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20.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その3(完)

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/20 Sun

この日はレンタカーを借りて近隣の自然保護区へ出かけようとわくわくしていた。

にもかかわらず、免許証を忘れた…。

湿地や沼地、湿原の風景が好きで、去年のフロリダ旅行で感動したサイプレスなどがまた見られると、すごい楽しみにしてたのに、忘れた。国際免許証を初め、日本の免許証も、先月加入したAAA(JAFみたいなロードサービス)のカードも全部忘れた。

まるまる1日空いてしまったので、動物園へ行くことにした。〈Audubon Zoo〉だ。結果としてこれがすごくよかった。移動するのにストリートカーに乗れたし、停留所から動物園まで続くAudubon Parkは芝生の広がる美しい公園だった。動物園自体も、展示コーナーが各動物の原産地のような雰囲気になっている。アジアゾーン、メキシコゾーン、ミシシッピ近隣ゾーンなどなど…。とは言え、暇そうな動物たちを見るにつけ、なんとなく自分と重ねてしまった。

この日のご飯
  • 前夜に購入したシリアルバー。初めて買ったけど、普通のシリアルよりおいしいんじゃないかと思った。
  • 動物園内で軽食。チーズバーガー、チキンフィンガー、グリルチキンサンド、フレンチフライ。ここはハンバーガーの野菜は自分で持って行く式だったのがよかった。ここぞとばかりにレタスとトマトとピクルスを挟んでおいた。グリルチキンがぱさぱさでなく、普通に食べられることにびっくり。ファストフードまでとは、ニューオーリンズ、恐るべし。
  • 〈Crescent City Brewhouse〉にて生牡蠣1ダースとカラマリフライ×2。クラッカー+生牡蠣+トマトとホースラディッシュは勝利の方程式。生牡蠣は時間がたつとAcmeのすばらしさに気づく感じだったような。この日は牡蠣の揚げたやつが食べたかったのだけど、この店はイカのフライしかなかった。ひどい。でもイカフライを二度注文したら牡蠣フライへの情熱は冷めてしまった。ビールはAbitorの方が断然おいしい。
▼12/21 Mon

飛行機は16時の便であったので、最後のご飯もフレンチ・クウォーターで。〈Fluer de Lis〉は朝ご飯にオムレツ、ランチにパニーニを食べろとホテルの部屋のガイドブックに書いてあったし、だいたい店名からしてフランスに傾倒している私にはどうしても行きたい店であった。ブランチの時間に到着したら、狭い店内はほぼ満席! よく分からないまま、メニューに※印が付いていたOmelette Fluer de Lisを頼んだら、オムレツのザリガニソースかけが出てきた。ふわふわの卵の中にこれでもかと言うほどのタマネギとピーマン、バターの香り高いソースにたくさん見える赤い身…。フランス系ニューオーリンズ朝ご飯としては完璧です。ザリガニも名物だが、ここに来て初めて食す。が、ちょっと生臭いのが気になったな…。ソースはすごくおいしかった。神。ザリガニがその味や香りを自分の身の中にだけ持っていてくれたから助かった。これが出汁となってソース中で存在を主張していたら死ねる。

食後、路線バスに乗って空港へ。特に問題なく飛行機に乗り、5時間半後にボストン着。前日までものすごい大雪だったせいかめっちゃ寒い。日中15度まで上がるニューオーリンズ仕様の薄着では、ボストンのマイナス5度に対抗できないのは自明だが、でもいけると思ったんだもん。空港から家までは、A「時間がかかるし二回も乗り換えるけど一度も外に出ない」ルートとB「スムーズに乗り換えが可能で早く移動できるけど外気に曝される」ルートがあり、22時半に到着した今回は後者を選んだが、これからの季節は絶対前者だ。でないと凍え死ぬ。

道の脇や車の上に雪がたんまり積もっていて、兵どもが夢の跡的な静けさを感じた。でも自分の車を見て翌日の雪かきが思いやられた。

19.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その2

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/19 Sat

午前はMardi Gras Museumへ行った。

Mardi Grasとはフランス語でFat Tuesday。キリスト教に由来するイベントだ。ちらっと聞いた限りでは、2月のとある水曜から4月の復活祭まで、イエスはゴルゴダの丘に登ってつらい思いをした期間であるので、信者も節制して卵や牛乳、バターは摂取しないで過ごすらしい。この期間に入る直前の火曜は、そんなわけで乳製品を食べきらないといけない。イギリスだとMardi Grasはパンケーキデイなんて呼んで、ひたすらパンケーキとして消費する日だが、フランス由来のここでは仮装行列をするらしい。しかも、行列はMardi Grasの日の11日前から始まり、ニューオーリンズ中で55組もの参加があるとか。

で、行列はフロートと呼ばれる山車がトラクターなどで牽引され、そこに仮装者が乗り込み、観客に向かっていろいろ投げる。これはプラスチックのビーズのネックレスを初めとするグッディ、と言えば聞こえはいいが要するにがらくただ。中世のヨーロッパの行列が硬貨などをまき散らしていたのを踏襲したらしい。

このミュージアムは、そのフロートを修理したり作ったりする工房を見せてくれるところ。人が乗り込む場所は鉄製の基礎の上に木材で柱を組んであるが、装飾部は重さを減らすために平坦な発泡スチロールを水平に重ねて立体化しているらしい。作る所は職人毎にブースがある感じ。巨大なのに細部まできちんと作ってあり、そばによると圧巻だった。

このMardi Grasにちなんだお菓子がKing's cake。ケーキというよりアイジングしたブリオッシュだった。見た目こそ危険そうだが、これがまたおいしかった。ニューオーリンズいいわ。

午後はフレンチ・クウォーターに戻り〈New Orleans Jazz National Historical Park〉の事務所内で行われたクリスマスジャズコンサートを聞いた。さすがナショナルパーク管轄だけあって無料のイベントであった。すばらしいね。編成はピアノ、クラリネットおよびサックス、トランペット、トロンボーン、ウッドベースに歌手。「聖者が街にやってきた」などの定番曲を各パートのソロを交えながら約40分ほど演奏した。途中で観客が踊り始めたのにはびっくりした。アフリカ系の人のリズム感はどうしてあんなにとぎすまされているのか。日本人には厳しい芸当だ。杖をついて歩いているようなおばあちゃんさえも、脚を巧みに動かして曲にのっていた。

この日のご飯
  • 〈BACCO〉にてアーティチョークとオイスターのスープ、オイスターフライ添えフェットチーネ、カニサラダミカン添えなどを食す。ここは各席に鈴のついたリボンが置いてあり、首にかけることを推奨される。由来等は全く不明。ニューオーリンズからボストンへの帰路でこのリボンを首にかけたまま飛行機に乗ってきた人を見た。
  • 〈Acme Oyster House〉再び。生牡蠣1.5ダース、グリル牡蠣1ダースとザリガニ入りコロッケ、ジャンバラヤを食す。この日はアメフトのニューオーリンズ・セインツ対テキサス・カウボーイズの試合があり、13勝0敗のセインツが無敗のままプレーオフに進めるか否かで町中が盛り上がっていた。この店も、試合が始まると店員の牡蠣をさばく手が止まりがちになっていた。 結果、この日はセインツが負けてしまった。そのせいか、酔っぱらいの叫び声は夜中まで何度も何度も聞こえた。

18.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その1

12/17木-21火にニューオーリンズへ行ってきた。奇しくもこの週末は、東海岸はこの冬一番の大雪となり、ボストンからの移動の日はニューオーリンズも大雨に見舞われた。というか、この低気圧が北上してワシントンDCやNYC、ボストンで雪を降らせたのだった。ニューオーリンズはその後帰るまでずっといい天気。雲一つない青空を見るのは久しぶりだった。気温はそんなに高くなかったけど。

ニューオーリンズはメキシコ湾沿いのルイジアナ州でもかなり南寄りで、ミシシッピ川の河口近くの河岸にフランス人が入植してできた街。New Orleansは新しいオルレアンの意(オルレアン公ルイ・フィリップなんて懐かしい!)。地の利から、今でもアメリカ有数の大型港があり、漁業も盛ん。一方、河口とメキシコ湾に囲まれて海抜ゼロメートルの湿地帯が広がっているため、近年、カトリーナやアイクなどの大型台風の被害に遭ったのも記憶に新しい。そんなわけで、ここの旅行の楽しみはとにかくご飯(フレンチの流れをくむ庶民的なケイジャン料理や上流のクレオール料理、生牡蠣)とフレンチ・クウォーターと呼ばれる約1.5km四方ほどの旧市街の散策、そしてジャズだ。2月にMardi Grasという大きな仮装行列祭りもある。またアメリカ人からすれば、ここはアメフトの強豪《セインツ》のホームタウンで奇しくも今年はこの旅行前までは全勝ペースであったため、ボストンに氾濫するレッドソックススウェット以上にセインツユニフォームを見かけた。

▼12/17 Thu

一度の乗り換え、約5時間のフライトで16時頃ニューオーリンズに到着。すでに雨模様。路線バスがダウンタウンへの最も安い移動手段だが、旅行者は全く乗っていなかった。事前にバスのサイトで調べていたのよりも手前のバス停で降ろされた。雨は風を伴ってますますひどくなり、片手に傘、片手に荷物を引きずってホテルを目指すのは大変であった。なんとか到着できたけど。

宿はフレンチ・クウォーターのすぐそば。夕飯を求めて早速でかけた。夜の繁華街であるバーボンストリートを歩いてみたら、バーは多くあったけれど、それ以上に多いのがネオンのまぶしい店。ここは歌舞伎町か!と思った。嵐のためか人通りがまったくないが、これは嵐故の奇跡だったなと振り返って思う。偶然、事前においしいと聞いていた〈Acme Oyster House〉を発見し入店。生牡蠣、牡蠣のニンニクバターチーズのせグリル、オイスターフライとナマズフライの盛り合わせ、ケイジャン料理盛り合わせ(ジャンバラヤ、ガンボという名のオクラ入りスープ、レッドビーンズ、ソーセージ)、バナナフォスターパイ(バナナチーズケーキ)を食す。どれもおいしかった。アメリカ外食においては奇跡だと思った。



ボストンでもニューイングランドの生牡蠣が食べられるがなぜか塩水の味がきつすぎる。ところがルイジアナ産牡蠣は塩気を抜いており、また薬味のトマトソースとホースラディッシュを予め混ぜてあるのがよかった。これ、いつもばらばらに出てきて使いこなせなかったのだ。トマトの優しい甘みとホースラディッシュの香りがうまく混ざっていて、もう手放せない。クラッカーに生牡蠣とこのソースを載せて一口でいくのが現地の食べ方らしい。ソース、牡蠣、クラッカーの三位一体説は通説にしてもいい。

▼12/18 Fri

朝からいい天気。フレンチ・クウォーターを散策した。フレンチと言っても、カラフルな壁や縦に細長い窓は南欧、スペインっぽい。ベランダのキャストアイアンの柵の装飾が細かくて美しい。ブドウの蔓などの植物を描いているのが多かった気がする。通り名がタイルで道に埋め込んであったり、アンティークの店が多かったり、ちょっと芸術的かもと思わせる街だ。いかにも観光地。
ミシシッピ川に浮かぶ蒸気船は、ディズニーランドを思い出させた。たぶんこれがモデルなんだろうなあ。夜のバーボンストリートは、前日と違ってものすごい人出。色っぽいおねーちゃんがお店の前でなまめかしいポーズをとっていたり、ほんと、夜の街であった。

この日のご飯
  • 〈Cafe du Monde〉でコーヒーとベニエ(揚げドーナツにたっぷりの粉砂糖)
  • 〈Gambo Shop〉でガンボとジャンバラヤ。ジャンバラヤがトマトと魚介出汁のピラフみたいなものなのかとやっと判明。唐辛子のアクセントがよかった。
  • 〈Louisiana Pizza Kitchen〉でアーティチョークのグリルとアーティチョークピザ等とクレームブリュレ。このクレームブリュレは絶品だった。カスタードの甘さはちょうどだし、ラムは芳しいし、表面のカラメルはぱりぱり。もうこれ以上のクレームブリュレはないんじゃないかと思えるほどの完璧な出来だった。このためにまた旅行してもいいくらい。