんとイチジクでした。皮ごと食べられて楽ちん。

20.10.09

誕生日おめでとう

今日は夫の誕生日。と言っても、もうプレゼントもあげちゃったし、おいしいご飯を作る余裕もなくいつも通りの日。授業の予習があったからね。記念日を、自分の誕生日さえ忘れてしまうようになってもう数年がたつ。以前はすごく意識してた気もするけど、スルーされすぎて諦めてしまったのかもしれない。

で、今日は生理学の日。2度目のLabで骨格標本で骨を確認しようという話。人体の骨格をすべて確認するのに、通常では6時間かけるらしい。が、今回は2時間しかないため、頭蓋骨と脊椎・胸骨と肋骨に絞られた。出席確認もしないし、非常にゆるい時間のため、26人いるはずの学生のうち8人ほどは最後まで現れないまま、他の学生も1時間強で帰宅。まあ標本を使って三次元で確認できたのは良かったけど、集中するのが大変かも。

昨夜から風呂場の排水がスムーズに行かないなーと思っていたが、今朝シャワーを浴びたら水が流れないどころが大量の髪の毛が出てきた。ひええええ。逆流しおったよ。頻繁にパイプ詰まり取りの溶剤を流しているのになぁ。うちのパイプでなく、共通部分が原因じゃないのかと疑いながらも、帰り道にまた溶剤を2本購入し流してみる。これで元に戻ればいいな。→これはその後、お風呂の栓が半開きなのが原因と判明した。全開したら、そりゃあもうスムーズに流れていったよ。そりゃそうだ、通常の三倍の溶剤を入れたからね。

立ち寄ったドラッグストアでdryelを発見、即購入。これは乾燥機で洗濯するためのキットで水に触れさせたくないニットやウールに役立つ。これがあればクリーニング要らずだ。Targetでは置いていないし、イサカのWal-martにはあったがこちらでは見つけられなかったので困っていたのだった。助かった。

間違いなく時差ボケだが、今朝は6時半に起床。今はまだ9時半だが眠い。時差を越えた移動をした直後のみ真人間の体内時計に戻れる気がしている今日この頃。

19.10.09

買い物行脚

朝から雨、気温も低い。セントラルヒーティングが朝から稼働する季節になった。イサカはすでに雪が積もったらしい。恐ろしい冬がやってくる…。

一週間の旅行から帰宅すると、予想通り冷蔵庫は空になっていた。今日は朝からスーパーを巡る旅へ。野菜を求めてRussoへ行くと日曜午前というのに混んでる! ここは平日午前に来ないと大変だな。しかもあちこちで品出しをしている最中で、人混みをくぐって補充された棚へ向かうのは一苦労だった。

続けて、車で40分ほどの距離に近日オープンしたばかりの韓国系スーパーH martへ向かう。住所をメモしたのを忘れてきたけれどなんとか到着。全米各地で人気の大型スーパーと聞いていた通り、清潔感溢れる内装・豊富な商品・焼きたてパン屋や韓国料理的に充実したフードコートなど、集客する要因がたくさんあるのがわかる。まあそれ以上にものすごく混んでいて大変だったけど。ここも平日に来るべきだ。確実に田牧ゴールド(コシヒカリ)が購入できるのが嬉しい。ボストン近郊の韓国食材店Reliableは先日行ったときは韓国米しか置いてなく困ったのだった。それも今、ちょうど新米が入荷される季節のためタイミングが悪かっただけなのかもしれない。

その後にBurlington Mallへ向かう。目当てはSony Styleでの新型デジカメの試用。

実は先週、このカメラをアマゾンで注文していた。そして留守中にUPSが家の前に放置していき、私たちが家に着いたときには既に存在せず。誰かが持って行ってしまったのか、UPSが本当に配達したのかは不明。アパート内に張り紙もしたけれど、誰からも連絡がなく約10日後に諦めた。アマゾンが警察への盗難届なく返金に応じてくれたのが不幸中の幸いか。

そんないわくつきのカメラだが、やはり触ってしまうとほしくなる。どうやって買うかは検討中だが、おそらくまたネットで注文するんだろうな。でも今度は送付先住所にc/o Management Officeってちゃんと明記しなければ。

ついでにNordstromで下着を購入。お店のおねーちゃんはプロだった! ほとんど目算で持ってきてくれたものがちゃんと体に合った。さすがだ。しかもワコール製品。海外にも販路があるとは知らなかったなぁ。意外なところで日本製品を購入することになったのであった。

あれやこれやで夕方に帰宅。大雨は霙にかわり、帰宅後に見たアメフトでは選手達がうっすら雪の積もった競技場でどがんばすんしていた。そりゃ寒いわけだよ。

イギリス一週間 その3

10/9-17に巡ったイギリス旅行(スコットランドとロンドン)を振り返る。

▼10/14 Wed

相変わらずの曇り空。正直ロンドンは友人一家に会うために来たのであって、あんまり観光目的がなかった。この日はすっかり友人に下駄を預け、コベントガーデンからチャイナタウンに抜けて、ピカデリーサーカスを経由してフォートナムメイソンでお茶を買うことになった。

私はこれまで、ロンドンには日曜の午後から夕方にかけてとクリスマスホリデイの夜にしか来たことがないので、コベントガーデンは人混みがすごいというイメージしかなかった。が、さすが平日の朝。人口密度が低くて快適快適。アロマセラピーグッズを扱うCulpeperや紅茶屋など、小さくともかわいいお店がたくさん。なんだか街行く人の格好も、襟のついているウールのコートにブーツが多く、アメリカよりもトラッド。日本人には馴染み易い感じ。

中華街では、かつてPoonsというヌーベルシノワっぽい店がはやっていて、入れないままに終わってしまったので今度こそと挑戦した。が、その場所には違う店が…。ただ、店の入り口には「昔Poonsでした」との張り紙があり、なんだろうと思いつつも入店。エビの蒸し餃子、上海風小籠包、エビとフカヒレの餃子を前菜に、エビを揚げたのをニンニクと唐辛子と塩で和えたものを注文した。いやー、ロンドンはおいしかった。このエビの揚げたの食べたかったんだー。揚げ具合もばっちり、ぷりぷりしていた。点心もどれもよかった。幸せ。

で、人混みをかき分けながらF&Mまで移動。今回、スモーキーフレーバーの茶葉を買って帰ろうと思っていて、カウンターで聞いてみるが、なんとキームンとラプサンスーチョンとスモーキーアールグレイしかないとのこと。ラプサンスーチョンはボストンの水と合わせるとどうなるか不安だったため、若干香りの優しいキームンを購入。その他よく見ないで会計したクラシックアールグレイは、茶葉が紅茶でなく緑茶であった。家に帰ってから気がついたよ。それはそれでありな味だったけれど。それに普段飲む用としてQueen Ann。ストレートでもミルクでもどっちでもいける。ストレートに砂糖を入れると、午後ティーストレート。

その後、スーパー行脚してWaitroseでCiderとSainsbury'sでTetleyの紅茶を購入。テトレーはアメリカでも買えるが、ノスタルジーから手が伸びた。しかし、やはりQueen Annを飲んでしまうとテトレーは飲めないなぁ。味が雑すぎる。ミルクを入れないと飲むに耐えん。PG Tipsの方がいいかも。

この日の晩にサイダー飲み比べ。GeymerのSomersetとDevonのラベルの付いた2本だ。いずれもローカルプロダクトらしい。Somersetは発酵臭もなにもなく、非常に飲みやすいのにアルコール度数は約5%。ちょっと危険。比べてDevonはより素朴というか、癖のある香りが鼻に残るけれどそれがまた癖になりそう。


▼10/15 Thu

この日は雲1つない青空が広がり、絶好の町歩き日より。友人がまだ行っていないというタワーブリッジと食いしんぼ的にはBorough Marketを目的に、ロンドンブリッジ付近を探索することにした。

地下鉄でロンドン塔の最寄り駅まで来ると、観光客であふれていた。すごいね、さすが大都会。平日なのに。テムズ川沿いまで降りてからタワーブリッジへ向かい、南に向かって橋を渡る。交通量が多くて少し怖い。道が狭い。

テムズ川の南岸を東に向かい、ロンドン市庁舎の脇を通りマーケットを目指す。市庁舎ではちょうどクレーン車をつかって窓掃除をしていた。窓掃除っていつまでも人が手でおこなうんだなぁ。消防車の放水じゃきれいにならないのか。あるいは、ビルの上から水を流すようにすれば良いんじゃない? とか勝手なことをいろいろ想像した。

ちょっと迷いながらもマーケットに到着。狭い区間にチーズやジャム、オリーブなどの持ち帰り品的食料と、その場で食べられるご飯を売る店が並んでいる。そしてその合間を埋め尽くす人! 観光客のみならず、その辺で働いている人もいる様子。

ここで、草をジュースにするジューススタンドを発見。小麦の新芽のようだがよくわからん。絶対苦いと思ったが、予想外に甘い。が、鼻に残る草の青いにおい。どうしてもやっぱり草だった。

人混みをかき分けて、魚屋のシーフードタイカレーを食す。あまり辛くないけれど、甘くなくおいしい。ムールやイカがごろごろしていておいしかったなぁ。ペーストはMae Ployを使っているようだったので、まあ味に間違いはないだろう。ついでに魚スープも頼んだ。こちらは魚と野菜の出汁がよく出ていておいしかったのだけど、全部砕けていて具がない。タマネギとかジャガイモを入れて食べたかった。スープはものすごくおいしかったので、そのカレーの具をこっちに回してほしいなぁと思った。

この日は帰りにM&Sに立ち寄りお土産にJaffa cakeを買う。オレンジピールが苦手だと甘いだけの実においしくないお菓子であるが、私は大好き。まあボストンでも買えるんだけどね。

夜にトライフル食べ比べを実施。3種買ってみたけど、結果は
  • Waitrose…断然リード。これが一番おいしかったなぁ。カスタードがあまりゆるくないがプリンほど堅くもない。正に絶妙。フルーツコンポートは上品な甘さ、ホイップクリームも濃厚だけど脂が気にならない。さすがだね。
  • Sainsbury's…まあ普通。
  • Danone…問題作。ジャムにプリンを重ねた感じ。ああ、これは3連のを買ってしまったよ…。
ついでに翌日食べたのも加えると
  • ・M&S…上品でおいしいんだけど、カスタードが緩すぎる。味はいいんだけど、好みはWaitroseかなー。
ということになった。
Waitoroseのトライフル、ボール版のを独り占めして食べたかったなぁ。

▼10/16 Fri

一度は温かいスコーンが食べたいよー! ということで、ケンジントンガーデンのオランジュリーカフェへ行くことにした。ランチ時は有閑マダム的な客で満席だったが、旅行者っぽい団体も。パレスの1施設を転用しているだけあって、天井の装飾やテーブルの上のオレンジのミニ鉢など、随所が光る。その割に安い気がする。ここでやっと本物のラプサンスーチョンにスコーンと、マッシュルームクリームスープを食す。硬水で入れたラプサンスーチョンには感動した。軟水だとどうしても渋みが出てしまい、スモーキーフレーバーが鼻につくほどに悪い方向への相乗効果をもたらすのだが、そういった負の部分はすべて抑えて、ミルクのまろやかさとマッチしていた。友人の茶葉の購入も可能なアフタヌーンティーもまた、硬水なのにいい香りが出ていてあっと言わされた。さすがだね。スコーンはパンに近いテクスチャだったけれど、それはそれでおいしかった。

ケンジントンガーデンの木々は少しずつ色づいていて、このイギリスの芝生が広がる庭園ていいなぁとつくづく思う。ロンドンも手狭な街なんだけど、こういう緑地をちゃんと整備して確保しているのはすばらしい。

途中で友人と別れ、この後は独りでハイドパークを抜け、Oxford Stの各種デパート行脚へ。そして待望のセルフリッジに入店してみた。なんだか日本よりラグジュアリーさが高い感じ。ただ、客層はそんなに偉い感じでもない。総合デパートだけあって、電化製品からアパレルまでなんでもあった。ここで夫の誕生日に財布を購入すべく、紳士小物コーナーへ向かおうとするも、どこにあるのかわからない。案内ブースなどもなく、20分ほどさまよってしまった。最終的にたどり着けたけど。財布と手袋コーナー担当の紳士は親切にもいくつか候補を選んでくれ、その中で手触りが一番優しかったLaunerのものを選んだ。シンプルだけどちょっとキュートなやつ、なんてよくわからないリクエストによく応えてくれたよ。いい店の接客はやっぱいいね。

私は鞄が欲しかったのだけど、なぜかそれは地下の生活雑貨コーナーでピクニックシートに化けた。もちろん、日本に持って帰るつもりで買いましたよ。数少ない、私の「日本に持って帰るリスト」に載ったもの。

ロンドンの鞄事情は、みんなショルダーバッグだ。かつてブライトンのレーンズのOlie & Nickで買ったのもカーキ色のショルダーバッグだった。大事にしていたけどイサカからボストンへ移動するときにどこかに行ってしまった。ちなみに夫には不評だった。今回持ってきたかったんだけどな。

この日は友人の誕生日だった。おめでとう。

▼10/17 Sat

14:50発のVirgin Atlantic機でボストンに戻る日。あっという間のイギリス旅行だった。友人一家の子供達もしばらく見ないうちにまた大きくなり、折に触れ感動したなぁ。お兄ちゃんはよりお兄ちゃんらしくなり、妹は赤ちゃんから女の子へ変わっていき、成長という自然現象は実に偉大だと思った。

車でヒースローまで送ってもらったが、1時間もしないで到着できた! 国際線の空港がこんなに市街地に近いなんて不思議だなぁ。

ほんと、ロンドンに来てからはこの友人一家にお世話になった。どうもありがとうございました。

私の数少ない海外経験でイギリスの影響は計り知れず、それなりにいい印象ばかりだったのだけど、今回小さな子供とロンドンを移動したり、アメリカと何かと比べたりしたら、むしろアメリカっていい国じゃないかと思えてきた。基本どこもバリアフリーだし、子供に寛容だし、水やお湯もちゃんと出るし、ヒーターも動く。アメリカって先進国だなぁと思った。道も広いし、何にしろでっかいってのはいい。店に入ったときのHow are you?も、聞かれないと結構寂しいものだ。スコットランドの荒野もよかったけど、自然から受けるインパクトはどうしてもアメリカの方が大きい。一方で、アメリカの大量消費的生活習慣が知らず知らずにこの身に染みついているのには、改めたい気持ちになった。エジンバラ初日の夜にカレーを食べたとき、ナプキンが要るか?と聞かれたのでお願いした。そしたら、はるばる席までたった一枚の紙ナプキンを持ってきてくれた。アメリカだと、こういうときは一掴み分くれるんだよなぁ。そして利用されない分はそのままゴミ箱へ行く運命だ。大体の場合は1枚で済むはずよね、と大いに反省した。

としんみりした気持ちでゲートに向かったら、まただよ、女性一人旅への疑惑の目。今度は手荷物を全部あさられた。夫へのプレゼントはセルフリッジで小さな紙袋に入れ、口をシールで閉じてくれていた。それを破って開けようとしたんだよ! それはプレゼントだからやめて開けないでーと焦ってお願いしたら、中身の口頭確認で済んだけど。この入出国に関するところだけは、実に参った。今度は誰かと来よう。

アメリカ行きの飛行機は当然アメリカ人も多く乗っていて、行きと随分雰囲気が違っていた。飛行機が平行飛行に入ると突然立ち上がりだし、好き勝手なところに集まって雑談を始めたり、子供があちこち徘徊したり、ちょっとフリーダム過ぎないかと思った。まあそんな感じもいいか、と思いながら問題なくボストンへ到着。入国も特に疑いの目を向けられることもなく、ビザとI-20の確認をされてスムーズに終了。すばらしい。

無事に迎えに来てくれていた夫と会い、プルデンシャルセンターで夕飯を食べて帰宅。

イギリス一週間 その2

10/9-17に巡ったイギリス旅行(スコットランドとロンドン)を振り返る。


▼10/12 Mon

朝もはよから、バスに乗ってネス湖へ出発です! 往復500kmの旅となるため、夜明け前に宿を出てバスの出発地に向かう。摂氏3度とTVの天気予報が告げていたとおり寒い。手がかじかむ。正直、今回の装備は季節を先取りしたかなと思える冬支度であったが、ちょうど良かった。手袋万歳。

Glen Coeはまさにハイランド! って感じ


走り出してまもなく、映画「Monty Python and Holy Grail」のロケ地にもなったというCastle Stalkerが見えると言っていたので、ものすごくわくわくしていたのに、バスは減速するも止まらずしかも逆光でまぶしくてよく見えなかった。本物はこんな感じ

休憩のドライブインでハイランドカウを見たり、Glen Coe(Glenはケルト語で谷の意)に代表されるハイランドらしい荒野の谷間を縫ってバスは進んだりして、午後にネス湖Loch Ness(Lochが湖)に到着。遊覧船はソナーがついていて、ネッシーを探せ!的なミニイベントもあったらしい。らしい…。私はこれに乗れなかった。車酔いとおなかを壊したのでちょっとお手洗いにこもっていたら、その隙に出港してしまったらしい。残念だ。

ハイランドカウ のっしのっしと駆け寄ってきた。見た目よりずっと機敏
閘門式運河
スコットランドの地政学的にはこのネス湖を含む湖群は非常に重要だと思う。各湖は運河でつながれスコットランドの西岸(グラスゴー)から東岸(エジンバラ)まで移動するのに、ブリテン島の北側を航海せずともよいようになっている。といっても、100年200年前の小舟での移動に関するものだけど。ネス湖のほとりには閘門式運河の1つが今も稼働している。ぶらぶら見て回っていたらちょうどゲートの1つを調整していて、おじさん達があれやこれや額に汗していた。しばらく眺めていたが、彼らの雑談は全く聞き取れなかった。スコットランドの英語はなんか癖がある。

ちなみにネス湖は芦ノ湖の規模を大きくしたような見た目だ。ハイランドの谷や丘は氷河の浸食と火山活動による隆起が相俟って形成されているとツアーのガイド兼ドライバーのおっちゃん談。

帰りは内陸部を通ってエジンバラに帰る。こちらは牧羊地が多く、イギリスのごく一般的な風景が広がっていた。渋滞に巻き込まれることなく、19:00頃に出発地に到着。

久しぶりにツアーに参加したのだが、きままなレンタカー旅に慣れてしまっていたために非常にもどかしかった。やっぱり旅の醍醐味は好き勝手に立ち止まることにあるなぁ。いつかもう一度来たい。というか、レンタカー借りれば良かったな。

宿の近くでFish and Chipsを食して帰る。


ブライトンで死ぬほど食べたやつとそれほど変わらん



▼10/13 Tue

エジンバラ滞在も最終日。宿を10時にチェックアウトするもロンドン行きの電車は14:00発。荷物をごろごろ転がして観光するのは難だし、大問題として時計がない。ということで、クローク完備の入場料がタダかつ駅の側という素敵な施設、National Gallery of Scotlandへ向かうことにした。

所蔵数はそんなに多くないものの、やはりスコットランドのアーティストの作品はおもしろかった。特にスコットランド議会議員のスケートをする絵は、ちょっと滑稽でここのモチーフにもなるのは頷ける。その他、エジンバラの昔の風景が描かれた絵画なんかも多くあり、芸術的視点ではないけれども楽しめた。

駅に戻りM&Sでトライフルとお菓子を買い込み、電車の出発時間までCafe Neroで時間をつぶし、定刻通りにエジンバラを出発した。今度はNational Express East Coast、ノンストップでKings Crossまで4時間半。楽勝楽勝。

でもって、ロンドンに着いたら今度はお世話になる友人宅へ向かうべく、Northern Lineに乗り換え。久々に地下鉄に乗るけど、ああ、ここは東京とあんまり変わらないんだった…。夜7時の郊外行き電車はめちゃくちゃ混んでいて、電車に乗れたものの入り口付近を荷物でふさいでいた私は次のEustonで降りる人のために一度ホームに降りた。そうしたら、乗り込めないまま電車のドアが閉まっちゃった。朝の渋谷か! 後続の列車には乗れたし、その次の駅で一気に人が減って楽になったけれど、2年ぶりの通勤ラッシュは衝撃的でした。最寄り駅には友人の迎えもあり、すっかりお世話になってしまうのだった。

イギリス一週間 その1

イサカからイギリスに行ってしまった友人一家を訪ねて6年ぶりの渡英と相成った。ついでにエジンバラも行くことにして。

▼10/9 Fri & 10/10 Sat

19:45ボストン発。Virgin Atlantic Airlineは私がかつてイギリスに行ったときと同じ飛行機だ。相変わらずアイマスクやボールペンなどのおまけをくれるのが嬉しい。ノスタルジック。飛行時間は7時間ほどであまり寝られないままに7:20ロンドン着。

入国審査はスムーズにはいかなかった。女性一人旅は疑わしいのかね。夫はいないのか、エジンバラに電車で行くなんて酔狂だ、みたいな感じでいちいち眉をしかめられてしまった。こちとら1週間後の帰国便も購入済みなんだよ! ということで、e-チケットのプリントを見せてやっとスタンプを押してもらった。ほんと疲れた。

イギリスっぽいカラーリング
その後、地下鉄でユーストンまで移動し、Virgin Trainに乗ってエジンバラまで5時間弱。乗り換えのプレストン駅はランカシャーの入り口で、駅内の装飾がバラをかたどっていてかわいい。そういやばら戦争ってのあったな。おおよそすべての乗車を寝て過ごし、気がついたらエジンバラ駅に到着。街を見がてら、宿まで約20分の道のりを歩いて移動。

ほらランカスターは赤いバラだった
今回、PCは持ってこずiPod touchで乗り切るつもりだった。宿はWifi完備でわくわくしてつなげ、明日のために充電を…と充電器のプラグに変換アダプターを刺そうとしたら、ささらん! プラグは横に長く、アダプターは丸形に出っ張りがある。帯に短したすきに長しで、プラグの歯がアダプタにはまらないのだ。恐ろしいことに、今回時間を確認できるものはこのiPodしかない。ということで、あんまりネットは使わないように、常に電源オフ、音楽なんてもってのほか! なんて切ないことになった。ちなみに携帯は国際通話ができないタイプで、こちらも充電ケーブルを忘れた。電池の消耗が激しい携帯のため、ボストンに帰り着くまで電源オフでお蔵入りとなった。

部屋はかわいい感じ。紅茶とミルクが常備されているのが嬉しい。夕食には宿の近所でインドカレー屋を見つけ、ラムビリヤニを食す。この日は日が変わる前に就寝。

▼10/11 Sun

8:30起床。宿は朝食付きのゲストハウス。イギリスらしく、オーガニックとフェアトレードに気を遣ったフルーツやヨーグルトの他、いわゆるイングリッシュブレックファーストが供された。ベジタリアンミールを選んだら、専用のソーセージはあっさりしていて良かった。

エジンバラはスコットランドの首都みたいなところで、王城があり、中世より栄えてきた街。観光の名所はエジンバラ城址と現在のロイヤルファミリーも滞在するHolyrood城、両者をつなぐ中世の街並みが飾る道ロイヤルマイル。ここに見られる無数のおみやげ屋は、いずこもキルト・タータンチェック・ウールやカシミヤで溢れていた。Holyroodの裏手には荒野が!! 中世の街並みの後ろに突如見える荒野ってのは、奇妙だ。その一角だけ保存してあるわけだが、やっぱおかしいよ。

エジンバラ城は朝から大盛況。オーディオガイドを借りて3時間ほど滞在してしまった。時計がないと時間の進み方が分からなくなる。エジンバラ城の現存する建物の歴史は12世紀ほどまで遡れるようであるが、英国史の表舞台に登場するのはイングランドに攻め込まれる17世紀からだ。ピューリタン革命の失敗の後にイギリス国王となるが、名誉革命によって玉座を追われてしまう。その前後からスコットランドはずーっと戦争状態だったらしい。グスタフ・アドルフと縁あってスウェーデン式の軍隊を採用したとか、バグパイプを演奏するパイパー隊をスコットランド軍に常設したとか、各部族を示すキルトを軍服の一部に採用したとか、とにかく説明される歴史は先の大戦までずーっと戦争にまつわるものだった。

このスコットランド旅で唯一食べたかったのはハギス。羊の臓物をそぼろ状にした料理で、東京駅の黒塀横町にあるスタンディングバーではかなりおいしかったのが忘れられず、本物を体験してみたかったのだ。そんなわけで、昼過ぎにエジンバラ城址を出てロイヤルマイルを歩くうちに「ハギスパニーニあります」の看板にとびついてしまったのだった。その店がトルコカフェであることに気づかずに。ちょっと冷静になってみれば、ハギスはパニーニにしないだろうし、添え物はマッシュポテトが定番であることを思い出しただろうに、うっかり入店。地中海東部的なサイドディッシュ(ドルマ、ヨーグルト、紫キャベツのマリネ、唐辛子の酢漬け等)に彩られたパニーニはいい経験でした。

そのままHolyroodのパレスへ。ここでもオーディオガイドを借りて見学。突き詰めて言えば「お宅訪問」をしているに過ぎなかったが、最後に展示されていたクイーンを初めとするロイヤルファミリーの写真はよかった。クイーンの若い当時はものすごい美人。そういえば邸内の解説でもクイーンの人柄が現れるエピソードが満載で、日本の皇室に対する感情と似たものがこの国にもあるのかもなと思った。

パレスの裏にある荒野にも登りたかったのだけれど、このときすでに16:00。まだまだ多くの人が登っていたけれど、車もないし遭難したら事だなぁと見送る。翌日も丸一日とれるため、ハイランドのバスツアーに申し込むべくツーリストインフォメーションへ向かった。ハイランドと言えば、谷間の湖にぽつりとある古城(要塞の廃墟みたいなの)のイメージで、そういうところへ連れて行ってくれるツアーに申し込みたかったのだけれど、大手はみな満席。やや遠出になるが、ネス湖まで行くツアーならと挑戦したら申し込めた。この手続きはツーリストインフォメーションのおねーさんがすべてやってくれ、ここで精算もできる。観光国はちがうぜ、と思った。





もう一度ロイヤルマイルに戻り、道すがら「ロイヤルマイルで一番おいしいハギス」の看板が出ているパブに吸い寄せられた。今度はパブ! 間違いない! とローカルエールとともに注文。そうしたら、見た目がなんかまた前衛的なんですけど…。グレービーソースの中に、上からタースニップのマッシュ、マッシュポテト、ハギスの層に分かれた円柱が立っている。おいしかった、おいしかったけど、なんか違う感じ…。

9.10.09

近所でManic Street Preachers

引き続き腑抜けた生活を送ると思いきや、この日は夜にManic Street Preachersのコンサートへ出かけた。家から路面電車で6駅ほど先にあるライブハウスが会場。いやー近いっていいね。U2の時と比べると、私今日何かいいことしたっけ!? と振り返ってしまうほど極楽な楽さであった。

ライブ会場というものは初めてでどんな感じかとわくわくしていたら、観客と演奏者の距離が実に近くて驚いた。中にバーもあって、みんなお酒を飲んで待っていた。

Manic Street Preachersはイギリスではそこそこ長く活動していて、そこそこ売れているバンド。フェスなんかの、一番後ろではステージが見えないんじゃないかというくらい広い会場でも、観客みんなが全曲合唱するくらい。今回チケットをとった夫に言わせると、GLAYが近いらしい。ちょっとビジュアル系、ちょっと前に売れた、ちょっと年取ってきた…という点で。

実際はみんな年相応のこざっぱりした衣装で清潔感が溢れていた。ベースの人を除いて。彼のマイクスタンドだけは花で飾られ、アンプの上には数々のぬいぐるみ。本人の警察の制服のような形のジャケットはワッペンで覆い尽くされており、インナーには自分の顔がでかでかとプリントされたTシャツを着用していた。パイロットの様な帽子は、頭の上に1つと手に1つ。独りビジュアル系を続行しているのか。

曲は明るめのメロディが分かりやすい曲が多く、ライブ向け。技術的にも初めて演奏がうまいと思ったほど、ギターとパーカッションが鳴っていた。ただあのベースの人だけはジャンプ、ターン等々謎の動きで魅了していたなぁ。ベースは暇なのか?

この人たちはCDよりコンサートの方が楽しいなぁ。比べて、前のSnow PatrolはコンサートよりもCDやドラマのBGMなどの映像付きで聞きたい感じ。歌手にもいろいろタイプがあるもんだ。

8.10.09

嵐とともに到来し、嵐とともに去っていく

今朝は友人の8時半発の便に間に合うべく、6時半に家を出て空港までドライブ。アパートを出たら大雨だった。さすがだ。高速に乗って15分の距離だが、雨に濡れたそこそこ交通量のある道をかっ飛ばすのは怖かった。雨の日に高速を走ることはあまりないからなぁ。とはいえスムーズに到着し、出発の階の入り口(Departureの人をドロップするところ。そういえば空港ビル場所の名前としてのDepartureやArrivalって日本語で何と言うんだろう)でお別れ。あっという間の4日間だった。

家に着いたらなんだか気が抜けてしまい午後まで寝てしまった。夕方から国際租税のセミナーに参加、夜は発音強制のクラスへ。普段使わない口の筋肉を酷使し、なんとなく休みボケ的な疲れを感じる。

終了後、同じく大学で9時まで授業を受けている夫を迎えに行き、夕飯を何にも用意していなかったので近隣の簡単ギリシャ料理屋へ立ち寄る。デリにちょっとした飲食コーナーがある感じの店だが、私のラムケパブも夫のラムチョップも前菜のフェタチーズのかかったサラダもおいしかった。近所にそこそこ食べられる店があるのは嬉しいな。毎週通ってしまいそう。

7.10.09

友人来る

金曜の夜はBen Foldsコンサートの余韻に浸りつつも、ボストンに到着する友人との待ち合わせに緊張していた。日本からはるばるやって来るのに、ちょうどコンサートがあったために空港に迎えに出られず、泣く泣く家の近所のマクドナルドで待ち合わせることにしたのだ。この日はレッドソックス戦のナイトゲームがあったのと、マック最寄りの電車の駅は近隣の大学生で溢れかえり、折しも金曜の夜といろいろと重なって、電車は止まるし人は多いし果たして無事に会えるか非常に心配だった。結局会えたのでよかった。Newarkで乗り継ぐ便をビール飲んでて逃したりしてたらしいよ。そのため、この滞在中は「時間があってもビールを飲んだら危険」がネタになった。

▼10/3 Sat
朝から雨。嵐を呼ぶ女と定評がある通り、ボストンは久しぶりの雨に濡れていた。ボストン観光と言えば町歩きだが、傘を差してまでするのもねぇ…ということで、いきなりアウトレットで買い物をしてきた。ついでに、今週オープンした郊外のショッピングモールにあるでっかいWhole Foodsでご飯も食べた。このモール、先月のU2コンサートの際に4回その脇の幹線道路を通り、そのたびに気になるなーと思っていた正にそれであった。また来よう。夜は中華街の毎度おなじみ〈East Ocean City〉で海鮮中華。

▼10/4 Sun
友人リクエストの1つであるレッドソックス戦の観戦。この日はレギュラーシーズンの最終日のデーゲームで、既にプレーオフに出場できることは確定しているものの、やはりめちゃくちゃ混んでいた。相手はクリーブランドインディアンズ。先発はバックホルツでスタメンはおよそベストメンバーだったが、途中でどんどん交代していき全然わからなくなった。初回で相手にホームランを打たれたときは「デスノート」再びかと青くなったが、最終的に勝って終わって一安心。私の大好きなEllsburyは70個目の盗塁に成功し、場内に拍手が鳴り響いた。

その後、ノースエンドのオイスターバー〈Neptune Oyster〉にてクラムチャウダー、タコのトマト煮ディアボロ風、ハマチの刺身各種ハーブ和え、生牡蠣6種とチェリーストーン、カニのツメを食す。あっという間にワインが一本空いてしまった。生牡蠣っておいしいのね。それも種類によって味が異なる。Kumamotoと言う名の熊本からかつて種苗輸出され、ワシントン州で養殖されている牡蠣が、私たちの知っている牡蠣の味に最も近かったが、めちゃ小さい。ピンポン球の直径以下だ。小さい分、味が凝縮されているのか非常に濃厚でミルキーだが、同じ味の系統ならばKusshiの方が好みだな。その他、クラムチャウダーは牛乳ベースなのかあっさり風味でかなりツボ。これまで食べた中では最も好みだ。タコはトマトソースににんにくがきいていてスパゲッティを投入したくなった。ハマチの刺身は言うまでもなくカルパッチョ。刺身じゃないよ!

▼10/5 Mon
この日は私の生理学の授業で試験があったために、友人一人でのボストン観光となった。申し訳ない。しかも前夜に飲み過ぎて二日酔い気味。試験の出来は…もう人間としてさいてー。友人にはフリーダムトレイル行脚の後にハーバード大まで来てもらい、一緒に帰宅。

夜には近所のタパスバーへ行くつもりであったが、8時過ぎの店には行列ができており隣のタイ料理屋へ進路を変更した。初めてボストンでタイ料理屋に入ったが、いやー、甘いね。砂糖多すぎ。しかもパクチーなし、辛みなし。イサカの店の方が本格的だったなぁ。まあたまたまかもしれないけど。

▼10/6 Tue
おとなりニューハンプシャー州へ紅葉を見にドライブしてきた。目的のKancamagus Highway(SR 112)はアップダウンの激しい山間の道でかなり紅葉が進んでいた。正直言って、紅葉狩りなんて赤や黄色の葉っぱを見るだけでしょ? と軽視していたが、Swift Riverの渓谷を紅葉が彩っていて感激した。私は渓谷が大好きだが、実はこれは日本の風景を追い求めているんだなと思い知った。別に渓谷のある地域で育ったわけではないんだけどなぁ。

当地まで片道2時間、往復で約450km。ハイウェーは約45kmだが、途中途中で停車して写真を撮りまくっていたら2時間半ほどかかった。朝8時半に出て家に着いたのは夜8時であった。このハイウェーの近隣にも美しい景色が見られるスポットは多くあってドライブルートに組み込んであったが、計画以上に入れ込んでしまった。また予想外にも高速道路に沿っても紅葉が広がっていた。行って良かったな。

明日はいよいよ友人が帰る。朝6時半には空港へ送るために家を出る予定だが、既に前夜の1:30だ。寝なきゃ。日本到着は8日の日中になると思うが、台風来てるんだってね。またもや嵐を呼んでるのか?

3.10.09

Ben Folds with Boston Pops

Ben Foldsが各地のオケとセッションするシリーズで、ボストンではBoston Pops Orchestraと共演することになったので見てきた。

会場となったBSOのシンフォニーホールは、こぢんまりながら年季の入った木製のイスや壁に飾られた彫刻が美しく、ちょっといい気分にさせられる。ついつい開演前にバーで一杯飲んでしまった。

BPOの面々が舞台に集いチューニングを始めると、観客として気持ちが盛り上がっていくと同時に緊張していく。Ben FoldsとBPOの指揮者が登場すると、割れんばかりの拍手。もう立ち上がっている人もいる。早すぎ。観客にはBPO目当てだろうなと思われる年代と明らかにBen Foldsが目的とおぼしき格好の人々(我々も含め)と雑多混合な印象で、曲は綺麗だが歌詞がひどいことの多いBen Foldsの歌曲はどれを演奏するのか若干疑問であった。そうしたら…初っ端からEffing Town。びっくりした。その後曲の解説を加えながら演奏が進んでいくのだが、常に笑いの絶えないMC及び歌詞であった様子(あんまり聞き取れなかったけど)。

曲だけ聴けば、オケ版はすごいの一言に尽きる。ただ、ロックに近い、アップテンポな明るい曲は、曲想の勢いで盛り上がってしまってオケの良さが伝わりづらいと感じることもあった。あとは、歌謡曲を無理にオケに書き直したせいで無理を感じるというか、ちょっと軽くなっちゃったというか、そんなのもあったな。しかし、やはりオケに合った穏やかな曲が多く、聞かせるなーと思うことが多かった。一番良かったのはSteven's Last Night in Townかな。

コンサートなので観客に歌わせることもあり、今回はNot the Sameでのコーラス。会場を3パートに分けて練習させていたけど、結局は2パートに落ち着いたっけ。客席右半分と左半分で違う指示を出して楽しんでいた。

一通り終わりBPOが舞台からはけると、Ben Folds一人が再登場してのアンコール。ここからはオケの必要ない曲目白押し。ライブおなじみのArmyの合唱では大いに盛り上がった。最後のRockin' the SuburbはCDでは軽く感じてよくスキップしてきたけれど、生で聞くと力がある曲だなーと印象が変わったなぁ。

いやー行って良かった。

2.10.09

ついに日本人と日本語で会話した

いいかげん寂しくなったので近隣で最も安価な英語教室へ申し込み、この日が初日だった。

ボストン中心部の教会が主催するクラスで、週2回・3ヶ月間$90かつ教科書代込み。あらお安くていいじゃないの。図書館の無料クラスとは異なり、先生はちゃんとした「先生」であった。すばらしいね。しかも、3時間の授業のうち全クラス共通のコーヒーブレイクがあり、コーヒーとクッキーが供される! 朝にコーヒーを持って行く必要がないよ。最高。内容は教科書に沿っているために可もなく不可もなく。そしてこのクラスでやっと日本人と邂逅した。久々に日本語で会話できて嬉しかったなぁ。

ただ、申し込む際に回答は任意だったけれども信仰を問う質問があった。キリスト教徒でもないのに利ばかり受けて申し訳ないね、と思った。バイブルスタディなどのキリスト教への理解を深めるための何かを併せて申し込もうかと思ってしまった。まあ教養の域は出ないだろうけど。

1.10.09

カーナビの功罪

引きこもり傾向のある大学生の、一日に人と交わした言葉がコンビニ店員との「あたためますか」「はい」だけだったという切ない話があるが、それを笑えない生活を送っている私。特にこの水曜のセミナーは私を含めて8人しかいないというのに勇気が出ず辛い時間を過ごしていた。みんなJD3年生で顔見知り、私だけ門外漢。それでも日本に留学経験のある中国出身の女の子が、なんとなーく気を遣ってくれるのが分かる。滅多に話さないけど。今日はがんばって別の人に話しかけてみた。

「その腕時計、もし電池なくなったらどうするの? どこかお店に持って行くの?」

私がんばった。全力でがんばった。実際、愛用していた腕時計の電池が1年前に止まってから、どうしていいかわからなくてずっと放ってあって困っていた。周りを巻き込んだあげく、結論はTargetという生活雑貨量販店へ持って行けということになった。感謝感謝。

夜には近所の生涯学習センターで発音強制の授業に出席。今日が初回で早速p, b, t, d, k, gの発音練習をした。kは舌の奥の部分を口蓋の奥の柔らかい部分に近づけて発音する音だと言われたが、「かきくけこ」にそんなことをしているようには全く思えない。またtは舌先を上の前歯の根本につけるが歯には触れないと言われ、「たちつてと」の発音が急にできなくなった。考えれば考えるほど舌がもつれていく。口も疲れる。発音なんて普段無意識にしているから、意識し出すと途端に難しくなる。

この授業は7-9pmの2時間のため車で来ている。水曜は夫の授業も9pmまであるため、終わった足で大学まで迎えに行くべく急いで駐車場へ向かった。遠くに一台、ウインカーがぱかぱか光っている車があって、あーこりゃバッテリー上がっちゃうよね~なんて思っていたら、…うちの車でした。予想通りエンジンがかからん。バッテリーが上がったのは初めてでもちろんケーブルはない。ケーブルがあったところでどこにつなげるかもわからない。泣きそうになって教室へ戻り先生に相談したら、AAAに連絡して家への牽引を依頼してくれた。待つこと約1時間、AAAから連絡を受けたメカニックの人が到着しものの5分で電池をバッテリーにつなげてエンジンをかけてくれた。笑顔の素敵なおにーちゃんでした。チップとしてコインで5ドルあげたら、こんな簡単なことでもらっちゃって悪いね~って感じだった。バッテリーを充電するべく、遠回りして帰宅。

ぱかぱかしていたのはハザードランプで、窓に吸盤でくっつけていたカーナビが落下し、ランプのスイッチに直撃して点灯してしまったようだ。こちらのカーナビはiPodほどの小ささで、我が家のは吸盤でフロントガラスにくっつけるタイプ。もしダッシュボードに立てるタイプだったらこんなことは起きなかっただろうな。最近は気温が低くなったせいで夜は特にガラスも冷たく、吸盤の吸着力に影響を与えているのかもしれない。めっきりカーナビに頼りきって暮らしているのに困るなぁ。

疲れた一日であった。

30.9.09

食料品しか買ってないのに買い物が大変

目の腫れは大分引いてきたが、若干右目のまぶたがむくんでいる気がする。もう2、3日は様子見だな。

お刺身が食べたいよーとどこからか聞こえてきたので遠方の魚屋まで行ってきた。Best of Boston魚屋部門で毎年1位に輝くこの店は、店員が魚の和名を知っているのみならず頼めば三枚に下ろしてくれる。ほんと助かるわー。注文はあまり冒険せず、いつも通りマグロとサケとスズキを購入。

野菜と米と砂糖求めてここまで3軒回った後で、魚を携えてやっと帰れると思った矢先に買い忘れに気づいてちょっとへこむ。店がそれぞれ離れているために家を出てから3時間が過ぎていた。どうしたもんかと思っていたら道すがらスーパーを発見、ここでいいやと車を向けた。

駐車場の中ですれ違う車ががやけにゆっくり進行しているなーと思ったら、駐車場の一部を封鎖してロケが行われていた。みんなチラ見しながら運転していたんだろう。最近はボストン周辺で複数の映画撮影が進んでいるらしい。そのうちの1つかも。こういうとき俳優の顔に詳しければ楽しかろうに、残念ながらそうでもないため通り過ぎてしまった。

夕食に刺身を食し、洗濯もし、さらには入浴も終えた今、こうしてだらだら日記を書いているのはひとえに明日の国際租税セミナーの予習が進まないからである。うーん、もうちょいがんばるか。

29.9.09

起きたら目が腫れていた

週末に出かけちゃったもんだから、当然ながら今日の生理学の予習は手つけず。やべーやべーと思いつつも、疲れをとるべく十分にごろごろしてから起床。

顔を洗いに洗面所へ行くと、遮光器土偶が鏡に映ってる! というのは誇張しすぎだけれども、しかし、両目の下まぶたが腫れていた。一昨日くらいから目の縁が急に荒れ出してひりひりする、その影響か。しかも片目の中に麦粒腫っぽいものができていた。げー。薬屋で専用の目薬を買うべく商品名を調べるも、アメリカ人はめったにならないらしい。最寄りの薬局にはやっぱり目薬は置いてなかった。しかたないので自己治癒力にかけるとしよう。目の上から温めるといいらしいよ。

今日は骨とか髪とか皮膚とかの話。来週はテストだ。危険。

28.9.09

フィラデルフィア2泊3日の旅とスノパト

先日のU2のライブにて前座のSnow Patrolへの観客の反応があまりにかわいそうだったので、彼らの「北米ツアーを見てほっとしたいよー」と夫が思い立ち、いつのまにかこの週末に2泊3日の旅程ができあがっていた。

移動は往復ともバス。NYでの乗り継ぎ待ち合わせ時間も含め片道8時間の旅だ。金曜の夕方に出て、フィラデルフィアに到着するのは土曜の深夜1時。帰りは日曜の午前に発ち夕方に到着するため、現地で自由に動けるのは土曜だけ。ライブは夜8時開始のため、まる一日はある。

フィラデルフィアは東海岸でNYに次いで人口が多い。歴史的にも合衆国憲法が起草されたり、ワシントンDCが建設されるまで首都だったりと重要な都市だ。でも、今回の私的見所は映画「ロッキー」でスタローンがランニング中に登り切った美術館の丘。あのシーンでガッツポーズをしていたかは覚えていない。映画では木の上部から後ろの背景は光で飛ばしてあったので、今こうしてビルが建ち並んでいるのが見えるのには違和感がある。

この美術館は西洋美術中心で楽しかった。特に、ターナーの「国会議事堂の火事」はボストン美術館所蔵の「死人と死に瀕した人を船外に投げ込む奴隷船」と併せて不吉な印象が強まった。ロンドンのナショナルギャラリーでかつて見たのはそんなに不吉じゃなかった気がするが、ほかのきらきらした西洋絵画と比べると、この画家からは異様な感じを受ける。別館としてロダン美術館もあったが、建物改築中のため「考える人」が本館の1階ホールに退避されていた。見落とすよ。

その後、元イースタン州刑務所の見学へ。今は使われていないこの刑務所は独房が放射状に並んで一カ所から監視でき、その方法がペンシルバニアシステムと呼ばれ各地のモデルとなったらしい。しかし、囚人を孤独にさせるよりも集団で管理する方が受刑者にも刑務所としてもよいらしいぞというニューヨークシステムに取って代わられてしまったとのこと。昔はアルカポネも入っていたとか、「ショーシャンクの空」さながらの脱出劇があったとか、お化けが出るとか観光客用エピソードも満載。それにしてもアルカポネの部屋はとんでもなく優遇されていて、一般の部屋の受刑者が気の毒だった。

で、待望のSnow Patrolは狭い会場だったけれども大盛り上がりで、途中観客に合唱を求めたときの反応がすばらしかった。ボーカルの人も「こんなに歌ってくれたのはアメリカに来て初めてだ!」と喜んでいたけど、きっとU2の時と比べてたんだろうな。この日はコンサート後というのに混雑にも巻き込まれず、早く帰ることができたのが何より嬉しかったなぁ。

25.9.09

午前中から外に出たのは何ヶ月ぶりだろうか

本日、ついに美容院へ行ってしまった。とは言っても、日本人が経営するサロンで予約の段階から日本語で済んでしまった。助かるね。夫以外でボストン在住の人と日本語で会話したのは、引っ越してきたときに立ち会ってくれた不動産会社の人以来であることに気づいた。ちょっとショック。散髪の出来は日本で通っていた美容院と比べても遜色なく、かなりいい感じ。肩胛骨辺りまでぼさぼさ伸びていた頭がおかっぱになり、頭の軽さに感動している。しあわせ。都会最高。朝から起きて活動したのが報われたなぁ。

午後には、美容院の近所にある図書館で英語の無料クラスがあるというので行ってみた。20人以上の出席があってイスが足りなくなるほどの満員御礼状態だけど、生徒のレベルがごった煮状態で先生も生徒も大変そうだった。登録も不要で気が向いたら参加できるほど手軽さではあるが、一長一短あるなと思った。

で、考えたあげく地域の生涯学習センターで英語クラスを受講することにした。発音強制に特化した夜のクラスだ。自分に足りないものを学ぼうと思っての選択だが、また知り合いを作るのが難しそうなクラスだよ…。がんばろう。

24.9.09

法律に向いてないんじゃないかと今更ながら思い当たる

一昨日は一日に2イベントもこなしたので、昨日は休憩日としてだらだら過ごした。自分に甘いとは思うけど、しかし、引きこもりはやめられないね。ネット上には読むものがありすぎて困る。PCの画面で字を読むのと本を開いて字を読むのと同じことだと思うのだけど、世間的にはやはりネットを徘徊する方が低俗という印象がありそうで残念だ。どうせ読書ってったっていつも高尚な本を読むわけじゃないのに、読書だけが趣味として認められるのが切ない。

で、今日は午後から国際租税のセミナー。事前にケーススタディとそれに関連するリーディングリストをもらっていて、まあ教科書を読めばわかる程度の難易度のはず、なんだけど実際は難しい。先週やっと注文していた教科書と法文集をゲットして都度条文にあたるようにしたのだけど、それが混乱に拍車をかける。税法は非常にテクニカルなところがあって、油断するとすぐ枝葉末節に入り込んでしまう。で、結局なんだっけ? と我に返ることになる。教授は、どうして国際課税の取り決めが必要なのか、課税の根拠は、など、原則から考えよう! と推奨するんだけど、ほかの学生も含めてなかなか正解が出てこないことが多い。今日は特に外国税額控除額の計算練習があったために、休憩中に打ちのめされている姿が散見された。

そういえば、アメリカ市民で外国に居住している場合、住まいにかかる費用がある程度まで控除対象として計上できるらしい。日本もそういうのないかな。日本人が進出しているような各先進国の大都市では、東京なんか比較にならないほど家賃の負担が大きいと思うんだよね。とはいえ、現行の基礎控除には住まいのコストはすでに考慮されてるとは思うし、仮に別途考慮されたとしても、アメリカの上限30%程度では実際の納税額に反映される頃には微々たる影響しかないだろうな。

22.9.09

初LabとU2二日目

夜更かしがデフォルトの私であっても、布団に入ってだらだらするのと、夜通し渋滞と運転に神経を使うのとでは疲労感が違う。だから今日は家を出て大学へ向かうまでが本当に辛かった。

今日のU2のチケットは誰かに譲ろうとしていたのだけど誰からも申し込みがなく、いっそ我々が二回行ってしまえということにした。授業が終わるのは7:30、家に着くのが7:50、そこから車を飛ばせば昨日U2が登場した9:00には会場に着けるかなと思って。でも、今日は絶対アンコールには帰ろうと決めた。

今日の授業はLab practicalだった。先週習った各組織の標本を観察するのが目的。1人のTeaching Fellowが学生25人ほどを担当するらしい。学生2,3人につき顕微鏡を1つ貸し出し標本を観察する。今日のハンドアウトには標本の作り方や染色方法の概略、各標本の観察すべき特徴などが書かれていて、すっかり予習をさぼっていた私にはちょっと恐ろしかった。でも実際には、用意された標本を顕微鏡で覗いてみるだけで、特になんの提出すべきものもない。しかもハンドアウトには各標本の適正倍率図が印刷されており、突き詰めれば教科書を見ながらレンズを覗くだけ、臆するほどでもない。まあエクステンションスクールだからね。同じグループに優秀な学生がいて助かった。組織を顕微鏡で見た状態と教科書の図は違うので、現物を認識するのは時に難しい。

で、急いで帰宅しスタジアムへ移動。会場付近に着く頃には9:00近くになったのに駐車場への道がまたも渋滞。しかも今日は30分ほど早くU2が登場したらしく、車を降りた頃には6曲目のElevationに突入していた。座席はまたも4階だったけれど昨日とは逆側でThe Edgeが近いのがよかった。昨日演奏しなかったUntil the End of the Worldが流れたときには声を上げてしまったよ。嬉しくて。そしてまたSunday Bloody Sundayに鳥肌を立てて、Walk Onが終わったら席を立った。Where the streets has no nameを聞きながら駐車場まで戻ったが、同じことを考えていた人は多く昨日と同様に高速の入り口までは渋滞が続いた。なんとか日付が変わる前に帰宅できた。11:45という時間であっても、ものすごく早くに帰ってこられた気分になった。

それにしても、月曜の夜というのに満員御礼の様相だったなぁ。