31.10.09

かゆいのは治まった

痒かった件、いろいろ各方面よりご心配いただいてほんとすいません。かゆみが引いたので、極力触らないようにして過ごしていたら患部はすっかりきれいになった。かゆいって不思議な感覚。乾燥もあるのか、全身むずむず感じる時もあるし、脚だけがやけに感じてしまう時もある。困るね。

今、夫の勤め先の偉い人が海外出張でボストンに来ている。私は面識はない。水曜の夜は家の近所で飲むと言っていたので、ひょっとしてホテルへ送る必要があるのか、うちに立ち寄るのか、などといろいろと心配してしまって、その日の午後はめいっぱい家の掃除したり、1ヶ月間のアメリカ滞在、しかも滅多にない海外体験ということだったので差し入れの可能性を考えて炊き込みご飯をつくったりした。そしたら、夫は連絡もなくふつーに帰宅、偉い人は自分で電車に乗って帰って行った。

思えば、働き始めて以降「これから何か起こる可能性がある」ということを待っているときの緊張感に耐えられなくなってきた。たぶんそれまではそんなに大事な局面がなかったんだろうな。物事がはっきりしない状態への苛立ちと相俟って緊張が続くと、その後に感じる疲労感はただことじゃない。そんなわけで「事前に備える」ことが怖くなり避け始めて、いろんな事が後手後手になっていく。それはそれで身の回りのことがうまく機能しなくなって困る。この緊張感をうまく逃がすにはどうしたらいいのかね。難しいなぁ。

そんなわけで木曜は家でごろ寝してすごした。家最高。

金曜は木曜の延長的な感じであったけれど、夜に前述の偉い人たちと一緒にで食事。JFKも通ったという伝統あるシーフードレストランで観光名所的な感じ。古い建物や内装は楽しかった。味はアメリカ。

27.10.09

かゆい!

以前、朝起きたら足の裏が劇的に痒くなっていたことがあった。そのときは悔しい気持ちをこらえて水虫を疑い、あまり効果を感じないながらもラミシールを塗布し続け2週間ほどで治まった。

金曜の朝、起床後なんだかふくらはぎが痒いなーと掻いてみたら、その後やけに痛くなった。おかしいぞとよくよく見てみるとあちこち赤くなっている! 患部は先日の水虫疑惑とよく似ている。左ふくらはぎに4カ所、右ふくらはぎに2カ所、何かに刺されたような跡があり、その周りが半径3cmほど真っ赤に、その外側半径3cmほどピンクに腫れている。こりゃおそらく、虫に刺されたな…。そしてこの間の足の裏も同じだろうな。

ダニにしてはひどすぎるし、同じ寝床を使う夫は無傷なのでおそらく違う。ブヨの症例に似ている気もするけど、そんな虫が飛んでいたらすぐわかると思う。ムカデが家の中にいた! という証言をボストンで聞いたことがあるが、ムカデに刺されると寝ていられないと思う。痛すぎて。

そんなわけで、脚の裏側を真っ赤に腫らして早3日目に突入した。真っ赤になっているときは内側で免疫系ががんばっていると信じて、なるべく触らないように耐えている。かゆみを耐えるのってほんとつらい。入浴後に少し治まるのは、何か流れ出ているのか、それとも水を吸って薄まっているのか、謎だ。

そういえば昨夜、youtubeでU2のコンサートが生中継された。16カ国で閲覧が可能だった模様だが、サーバの重さを感じることなく見ていられた。トラフィック分散をものすごいしたんだと思う。すごいなぁ。今はyoutubeで普通に見られるようだが、ビューは1億を超えているとか。ひえええ。イサカ時代の友人夫婦は見に行ったんだろうか。会場で見ていたら大変だったろうなぁ、帰るのが。内容的には随分おとなしい印象だった。メンバー紹介は普通だったし、ファンのおねーちゃんを舞台に引っ張り上げることもなかった。でもVertigoでのedgeの合いの手「おらー」が野太すぎて笑えた。どうしたんだ、edge。

今日は生理学の日。今日の内容は骨と関節。人体模型が欲しくなるね。骨はなかなか奥が深いよ。指の関節は、骨と骨の間に液体に満たされた隙間があるから円滑に曲がるらしいよ。肩や股関節のように球状の骨をはめ込む型や肘のちょうつがい型のように骨同士が組み合わさっているような構造が、この指の関節という狭い場所にあるとは思えなかったので納得。なかなかおもしろかった。

26.10.09

秋晴れ

今週の日曜は、先週の雪模様とはうって変わって雲1つないいい天気。青空に赤や黄に染まった街路樹が美しく映えていた。

日曜はハーバード大学の自然史博物館と人類学博物館にMA州住民なら無料で入れるよ、と友人に教えてもらい行ってきた。大学の展示なんてどうなのかと思っていたら、すばらしい展示の数々だった。自然史博物館は動物、鉱物、植物、気候変動の展示が、人類学博物館は中南米のマヤ・アステカ文明、ミクロネシア等南洋諸島、ネイティブアメリカンの展示があり、展示物の豊富さと説明の詳細さにびっくりした。

動物コーナーは現存する動物の剥製や骨標本、恐竜の化石が所狭しと並んでいた。このあいだの旅行で見かけた野生動物たちが一堂に会していておもしろかったなぁ。鳥のコレクションも大量で、コーネルの鳥類学研究所とはまた少し違った感じ。植物は本物の植物標本があるのではなく、1900年前後にドイツで作られたガラス製の標本が飾られていた。実寸の全体像のほか、茎やめしべ・おしべの断面図の拡大版などもあり、ハーバード大学生が研究に来るほど精緻に作られているらしい。

人類学の方は中南米文明しか見ていないけれど、近づくハロウィンにちなんだのか、それに類似した風習の展示があった。先祖の霊を呼んで縁者一同が集まる行事があるらしい。まるで日本のお盆だ。中南米はカトリックが大勢と聞くけれど、死人が現世に戻ってくる考えをよく受け入れたなぁと不思議に思った。土着の信仰とうまく融合したのかな。

今回はエクステンションスクールのハーバードIDを見せたら入れたので、いつ来ても無料でいけると思われる。また来ようっと。

22.10.09

具が少ないほどレトルトカレーに近い味

連日7時に起床して、これまでにないほど健康的な日々を送っている。

水曜の夜は帰宅が遅いためいつも夕飯は悩みの種だが、今週は昨夜からカレーを仕込んだ。が、昨夜のラムチョップに考えなしに野菜を投入したため、カレーに回せるのはサツマイモ、白タマネギ半分と紫タマネギ1個、大量のにんじんに大量の豚バラ肉かたまりしかない。あとニンニク。たまにはシンプルでもいいかとやってみたら、最終的にはレトルトカレーっぽくなってしまった。味だけでなく、液体でしゃびしゃび。でも味はちゃんとついてる。タマネギが溶けて甘さが増している。悪くないよ、悪くない。私は何事も具だらけの状態が好きで、夫の液体偏向とは相容れないのであるが、たまにはいいか。でもあまりの具のなさに耐えきれず豆腐を追加。豆腐いいね。癒し。

Whole FoodsにもFAGEのTotalがあった。0%fatものならもっと大きな容器のも売っていたけれど、less fatは勇気が出ない。乳製品は脂肪があってこそなんぼだ。

今日の発音の授業で、pleasureやmirageなどの「ジ」の音と、joyやmagicの「ジ」の音の発音方法の違いが最後までわからなかった。授業後に先生に個別に聞いても解決せず。日本語の表記だと同じ「ジ」だからなぁ。あえて近づけるなら後者は「ヂ」か? この違いは大まかに言えば前者は舌がどこにも当たらず、後者は舌が口蓋に当たるらしい。でも後者にあたるageとかcageなんて舌がどこにもつかないよー。どうしたらいいのかわからん。

21.10.09

朝早く起きれば、深夜になる前に眠くなれる

今日も7時に起床。これまでにないすっきりとした目覚めに、やるじゃん私、と自画自賛。前夜10時頃に寝ていればそれも可能か。

午前中にはESLのクラスへ。火・木とクラスがあるのに、火曜に行くのは初めてだ。木曜に比べて、どこどなく空気がよどんでいる気がする。月曜、火曜の朝は結構しんどいかもなぁ。久々にプレゼン練習したのだけど、全然口が回らなくてびっくりした。英語しゃべってないもんなぁ。日本語はロンドンの友人のおかげで大分復活してきたけどね。

クラスメイトと近隣のフードコードで昼ご飯。タイ料理を標榜する店があったので、おそるおそるパッタイを注文。そしたら、また甘かった。てかケチャップで味付けしてある! 普通の魚醤ベースのやつを味わいたいというのは無理な注文なのか。

その後、図書館で明日の予習をすると見せかけて、読みかけの「My sister's keeper」を開いてしまった。夏に映画化され、読みたいなと思っていたベストセラー。イギリス旅行中に購入し、この日の夜までかけてやっと読了。よく作り込まれておもしろく、先を急ぐようにして読んだ。ただ、作り込まれすぎてフィクション感が拭えなかったのと、300ページかけて進めてきた話が301ページ目でひっくり返され、310ページから違う話になってそのまま315ページで終わった印象で、なんだこりゃあああああ的結末であった。

図書館の前のCopley Squareではよくファーマーズマーケットをやっていて、昨日できなかった夫のバースデイディナーを本日決行するために、ラムチョップを購入。値段を聞かずに買ったら、400gで$14したよ! 普段はこんなの買わないよ。食費と言えば聞いた話では、スーパーマーケットで完全に値段を無視して買い物できるのは年収1500万円かららしい。それを鑑みるとエンゲル係数が高すぎる我が家。時々、自分達の食欲旺盛・意地汚さに切なくなる。帰宅し、ロンドンの友人がやっていたのと同じ手法で、イモと一緒に焼いてみた。にんじんとナスもついでにオーブンにぶち込んで。ちょっと焼きすぎたけど、値段だけあっておいしいラムでした。ごちそうさま。

上に書いたように食には好奇心旺盛な私だが、一方でそんなにあれこれかまわずいろんな食材を試しているわけではない。が、ロンドンの友人宅でごちそうになったグリークヨーグルトのトータル(水切りヨーグルト)が、行きつけのイタリア系八百屋Russoにあったので買ってみた。もちろん、Less fatでないもの。いやーおいしいよ。水分が少ない分濃厚だし、脂肪分も減らしてないから非常になめらか。グリークサラダのドレッシングや肉料理のソースに使うことも多いらしいけれど、全部そのまま食べてしまった。また買おう。こちらで買えたFAGEのTotal $4.99/500g、日本で買うと1600円弱らしい。恐ろしい…! 写真の手前はイチジク。Black Fig。小さいけどちゃんとイチジクでした。皮ごと食べられて楽ちん。

20.10.09

誕生日おめでとう

今日は夫の誕生日。と言っても、もうプレゼントもあげちゃったし、おいしいご飯を作る余裕もなくいつも通りの日。授業の予習があったからね。記念日を、自分の誕生日さえ忘れてしまうようになってもう数年がたつ。以前はすごく意識してた気もするけど、スルーされすぎて諦めてしまったのかもしれない。

で、今日は生理学の日。2度目のLabで骨格標本で骨を確認しようという話。人体の骨格をすべて確認するのに、通常では6時間かけるらしい。が、今回は2時間しかないため、頭蓋骨と脊椎・胸骨と肋骨に絞られた。出席確認もしないし、非常にゆるい時間のため、26人いるはずの学生のうち8人ほどは最後まで現れないまま、他の学生も1時間強で帰宅。まあ標本を使って三次元で確認できたのは良かったけど、集中するのが大変かも。

昨夜から風呂場の排水がスムーズに行かないなーと思っていたが、今朝シャワーを浴びたら水が流れないどころが大量の髪の毛が出てきた。ひええええ。逆流しおったよ。頻繁にパイプ詰まり取りの溶剤を流しているのになぁ。うちのパイプでなく、共通部分が原因じゃないのかと疑いながらも、帰り道にまた溶剤を2本購入し流してみる。これで元に戻ればいいな。→これはその後、お風呂の栓が半開きなのが原因と判明した。全開したら、そりゃあもうスムーズに流れていったよ。そりゃそうだ、通常の三倍の溶剤を入れたからね。

立ち寄ったドラッグストアでdryelを発見、即購入。これは乾燥機で洗濯するためのキットで水に触れさせたくないニットやウールに役立つ。これがあればクリーニング要らずだ。Targetでは置いていないし、イサカのWal-martにはあったがこちらでは見つけられなかったので困っていたのだった。助かった。

間違いなく時差ボケだが、今朝は6時半に起床。今はまだ9時半だが眠い。時差を越えた移動をした直後のみ真人間の体内時計に戻れる気がしている今日この頃。

19.10.09

買い物行脚

朝から雨、気温も低い。セントラルヒーティングが朝から稼働する季節になった。イサカはすでに雪が積もったらしい。恐ろしい冬がやってくる…。

一週間の旅行から帰宅すると、予想通り冷蔵庫は空になっていた。今日は朝からスーパーを巡る旅へ。野菜を求めてRussoへ行くと日曜午前というのに混んでる! ここは平日午前に来ないと大変だな。しかもあちこちで品出しをしている最中で、人混みをくぐって補充された棚へ向かうのは一苦労だった。

続けて、車で40分ほどの距離に近日オープンしたばかりの韓国系スーパーH martへ向かう。住所をメモしたのを忘れてきたけれどなんとか到着。全米各地で人気の大型スーパーと聞いていた通り、清潔感溢れる内装・豊富な商品・焼きたてパン屋や韓国料理的に充実したフードコートなど、集客する要因がたくさんあるのがわかる。まあそれ以上にものすごく混んでいて大変だったけど。ここも平日に来るべきだ。確実に田牧ゴールド(コシヒカリ)が購入できるのが嬉しい。ボストン近郊の韓国食材店Reliableは先日行ったときは韓国米しか置いてなく困ったのだった。それも今、ちょうど新米が入荷される季節のためタイミングが悪かっただけなのかもしれない。

その後にBurlington Mallへ向かう。目当てはSony Styleでの新型デジカメの試用。

実は先週、このカメラをアマゾンで注文していた。そして留守中にUPSが家の前に放置していき、私たちが家に着いたときには既に存在せず。誰かが持って行ってしまったのか、UPSが本当に配達したのかは不明。アパート内に張り紙もしたけれど、誰からも連絡がなく約10日後に諦めた。アマゾンが警察への盗難届なく返金に応じてくれたのが不幸中の幸いか。

そんないわくつきのカメラだが、やはり触ってしまうとほしくなる。どうやって買うかは検討中だが、おそらくまたネットで注文するんだろうな。でも今度は送付先住所にc/o Management Officeってちゃんと明記しなければ。

ついでにNordstromで下着を購入。お店のおねーちゃんはプロだった! ほとんど目算で持ってきてくれたものがちゃんと体に合った。さすがだ。しかもワコール製品。海外にも販路があるとは知らなかったなぁ。意外なところで日本製品を購入することになったのであった。

あれやこれやで夕方に帰宅。大雨は霙にかわり、帰宅後に見たアメフトでは選手達がうっすら雪の積もった競技場でどがんばすんしていた。そりゃ寒いわけだよ。

イギリス一週間 その3

10/9-17に巡ったイギリス旅行(スコットランドとロンドン)を振り返る。

▼10/14 Wed

相変わらずの曇り空。正直ロンドンは友人一家に会うために来たのであって、あんまり観光目的がなかった。この日はすっかり友人に下駄を預け、コベントガーデンからチャイナタウンに抜けて、ピカデリーサーカスを経由してフォートナムメイソンでお茶を買うことになった。

私はこれまで、ロンドンには日曜の午後から夕方にかけてとクリスマスホリデイの夜にしか来たことがないので、コベントガーデンは人混みがすごいというイメージしかなかった。が、さすが平日の朝。人口密度が低くて快適快適。アロマセラピーグッズを扱うCulpeperや紅茶屋など、小さくともかわいいお店がたくさん。なんだか街行く人の格好も、襟のついているウールのコートにブーツが多く、アメリカよりもトラッド。日本人には馴染み易い感じ。

中華街では、かつてPoonsというヌーベルシノワっぽい店がはやっていて、入れないままに終わってしまったので今度こそと挑戦した。が、その場所には違う店が…。ただ、店の入り口には「昔Poonsでした」との張り紙があり、なんだろうと思いつつも入店。エビの蒸し餃子、上海風小籠包、エビとフカヒレの餃子を前菜に、エビを揚げたのをニンニクと唐辛子と塩で和えたものを注文した。いやー、ロンドンはおいしかった。このエビの揚げたの食べたかったんだー。揚げ具合もばっちり、ぷりぷりしていた。点心もどれもよかった。幸せ。

で、人混みをかき分けながらF&Mまで移動。今回、スモーキーフレーバーの茶葉を買って帰ろうと思っていて、カウンターで聞いてみるが、なんとキームンとラプサンスーチョンとスモーキーアールグレイしかないとのこと。ラプサンスーチョンはボストンの水と合わせるとどうなるか不安だったため、若干香りの優しいキームンを購入。その他よく見ないで会計したクラシックアールグレイは、茶葉が紅茶でなく緑茶であった。家に帰ってから気がついたよ。それはそれでありな味だったけれど。それに普段飲む用としてQueen Ann。ストレートでもミルクでもどっちでもいける。ストレートに砂糖を入れると、午後ティーストレート。

その後、スーパー行脚してWaitroseでCiderとSainsbury'sでTetleyの紅茶を購入。テトレーはアメリカでも買えるが、ノスタルジーから手が伸びた。しかし、やはりQueen Annを飲んでしまうとテトレーは飲めないなぁ。味が雑すぎる。ミルクを入れないと飲むに耐えん。PG Tipsの方がいいかも。

この日の晩にサイダー飲み比べ。GeymerのSomersetとDevonのラベルの付いた2本だ。いずれもローカルプロダクトらしい。Somersetは発酵臭もなにもなく、非常に飲みやすいのにアルコール度数は約5%。ちょっと危険。比べてDevonはより素朴というか、癖のある香りが鼻に残るけれどそれがまた癖になりそう。


▼10/15 Thu

この日は雲1つない青空が広がり、絶好の町歩き日より。友人がまだ行っていないというタワーブリッジと食いしんぼ的にはBorough Marketを目的に、ロンドンブリッジ付近を探索することにした。

地下鉄でロンドン塔の最寄り駅まで来ると、観光客であふれていた。すごいね、さすが大都会。平日なのに。テムズ川沿いまで降りてからタワーブリッジへ向かい、南に向かって橋を渡る。交通量が多くて少し怖い。道が狭い。

テムズ川の南岸を東に向かい、ロンドン市庁舎の脇を通りマーケットを目指す。市庁舎ではちょうどクレーン車をつかって窓掃除をしていた。窓掃除っていつまでも人が手でおこなうんだなぁ。消防車の放水じゃきれいにならないのか。あるいは、ビルの上から水を流すようにすれば良いんじゃない? とか勝手なことをいろいろ想像した。

ちょっと迷いながらもマーケットに到着。狭い区間にチーズやジャム、オリーブなどの持ち帰り品的食料と、その場で食べられるご飯を売る店が並んでいる。そしてその合間を埋め尽くす人! 観光客のみならず、その辺で働いている人もいる様子。

ここで、草をジュースにするジューススタンドを発見。小麦の新芽のようだがよくわからん。絶対苦いと思ったが、予想外に甘い。が、鼻に残る草の青いにおい。どうしてもやっぱり草だった。

人混みをかき分けて、魚屋のシーフードタイカレーを食す。あまり辛くないけれど、甘くなくおいしい。ムールやイカがごろごろしていておいしかったなぁ。ペーストはMae Ployを使っているようだったので、まあ味に間違いはないだろう。ついでに魚スープも頼んだ。こちらは魚と野菜の出汁がよく出ていておいしかったのだけど、全部砕けていて具がない。タマネギとかジャガイモを入れて食べたかった。スープはものすごくおいしかったので、そのカレーの具をこっちに回してほしいなぁと思った。

この日は帰りにM&Sに立ち寄りお土産にJaffa cakeを買う。オレンジピールが苦手だと甘いだけの実においしくないお菓子であるが、私は大好き。まあボストンでも買えるんだけどね。

夜にトライフル食べ比べを実施。3種買ってみたけど、結果は
  • Waitrose…断然リード。これが一番おいしかったなぁ。カスタードがあまりゆるくないがプリンほど堅くもない。正に絶妙。フルーツコンポートは上品な甘さ、ホイップクリームも濃厚だけど脂が気にならない。さすがだね。
  • Sainsbury's…まあ普通。
  • Danone…問題作。ジャムにプリンを重ねた感じ。ああ、これは3連のを買ってしまったよ…。
ついでに翌日食べたのも加えると
  • ・M&S…上品でおいしいんだけど、カスタードが緩すぎる。味はいいんだけど、好みはWaitroseかなー。
ということになった。
Waitoroseのトライフル、ボール版のを独り占めして食べたかったなぁ。

▼10/16 Fri

一度は温かいスコーンが食べたいよー! ということで、ケンジントンガーデンのオランジュリーカフェへ行くことにした。ランチ時は有閑マダム的な客で満席だったが、旅行者っぽい団体も。パレスの1施設を転用しているだけあって、天井の装飾やテーブルの上のオレンジのミニ鉢など、随所が光る。その割に安い気がする。ここでやっと本物のラプサンスーチョンにスコーンと、マッシュルームクリームスープを食す。硬水で入れたラプサンスーチョンには感動した。軟水だとどうしても渋みが出てしまい、スモーキーフレーバーが鼻につくほどに悪い方向への相乗効果をもたらすのだが、そういった負の部分はすべて抑えて、ミルクのまろやかさとマッチしていた。友人の茶葉の購入も可能なアフタヌーンティーもまた、硬水なのにいい香りが出ていてあっと言わされた。さすがだね。スコーンはパンに近いテクスチャだったけれど、それはそれでおいしかった。

ケンジントンガーデンの木々は少しずつ色づいていて、このイギリスの芝生が広がる庭園ていいなぁとつくづく思う。ロンドンも手狭な街なんだけど、こういう緑地をちゃんと整備して確保しているのはすばらしい。

途中で友人と別れ、この後は独りでハイドパークを抜け、Oxford Stの各種デパート行脚へ。そして待望のセルフリッジに入店してみた。なんだか日本よりラグジュアリーさが高い感じ。ただ、客層はそんなに偉い感じでもない。総合デパートだけあって、電化製品からアパレルまでなんでもあった。ここで夫の誕生日に財布を購入すべく、紳士小物コーナーへ向かおうとするも、どこにあるのかわからない。案内ブースなどもなく、20分ほどさまよってしまった。最終的にたどり着けたけど。財布と手袋コーナー担当の紳士は親切にもいくつか候補を選んでくれ、その中で手触りが一番優しかったLaunerのものを選んだ。シンプルだけどちょっとキュートなやつ、なんてよくわからないリクエストによく応えてくれたよ。いい店の接客はやっぱいいね。

私は鞄が欲しかったのだけど、なぜかそれは地下の生活雑貨コーナーでピクニックシートに化けた。もちろん、日本に持って帰るつもりで買いましたよ。数少ない、私の「日本に持って帰るリスト」に載ったもの。

ロンドンの鞄事情は、みんなショルダーバッグだ。かつてブライトンのレーンズのOlie & Nickで買ったのもカーキ色のショルダーバッグだった。大事にしていたけどイサカからボストンへ移動するときにどこかに行ってしまった。ちなみに夫には不評だった。今回持ってきたかったんだけどな。

この日は友人の誕生日だった。おめでとう。

▼10/17 Sat

14:50発のVirgin Atlantic機でボストンに戻る日。あっという間のイギリス旅行だった。友人一家の子供達もしばらく見ないうちにまた大きくなり、折に触れ感動したなぁ。お兄ちゃんはよりお兄ちゃんらしくなり、妹は赤ちゃんから女の子へ変わっていき、成長という自然現象は実に偉大だと思った。

車でヒースローまで送ってもらったが、1時間もしないで到着できた! 国際線の空港がこんなに市街地に近いなんて不思議だなぁ。

ほんと、ロンドンに来てからはこの友人一家にお世話になった。どうもありがとうございました。

私の数少ない海外経験でイギリスの影響は計り知れず、それなりにいい印象ばかりだったのだけど、今回小さな子供とロンドンを移動したり、アメリカと何かと比べたりしたら、むしろアメリカっていい国じゃないかと思えてきた。基本どこもバリアフリーだし、子供に寛容だし、水やお湯もちゃんと出るし、ヒーターも動く。アメリカって先進国だなぁと思った。道も広いし、何にしろでっかいってのはいい。店に入ったときのHow are you?も、聞かれないと結構寂しいものだ。スコットランドの荒野もよかったけど、自然から受けるインパクトはどうしてもアメリカの方が大きい。一方で、アメリカの大量消費的生活習慣が知らず知らずにこの身に染みついているのには、改めたい気持ちになった。エジンバラ初日の夜にカレーを食べたとき、ナプキンが要るか?と聞かれたのでお願いした。そしたら、はるばる席までたった一枚の紙ナプキンを持ってきてくれた。アメリカだと、こういうときは一掴み分くれるんだよなぁ。そして利用されない分はそのままゴミ箱へ行く運命だ。大体の場合は1枚で済むはずよね、と大いに反省した。

としんみりした気持ちでゲートに向かったら、まただよ、女性一人旅への疑惑の目。今度は手荷物を全部あさられた。夫へのプレゼントはセルフリッジで小さな紙袋に入れ、口をシールで閉じてくれていた。それを破って開けようとしたんだよ! それはプレゼントだからやめて開けないでーと焦ってお願いしたら、中身の口頭確認で済んだけど。この入出国に関するところだけは、実に参った。今度は誰かと来よう。

アメリカ行きの飛行機は当然アメリカ人も多く乗っていて、行きと随分雰囲気が違っていた。飛行機が平行飛行に入ると突然立ち上がりだし、好き勝手なところに集まって雑談を始めたり、子供があちこち徘徊したり、ちょっとフリーダム過ぎないかと思った。まあそんな感じもいいか、と思いながら問題なくボストンへ到着。入国も特に疑いの目を向けられることもなく、ビザとI-20の確認をされてスムーズに終了。すばらしい。

無事に迎えに来てくれていた夫と会い、プルデンシャルセンターで夕飯を食べて帰宅。

イギリス一週間 その2

10/9-17に巡ったイギリス旅行(スコットランドとロンドン)を振り返る。


▼10/12 Mon

朝もはよから、バスに乗ってネス湖へ出発です! 往復500kmの旅となるため、夜明け前に宿を出てバスの出発地に向かう。摂氏3度とTVの天気予報が告げていたとおり寒い。手がかじかむ。正直、今回の装備は季節を先取りしたかなと思える冬支度であったが、ちょうど良かった。手袋万歳。

Glen Coeはまさにハイランド! って感じ


走り出してまもなく、映画「Monty Python and Holy Grail」のロケ地にもなったというCastle Stalkerが見えると言っていたので、ものすごくわくわくしていたのに、バスは減速するも止まらずしかも逆光でまぶしくてよく見えなかった。本物はこんな感じ

休憩のドライブインでハイランドカウを見たり、Glen Coe(Glenはケルト語で谷の意)に代表されるハイランドらしい荒野の谷間を縫ってバスは進んだりして、午後にネス湖Loch Ness(Lochが湖)に到着。遊覧船はソナーがついていて、ネッシーを探せ!的なミニイベントもあったらしい。らしい…。私はこれに乗れなかった。車酔いとおなかを壊したのでちょっとお手洗いにこもっていたら、その隙に出港してしまったらしい。残念だ。

ハイランドカウ のっしのっしと駆け寄ってきた。見た目よりずっと機敏
閘門式運河
スコットランドの地政学的にはこのネス湖を含む湖群は非常に重要だと思う。各湖は運河でつながれスコットランドの西岸(グラスゴー)から東岸(エジンバラ)まで移動するのに、ブリテン島の北側を航海せずともよいようになっている。といっても、100年200年前の小舟での移動に関するものだけど。ネス湖のほとりには閘門式運河の1つが今も稼働している。ぶらぶら見て回っていたらちょうどゲートの1つを調整していて、おじさん達があれやこれや額に汗していた。しばらく眺めていたが、彼らの雑談は全く聞き取れなかった。スコットランドの英語はなんか癖がある。

ちなみにネス湖は芦ノ湖の規模を大きくしたような見た目だ。ハイランドの谷や丘は氷河の浸食と火山活動による隆起が相俟って形成されているとツアーのガイド兼ドライバーのおっちゃん談。

帰りは内陸部を通ってエジンバラに帰る。こちらは牧羊地が多く、イギリスのごく一般的な風景が広がっていた。渋滞に巻き込まれることなく、19:00頃に出発地に到着。

久しぶりにツアーに参加したのだが、きままなレンタカー旅に慣れてしまっていたために非常にもどかしかった。やっぱり旅の醍醐味は好き勝手に立ち止まることにあるなぁ。いつかもう一度来たい。というか、レンタカー借りれば良かったな。

宿の近くでFish and Chipsを食して帰る。


ブライトンで死ぬほど食べたやつとそれほど変わらん



▼10/13 Tue

エジンバラ滞在も最終日。宿を10時にチェックアウトするもロンドン行きの電車は14:00発。荷物をごろごろ転がして観光するのは難だし、大問題として時計がない。ということで、クローク完備の入場料がタダかつ駅の側という素敵な施設、National Gallery of Scotlandへ向かうことにした。

所蔵数はそんなに多くないものの、やはりスコットランドのアーティストの作品はおもしろかった。特にスコットランド議会議員のスケートをする絵は、ちょっと滑稽でここのモチーフにもなるのは頷ける。その他、エジンバラの昔の風景が描かれた絵画なんかも多くあり、芸術的視点ではないけれども楽しめた。

駅に戻りM&Sでトライフルとお菓子を買い込み、電車の出発時間までCafe Neroで時間をつぶし、定刻通りにエジンバラを出発した。今度はNational Express East Coast、ノンストップでKings Crossまで4時間半。楽勝楽勝。

でもって、ロンドンに着いたら今度はお世話になる友人宅へ向かうべく、Northern Lineに乗り換え。久々に地下鉄に乗るけど、ああ、ここは東京とあんまり変わらないんだった…。夜7時の郊外行き電車はめちゃくちゃ混んでいて、電車に乗れたものの入り口付近を荷物でふさいでいた私は次のEustonで降りる人のために一度ホームに降りた。そうしたら、乗り込めないまま電車のドアが閉まっちゃった。朝の渋谷か! 後続の列車には乗れたし、その次の駅で一気に人が減って楽になったけれど、2年ぶりの通勤ラッシュは衝撃的でした。最寄り駅には友人の迎えもあり、すっかりお世話になってしまうのだった。

イギリス一週間 その1

イサカからイギリスに行ってしまった友人一家を訪ねて6年ぶりの渡英と相成った。ついでにエジンバラも行くことにして。

▼10/9 Fri & 10/10 Sat

19:45ボストン発。Virgin Atlantic Airlineは私がかつてイギリスに行ったときと同じ飛行機だ。相変わらずアイマスクやボールペンなどのおまけをくれるのが嬉しい。ノスタルジック。飛行時間は7時間ほどであまり寝られないままに7:20ロンドン着。

入国審査はスムーズにはいかなかった。女性一人旅は疑わしいのかね。夫はいないのか、エジンバラに電車で行くなんて酔狂だ、みたいな感じでいちいち眉をしかめられてしまった。こちとら1週間後の帰国便も購入済みなんだよ! ということで、e-チケットのプリントを見せてやっとスタンプを押してもらった。ほんと疲れた。

イギリスっぽいカラーリング
その後、地下鉄でユーストンまで移動し、Virgin Trainに乗ってエジンバラまで5時間弱。乗り換えのプレストン駅はランカシャーの入り口で、駅内の装飾がバラをかたどっていてかわいい。そういやばら戦争ってのあったな。おおよそすべての乗車を寝て過ごし、気がついたらエジンバラ駅に到着。街を見がてら、宿まで約20分の道のりを歩いて移動。

ほらランカスターは赤いバラだった
今回、PCは持ってこずiPod touchで乗り切るつもりだった。宿はWifi完備でわくわくしてつなげ、明日のために充電を…と充電器のプラグに変換アダプターを刺そうとしたら、ささらん! プラグは横に長く、アダプターは丸形に出っ張りがある。帯に短したすきに長しで、プラグの歯がアダプタにはまらないのだ。恐ろしいことに、今回時間を確認できるものはこのiPodしかない。ということで、あんまりネットは使わないように、常に電源オフ、音楽なんてもってのほか! なんて切ないことになった。ちなみに携帯は国際通話ができないタイプで、こちらも充電ケーブルを忘れた。電池の消耗が激しい携帯のため、ボストンに帰り着くまで電源オフでお蔵入りとなった。

部屋はかわいい感じ。紅茶とミルクが常備されているのが嬉しい。夕食には宿の近所でインドカレー屋を見つけ、ラムビリヤニを食す。この日は日が変わる前に就寝。

▼10/11 Sun

8:30起床。宿は朝食付きのゲストハウス。イギリスらしく、オーガニックとフェアトレードに気を遣ったフルーツやヨーグルトの他、いわゆるイングリッシュブレックファーストが供された。ベジタリアンミールを選んだら、専用のソーセージはあっさりしていて良かった。

エジンバラはスコットランドの首都みたいなところで、王城があり、中世より栄えてきた街。観光の名所はエジンバラ城址と現在のロイヤルファミリーも滞在するHolyrood城、両者をつなぐ中世の街並みが飾る道ロイヤルマイル。ここに見られる無数のおみやげ屋は、いずこもキルト・タータンチェック・ウールやカシミヤで溢れていた。Holyroodの裏手には荒野が!! 中世の街並みの後ろに突如見える荒野ってのは、奇妙だ。その一角だけ保存してあるわけだが、やっぱおかしいよ。

エジンバラ城は朝から大盛況。オーディオガイドを借りて3時間ほど滞在してしまった。時計がないと時間の進み方が分からなくなる。エジンバラ城の現存する建物の歴史は12世紀ほどまで遡れるようであるが、英国史の表舞台に登場するのはイングランドに攻め込まれる17世紀からだ。ピューリタン革命の失敗の後にイギリス国王となるが、名誉革命によって玉座を追われてしまう。その前後からスコットランドはずーっと戦争状態だったらしい。グスタフ・アドルフと縁あってスウェーデン式の軍隊を採用したとか、バグパイプを演奏するパイパー隊をスコットランド軍に常設したとか、各部族を示すキルトを軍服の一部に採用したとか、とにかく説明される歴史は先の大戦までずーっと戦争にまつわるものだった。

このスコットランド旅で唯一食べたかったのはハギス。羊の臓物をそぼろ状にした料理で、東京駅の黒塀横町にあるスタンディングバーではかなりおいしかったのが忘れられず、本物を体験してみたかったのだ。そんなわけで、昼過ぎにエジンバラ城址を出てロイヤルマイルを歩くうちに「ハギスパニーニあります」の看板にとびついてしまったのだった。その店がトルコカフェであることに気づかずに。ちょっと冷静になってみれば、ハギスはパニーニにしないだろうし、添え物はマッシュポテトが定番であることを思い出しただろうに、うっかり入店。地中海東部的なサイドディッシュ(ドルマ、ヨーグルト、紫キャベツのマリネ、唐辛子の酢漬け等)に彩られたパニーニはいい経験でした。

そのままHolyroodのパレスへ。ここでもオーディオガイドを借りて見学。突き詰めて言えば「お宅訪問」をしているに過ぎなかったが、最後に展示されていたクイーンを初めとするロイヤルファミリーの写真はよかった。クイーンの若い当時はものすごい美人。そういえば邸内の解説でもクイーンの人柄が現れるエピソードが満載で、日本の皇室に対する感情と似たものがこの国にもあるのかもなと思った。

パレスの裏にある荒野にも登りたかったのだけれど、このときすでに16:00。まだまだ多くの人が登っていたけれど、車もないし遭難したら事だなぁと見送る。翌日も丸一日とれるため、ハイランドのバスツアーに申し込むべくツーリストインフォメーションへ向かった。ハイランドと言えば、谷間の湖にぽつりとある古城(要塞の廃墟みたいなの)のイメージで、そういうところへ連れて行ってくれるツアーに申し込みたかったのだけれど、大手はみな満席。やや遠出になるが、ネス湖まで行くツアーならと挑戦したら申し込めた。この手続きはツーリストインフォメーションのおねーさんがすべてやってくれ、ここで精算もできる。観光国はちがうぜ、と思った。





もう一度ロイヤルマイルに戻り、道すがら「ロイヤルマイルで一番おいしいハギス」の看板が出ているパブに吸い寄せられた。今度はパブ! 間違いない! とローカルエールとともに注文。そうしたら、見た目がなんかまた前衛的なんですけど…。グレービーソースの中に、上からタースニップのマッシュ、マッシュポテト、ハギスの層に分かれた円柱が立っている。おいしかった、おいしかったけど、なんか違う感じ…。

9.10.09

近所でManic Street Preachers

引き続き腑抜けた生活を送ると思いきや、この日は夜にManic Street Preachersのコンサートへ出かけた。家から路面電車で6駅ほど先にあるライブハウスが会場。いやー近いっていいね。U2の時と比べると、私今日何かいいことしたっけ!? と振り返ってしまうほど極楽な楽さであった。

ライブ会場というものは初めてでどんな感じかとわくわくしていたら、観客と演奏者の距離が実に近くて驚いた。中にバーもあって、みんなお酒を飲んで待っていた。

Manic Street Preachersはイギリスではそこそこ長く活動していて、そこそこ売れているバンド。フェスなんかの、一番後ろではステージが見えないんじゃないかというくらい広い会場でも、観客みんなが全曲合唱するくらい。今回チケットをとった夫に言わせると、GLAYが近いらしい。ちょっとビジュアル系、ちょっと前に売れた、ちょっと年取ってきた…という点で。

実際はみんな年相応のこざっぱりした衣装で清潔感が溢れていた。ベースの人を除いて。彼のマイクスタンドだけは花で飾られ、アンプの上には数々のぬいぐるみ。本人の警察の制服のような形のジャケットはワッペンで覆い尽くされており、インナーには自分の顔がでかでかとプリントされたTシャツを着用していた。パイロットの様な帽子は、頭の上に1つと手に1つ。独りビジュアル系を続行しているのか。

曲は明るめのメロディが分かりやすい曲が多く、ライブ向け。技術的にも初めて演奏がうまいと思ったほど、ギターとパーカッションが鳴っていた。ただあのベースの人だけはジャンプ、ターン等々謎の動きで魅了していたなぁ。ベースは暇なのか?

この人たちはCDよりコンサートの方が楽しいなぁ。比べて、前のSnow PatrolはコンサートよりもCDやドラマのBGMなどの映像付きで聞きたい感じ。歌手にもいろいろタイプがあるもんだ。

8.10.09

嵐とともに到来し、嵐とともに去っていく

今朝は友人の8時半発の便に間に合うべく、6時半に家を出て空港までドライブ。アパートを出たら大雨だった。さすがだ。高速に乗って15分の距離だが、雨に濡れたそこそこ交通量のある道をかっ飛ばすのは怖かった。雨の日に高速を走ることはあまりないからなぁ。とはいえスムーズに到着し、出発の階の入り口(Departureの人をドロップするところ。そういえば空港ビル場所の名前としてのDepartureやArrivalって日本語で何と言うんだろう)でお別れ。あっという間の4日間だった。

家に着いたらなんだか気が抜けてしまい午後まで寝てしまった。夕方から国際租税のセミナーに参加、夜は発音強制のクラスへ。普段使わない口の筋肉を酷使し、なんとなく休みボケ的な疲れを感じる。

終了後、同じく大学で9時まで授業を受けている夫を迎えに行き、夕飯を何にも用意していなかったので近隣の簡単ギリシャ料理屋へ立ち寄る。デリにちょっとした飲食コーナーがある感じの店だが、私のラムケパブも夫のラムチョップも前菜のフェタチーズのかかったサラダもおいしかった。近所にそこそこ食べられる店があるのは嬉しいな。毎週通ってしまいそう。

7.10.09

友人来る

金曜の夜はBen Foldsコンサートの余韻に浸りつつも、ボストンに到着する友人との待ち合わせに緊張していた。日本からはるばるやって来るのに、ちょうどコンサートがあったために空港に迎えに出られず、泣く泣く家の近所のマクドナルドで待ち合わせることにしたのだ。この日はレッドソックス戦のナイトゲームがあったのと、マック最寄りの電車の駅は近隣の大学生で溢れかえり、折しも金曜の夜といろいろと重なって、電車は止まるし人は多いし果たして無事に会えるか非常に心配だった。結局会えたのでよかった。Newarkで乗り継ぐ便をビール飲んでて逃したりしてたらしいよ。そのため、この滞在中は「時間があってもビールを飲んだら危険」がネタになった。

▼10/3 Sat
朝から雨。嵐を呼ぶ女と定評がある通り、ボストンは久しぶりの雨に濡れていた。ボストン観光と言えば町歩きだが、傘を差してまでするのもねぇ…ということで、いきなりアウトレットで買い物をしてきた。ついでに、今週オープンした郊外のショッピングモールにあるでっかいWhole Foodsでご飯も食べた。このモール、先月のU2コンサートの際に4回その脇の幹線道路を通り、そのたびに気になるなーと思っていた正にそれであった。また来よう。夜は中華街の毎度おなじみ〈East Ocean City〉で海鮮中華。

▼10/4 Sun
友人リクエストの1つであるレッドソックス戦の観戦。この日はレギュラーシーズンの最終日のデーゲームで、既にプレーオフに出場できることは確定しているものの、やはりめちゃくちゃ混んでいた。相手はクリーブランドインディアンズ。先発はバックホルツでスタメンはおよそベストメンバーだったが、途中でどんどん交代していき全然わからなくなった。初回で相手にホームランを打たれたときは「デスノート」再びかと青くなったが、最終的に勝って終わって一安心。私の大好きなEllsburyは70個目の盗塁に成功し、場内に拍手が鳴り響いた。

その後、ノースエンドのオイスターバー〈Neptune Oyster〉にてクラムチャウダー、タコのトマト煮ディアボロ風、ハマチの刺身各種ハーブ和え、生牡蠣6種とチェリーストーン、カニのツメを食す。あっという間にワインが一本空いてしまった。生牡蠣っておいしいのね。それも種類によって味が異なる。Kumamotoと言う名の熊本からかつて種苗輸出され、ワシントン州で養殖されている牡蠣が、私たちの知っている牡蠣の味に最も近かったが、めちゃ小さい。ピンポン球の直径以下だ。小さい分、味が凝縮されているのか非常に濃厚でミルキーだが、同じ味の系統ならばKusshiの方が好みだな。その他、クラムチャウダーは牛乳ベースなのかあっさり風味でかなりツボ。これまで食べた中では最も好みだ。タコはトマトソースににんにくがきいていてスパゲッティを投入したくなった。ハマチの刺身は言うまでもなくカルパッチョ。刺身じゃないよ!

▼10/5 Mon
この日は私の生理学の授業で試験があったために、友人一人でのボストン観光となった。申し訳ない。しかも前夜に飲み過ぎて二日酔い気味。試験の出来は…もう人間としてさいてー。友人にはフリーダムトレイル行脚の後にハーバード大まで来てもらい、一緒に帰宅。

夜には近所のタパスバーへ行くつもりであったが、8時過ぎの店には行列ができており隣のタイ料理屋へ進路を変更した。初めてボストンでタイ料理屋に入ったが、いやー、甘いね。砂糖多すぎ。しかもパクチーなし、辛みなし。イサカの店の方が本格的だったなぁ。まあたまたまかもしれないけど。

▼10/6 Tue
おとなりニューハンプシャー州へ紅葉を見にドライブしてきた。目的のKancamagus Highway(SR 112)はアップダウンの激しい山間の道でかなり紅葉が進んでいた。正直言って、紅葉狩りなんて赤や黄色の葉っぱを見るだけでしょ? と軽視していたが、Swift Riverの渓谷を紅葉が彩っていて感激した。私は渓谷が大好きだが、実はこれは日本の風景を追い求めているんだなと思い知った。別に渓谷のある地域で育ったわけではないんだけどなぁ。

当地まで片道2時間、往復で約450km。ハイウェーは約45kmだが、途中途中で停車して写真を撮りまくっていたら2時間半ほどかかった。朝8時半に出て家に着いたのは夜8時であった。このハイウェーの近隣にも美しい景色が見られるスポットは多くあってドライブルートに組み込んであったが、計画以上に入れ込んでしまった。また予想外にも高速道路に沿っても紅葉が広がっていた。行って良かったな。

明日はいよいよ友人が帰る。朝6時半には空港へ送るために家を出る予定だが、既に前夜の1:30だ。寝なきゃ。日本到着は8日の日中になると思うが、台風来てるんだってね。またもや嵐を呼んでるのか?

3.10.09

Ben Folds with Boston Pops

Ben Foldsが各地のオケとセッションするシリーズで、ボストンではBoston Pops Orchestraと共演することになったので見てきた。

会場となったBSOのシンフォニーホールは、こぢんまりながら年季の入った木製のイスや壁に飾られた彫刻が美しく、ちょっといい気分にさせられる。ついつい開演前にバーで一杯飲んでしまった。

BPOの面々が舞台に集いチューニングを始めると、観客として気持ちが盛り上がっていくと同時に緊張していく。Ben FoldsとBPOの指揮者が登場すると、割れんばかりの拍手。もう立ち上がっている人もいる。早すぎ。観客にはBPO目当てだろうなと思われる年代と明らかにBen Foldsが目的とおぼしき格好の人々(我々も含め)と雑多混合な印象で、曲は綺麗だが歌詞がひどいことの多いBen Foldsの歌曲はどれを演奏するのか若干疑問であった。そうしたら…初っ端からEffing Town。びっくりした。その後曲の解説を加えながら演奏が進んでいくのだが、常に笑いの絶えないMC及び歌詞であった様子(あんまり聞き取れなかったけど)。

曲だけ聴けば、オケ版はすごいの一言に尽きる。ただ、ロックに近い、アップテンポな明るい曲は、曲想の勢いで盛り上がってしまってオケの良さが伝わりづらいと感じることもあった。あとは、歌謡曲を無理にオケに書き直したせいで無理を感じるというか、ちょっと軽くなっちゃったというか、そんなのもあったな。しかし、やはりオケに合った穏やかな曲が多く、聞かせるなーと思うことが多かった。一番良かったのはSteven's Last Night in Townかな。

コンサートなので観客に歌わせることもあり、今回はNot the Sameでのコーラス。会場を3パートに分けて練習させていたけど、結局は2パートに落ち着いたっけ。客席右半分と左半分で違う指示を出して楽しんでいた。

一通り終わりBPOが舞台からはけると、Ben Folds一人が再登場してのアンコール。ここからはオケの必要ない曲目白押し。ライブおなじみのArmyの合唱では大いに盛り上がった。最後のRockin' the SuburbはCDでは軽く感じてよくスキップしてきたけれど、生で聞くと力がある曲だなーと印象が変わったなぁ。

いやー行って良かった。

2.10.09

ついに日本人と日本語で会話した

いいかげん寂しくなったので近隣で最も安価な英語教室へ申し込み、この日が初日だった。

ボストン中心部の教会が主催するクラスで、週2回・3ヶ月間$90かつ教科書代込み。あらお安くていいじゃないの。図書館の無料クラスとは異なり、先生はちゃんとした「先生」であった。すばらしいね。しかも、3時間の授業のうち全クラス共通のコーヒーブレイクがあり、コーヒーとクッキーが供される! 朝にコーヒーを持って行く必要がないよ。最高。内容は教科書に沿っているために可もなく不可もなく。そしてこのクラスでやっと日本人と邂逅した。久々に日本語で会話できて嬉しかったなぁ。

ただ、申し込む際に回答は任意だったけれども信仰を問う質問があった。キリスト教徒でもないのに利ばかり受けて申し訳ないね、と思った。バイブルスタディなどのキリスト教への理解を深めるための何かを併せて申し込もうかと思ってしまった。まあ教養の域は出ないだろうけど。

1.10.09

カーナビの功罪

引きこもり傾向のある大学生の、一日に人と交わした言葉がコンビニ店員との「あたためますか」「はい」だけだったという切ない話があるが、それを笑えない生活を送っている私。特にこの水曜のセミナーは私を含めて8人しかいないというのに勇気が出ず辛い時間を過ごしていた。みんなJD3年生で顔見知り、私だけ門外漢。それでも日本に留学経験のある中国出身の女の子が、なんとなーく気を遣ってくれるのが分かる。滅多に話さないけど。今日はがんばって別の人に話しかけてみた。

「その腕時計、もし電池なくなったらどうするの? どこかお店に持って行くの?」

私がんばった。全力でがんばった。実際、愛用していた腕時計の電池が1年前に止まってから、どうしていいかわからなくてずっと放ってあって困っていた。周りを巻き込んだあげく、結論はTargetという生活雑貨量販店へ持って行けということになった。感謝感謝。

夜には近所の生涯学習センターで発音強制の授業に出席。今日が初回で早速p, b, t, d, k, gの発音練習をした。kは舌の奥の部分を口蓋の奥の柔らかい部分に近づけて発音する音だと言われたが、「かきくけこ」にそんなことをしているようには全く思えない。またtは舌先を上の前歯の根本につけるが歯には触れないと言われ、「たちつてと」の発音が急にできなくなった。考えれば考えるほど舌がもつれていく。口も疲れる。発音なんて普段無意識にしているから、意識し出すと途端に難しくなる。

この授業は7-9pmの2時間のため車で来ている。水曜は夫の授業も9pmまであるため、終わった足で大学まで迎えに行くべく急いで駐車場へ向かった。遠くに一台、ウインカーがぱかぱか光っている車があって、あーこりゃバッテリー上がっちゃうよね~なんて思っていたら、…うちの車でした。予想通りエンジンがかからん。バッテリーが上がったのは初めてでもちろんケーブルはない。ケーブルがあったところでどこにつなげるかもわからない。泣きそうになって教室へ戻り先生に相談したら、AAAに連絡して家への牽引を依頼してくれた。待つこと約1時間、AAAから連絡を受けたメカニックの人が到着しものの5分で電池をバッテリーにつなげてエンジンをかけてくれた。笑顔の素敵なおにーちゃんでした。チップとしてコインで5ドルあげたら、こんな簡単なことでもらっちゃって悪いね~って感じだった。バッテリーを充電するべく、遠回りして帰宅。

ぱかぱかしていたのはハザードランプで、窓に吸盤でくっつけていたカーナビが落下し、ランプのスイッチに直撃して点灯してしまったようだ。こちらのカーナビはiPodほどの小ささで、我が家のは吸盤でフロントガラスにくっつけるタイプ。もしダッシュボードに立てるタイプだったらこんなことは起きなかっただろうな。最近は気温が低くなったせいで夜は特にガラスも冷たく、吸盤の吸着力に影響を与えているのかもしれない。めっきりカーナビに頼りきって暮らしているのに困るなぁ。

疲れた一日であった。