28.3.10

3月末

ポーツマスまで足を伸ばしてきた。ポーツマス条約の締結されたポーツマス。セオドア・ルーズベルト大統領だったか。アメリカに来て1年半、未だにアメリカ史をよく理解していない。ボストンから車で1時間半の小さな町はアメリカらしい古い街並みが美しかった。ハイストリートに並ぶ店はディスプレイがうまいところが多く、ボストンとは違って立ち寄りたい気分にさせた。ぶらぶら町歩きをするだけでも楽しい町は久々かも。でもこの日は天気はよくても気温がめちゃくちゃ低く、頬に触れる風が痛かった。

ついでにお隣ニューハンプシャー州のメープルシロップ農場へ行ってみた。この週末は州内の農家がそれぞれにイベントを行うらしいと聞いていたのだ。農場ツアーや試食なんかが主らしいが、ただポーツマスから一番近い所を選んだら、そういうのは全くやっていなかった。まあ、煮詰める機械を見ることができたのでよしとしよう。平均して樹液を1/40に煮詰めるらしいよ。ちなみに、メープルシロップの生産地については、生産量全体の3/4がカナダ産。10%がバーモント州、次いでNYS、そしてMA・ミネソタ・ペンシルバニア・ニューハンプシャーなど、らしい。MA州内に良い農場はたくさんあったんだろうと残念に思う。

少し前に地域の新聞で、今年はメープルシロップが全然生産できないという記事を読んだ。寒い日と暖かい日が交互に訪れると、その温度差がシロップのもととなる樹液の産出を促進するのであるが、今年の冬は例年より温かかったのが影響しているらしい。採取のピークは2月末から3月中旬というが、今年はあまりにとれないので3月頭に諦めた農家もあったという。大変だ。温かい冬は一般人にはありがたいけれど、自然が「いつもと違う」ってのはそれと深い関係のある人達には困るね。

27.3.10

パストラミサンドとNora Jones

今週は20Cまで上がったかと思えば翌日に雪がちらついたり、いざ出かけよう! と意気込んでも掛けた梯子を外される一週間であった。

今学期のESLのクラスでは先生が何らかの記事を持ってきて教材にしている。しばらくはフロリダのKissimmeの観光案内パンフを使っていたが、ついにNational Geographicに移行した。あれ一つの記事が長いんだよねー。日本語版が日本で刊行されてから3年間ほど定期購読していたが、読み切れない号がかなりあった。写真はめちゃくちゃきれいだけど、レベルが高すぎて参考にもできない。ちらっとウェブサイトを覗いたら、記事がまるまる掲載されている模様。やるな。あの雑誌は高品質の写真が売りなので、記事だけをウェブ上に全部上げても雑誌の売り上げにはあまり影響しないのかもしれない。

クラスの後、ボストンのパストラミサンド屋〈Sam La Grassa's〉へ行った。アメリカに来て3度目のパストラミサンド屋だ。ストイックにパンにハムだけが挟んであるサンドイッチを食べたかったのだがメニュー上で見つけられず、コンビーフ・パストラミハム・コールスロー・チーズサンドを食す。サラダのドレッシングでかなりさっぱりさわやか風味。おいしかったけど、ハムだけを堪能したい気持ちもある……。


過去の類似品履歴。
  • Schwartz's (Montreal Canada) のスモークハムサンド
  • Kat'z Deli (New York) のパストラミサンド
  • Sam La Grassa's (Boston) のパストラミサンド
もう正直に言って、モントリオールで食べた味は思い出せない。かすかに残るのは、思ったよりあっさりで驚いたこと、隣の客が二つ頼んできれいにパンだけ残していたこと。NYCのはジューシーで文字通りとろけた。おいしかったな。骨か焼いた表面の焦げか口当たりが気になる部分もあったけど、それをふまえてもすばらしい出来。このためにもう一度NYC行ってもいい。ボストンのは夫が食べたときの写真。ハムだけのサンドイッチもあるんじゃん!

で、昨夜Nora Jonesのコンサートに行ってきた。はっきりいって全く聞いたことない。先月Utadaのコンサートの後に、女性シンガーもいいねーなんて言ってノリでとったチケットだ。それでも、これまで行ってきたコンサートに比べたらチケットは2倍ほどの値段で、さすがアメリカの人気歌手である。

ジャズシンガーだけれどもカントリーやポップスやさまざまな音楽がミックスされたような曲が多かった。何と言ってもNora Jonesは声が独特かつものすごく歌がうまかった。約2時間歌い続けてもまったく調子が変わることがない。弾き語りの時の衝撃たるやいかほどであったか。すごい歌手であることは分かった。

会場のWang Theatreは内装がきらびやかでまるでオペラ座(入ったことないけど)。音響もすばらしすぎて、時にバンドの演奏がやかましく聞こえるほどであった。コンサートっての演奏家のスタイルに合わせた会場をちゃんと選んでいるもんだね。

21.3.10

Rockportまで

前日、遅くまでさんざん飲んでしまったので昼近くにやっと家を出て、MA北部の小さな海岸町ロックポートへ出かけた。夏は海水浴客でにぎわう小さな町だが、22Cまで上昇したこの春の日、駐車場を探すのに一苦労するほどの人出であった。


独立戦争時の対イギリス軍の要塞が築かれていたこの町は、今では静かな田舎町といった風情だ。田舎過ぎて、有名な安ロブスター屋は軒並み(と言うほど軒数もないが)冬休み中であった。店の前でOh my Gosh! とつぶやく人多数。町の人が仕事を始めるのは来週からみたい。

町の北にあるHalibut Point State Parkで昔の石切場を眺めながら海岸まで散歩。珍しい岩石海岸。晴れて見晴らしのいいときには、向かいにメーン州が見えるらしい。たしかにぼんやりと陸地らしい影が見える。あれがずっとカナダまで続いているかと思うと不思議だ。

木々がまだ枯れ木でちょっと寂しい感じであった。往復2時間、現地滞在2時間半。久々に運転した高速道路は結構混雑していてひやひやした。

20.3.10

週末の予定は春の夜の夢の如し

昨夜は家に着いたら3分で就寝してしまった。お酒のおかげか、今朝は10時間以上の睡眠の後にやっと起床。そんなわけで、週末一泊旅行は案の定、夢に潰えたのであった。まあ、私たちのしたいことはナショナルパークのトレイル散歩だし、そういうところはどこもまだ枯れ木だから今が行くときではない! と自らを慰めた。代わりに、本日は買い物デーである。食品のね。服などのイベント的ショッピングではない。

先週、Walthamにある酒屋Gordon's Liquor Storeにて、去年イサカで愛飲していたワインDr.Kinstantin Frankのリースリングを注文してきた。入荷できたよとの連絡がきたので支払いに行く。その帰りに、いつものイタリア系生鮮食品店Russoで生フェットチーネを購入。乾麺と比べてもDe Ceccoとそう変わらない価格でありがたい。ついでにスモークサーモンも。ここはほんとに何でも新鮮かつ安くて助かる。良い店だ。

イサカの付近はFinger Lakes regionとしてワイン生産が有名だ。この産地とナイアガラ地域、NYCのLong IslandがNYSのワイン生産を支え、全米2位の生産州となっている。2位とはいえ、生産量超ダントツ1位のカリフォルニア州の数分の一くらいの規模だけど。そのために、NYSワイン、ひいてはFinger LakesワインなんてNYSの外に出てしまうと殆ど買えないと言っていい。ワイナリのウェブサイトではオンラインショッピングも可能であるが、MAへ輸送することができないらしく購入不可。で、MA州内で取り扱っている酒屋を探したら上記の酒屋がひっかかったのだった。

久々のイサカワイン、飲む環境が変われば味に対する感覚も変わるかと思ったけれど、いやいやなかなか私の中では不動の1位である。何しろ香りが高く味が濃いのが良いね。これはドライリースリングなのに。するする飲むよりも、むしろパブなどで食事なしにグラスになみなみつがれた一杯を飲むのに合っている。これは断じて水じゃあないな。水っぽいお酒は好きだけど、これはこれですばらしい。

フェットチーネはゴルゴンゾーラソースを合わせてみた。麺も抜群においしかった。また買ってもいい。というか、いつかパスタマシンを買いたくなった。生パスタはどれを食べてもおいしいよね。あるいはイタリア行きたい。

我が家の食費は、外食費はもとより、趣味・教育・交際費すべて含んでいる気がする今日この頃。

19.3.10

Spring has sprung!

ついに日中の気温が20Cに到達した。春だ。土曜までは晴天と聞いているので、この週末は遠出しようか、金土で一泊してケープコッドに行くのもいいねと夫が言っていた。木々はまだ枯れ木のままだけど、おおかた芽吹いているし、木蓮は少しずつ花開いてきているからね。

今週と来週は春のレストランウィーク。協賛しているボストンの各レストランがランチは$20強、ディナーは$35弱で出してくれるので、夜にBoston Harbor Hotelのフレンチ〈Meritage〉に行ってきた。私のオーダーは前菜はスモークサーン、メインはリゾット、デザートはキーライムパイその他シトラス三点盛り、それにアミューズのトマトスープがつく。どれも「アメリカでもおいしいものはあるんだ!」と思えるすばらしさだった。レストランウィークのためかテーブル担当者は特段いなかったけれど、どのスタッフもみんな親切な感じ。周りの客もみんなレストランウィークだから来ました的な雰囲気で、田舎者の私たちも浮かずにすんだであろう。念入りに一張羅着ていったけどね(メイクは三割増で。あっ、逆に浮いたかな)。たぶん、アメリカで訪れた中で一番高いレストランであっただろう。通常時は予算・雰囲気・私の気持ち(分不相応じゃないかという不安)のために来られないと思われる。

ワインを一本空け、ほろ酔い気分ですぐ近所にある連邦裁判所の外観を見に散歩。海にせり出すようなガラス張りの建物は港を挟んでボストンの街並みを眺められ、陪審員として召集されても結構楽しいかもしれない。



18.3.10

ついにバスケを見に行った

Ticketmasterで余った一人席のセールがされたので$25で購入、月曜にCelticsのゲームを見に行った。先日のMUSE以来のTD Garden、折しもこの日の前後は珍しい雨嵐で移動が大変であったけれど、すごい来客数。さすがだね。

会場はスクリーン多め、ネオン多めで会場の照明が派手なこと! またCeltics Girlsが折に触れてダンスしに出てきたり、Make Noise! と煽られたり、NBAの試合はお祭り騒ぎ的なところがあると聞いたことがあったがこういうことかと思った。

試合展開的には、相手がDetroit Pistonsという格下チームであることもあり、序盤から最後まで圧倒したままだった。スタメンが出てきたと思ったらすぐに引っ込み、ほとんど2軍、終盤にはさらに新人が投入されるほどであった。ハーフタイムを挟んで3rd quarterの初めにスタメンが再度登場したが、さすがstarting membersだなとうならずにはいられない攻撃の速さよ。

2軍以下の選手だと言ってもNBAの試合に出場できるくらいだから能力はものすごく高いわけだが、それよりもすごいと思わせるCelticsのスタメンを思うと、では今期の強豪チームの選手達はいかほどかと驚愕する。テレビを見ていると、LA Lakersの「両親が神戸牛大好き」 Kobe Bryant選手が相当注目されているようだが、生でそのプレーを見たら神業としか思えないんだろうな。

何にせよ、その道のプロってのはすごいと思った。

帰りに電車を待っている際、Green Line Dの一部がバスに振り替えられているとの放送が盛んに入る。あの辺は線路の下に貯水路があって、水が溢れ気味だとの新聞記事を読んでいたが、実際は右写真みたいな状況のところがあったらしい。また、あまりの雨量で2005年以来に下水道の処理能力がパンクしたとも聞いた。雪には強いが雨には弱いボストン。雨が去ってから、今週は晴天が続き15Cまで上がっている。

春はきっともうすぐ。

15.3.10

ご飯がおいしい今日この頃

先週の金曜にずっと気になっていた鶏肉屋へ行った。よく行く魚屋の向かいにあって「ツブしたて新鮮!」の看板の印象が強かったが、いつものスーパーRussoの鶏肉で満足していたためになかなか足が向かなかったのだ。入ってみれば、鶏が丸ごと、あるいは部位ごと大量に売られているのにびっくり。胸肉が開かれてハート型そのままだったり、もも肉は骨が付いていたりと、使う前に多少手を入れる必要はあるが見た目から新鮮さはピカ一。考えてみれば、いわゆる肉屋に入るのは初めてだ。手羽中と手羽先が一体になった状態の部位を10個と胸肉1枚を購入。

で、今回はグリル天国をした。手羽と言えば、塩・胡椒で皮がぱりっとした状態のと、あまじょっぱい中華風タレをまとったのと、バッファローウィングだ。バッファローウィングは本当は揚げ物であるが、ソースだけ作ればいいかとタバスコソースとブルーチーズドレッシングを用意した。結果、塩・胡椒でグリルしただけのものがベストであった。日本で食べられるようなブランド鶏肉的なのとは違って味が濃いとかそういったことはなかったけれど、新鮮、ただそれだけで味は違うものだなぁと鶏肉に感動した。胸肉は鳥はむにした。ぱさつくかと危惧したが、思ったよりジューシーに仕上がって満足。もも肉で作った方が好みだけどね。

ついでに、アーティチョークハーツのフリッターもやった。初めはこれもグリルする予定だったけれど、誘惑に負けて揚げ油を用意してしまった。アーティチョークってどうしてこんなにおいしいのか。もっと早くから食べていれば良かった。

その前の日のタコライスも忘れられない。メキシコでいろいろ食べてきたのとは味が全然違うけれど、アメリカ食としてアリだ。牛挽肉を市販のスパイスで炒めて、トマト・玉ねぎ・青唐辛子・シラントロ・レモンでサルサメヒカーナを作り、レタスを切れば、あとは全部ご飯に載せればおしまい。簡単でおいしいなんてすばらしい。これを開発した沖縄人を尊敬する。肉はタバスコとクミンで調理すればよいとも思うが、「Old El Paso」のシーズニングソースは手放せないなぁ。

それから、ミツカンの納豆「金のつぶ 梅風味黒酢タレ」が予想外にキた。昔、金のつぶはおかめ納豆に比べるとどうしても見劣りしていて買えなかった。それに、納豆の甘めのタレ原理主義からすれば、それ以外の黒酢とかとろろとか全く許容できなかった。行きつけのスーパーにレギュラー商品として置いてあったのを見て、半信半疑で買ってみたのだった。そうしたら、これおいしいねー。もともと、納豆はたくさん薬味を入れたい派。理想は、納豆3パックに生卵一個・ネギ・青葉・ミョウガ・オクラを足してこれでもかと混ぜてある状態。乱暴なこと言えば青葉の香りは梅と同じなので、この金のつぶは嗅覚にうったえるところが強かった。また黒酢と銘打っているがお酢の影響は全然わからない。普通の納豆たれのようなめんつゆ臭さを感じないのもよい。ボストン納豆物価的にはかなり安価、3パックで$2.19だ。いやーいい買い物をした。

明日は何を食べようかなー。

13.3.10

散髪後、ワカメちゃんに親近感を覚えるようになった

4ヶ月ぶりに美容院へ行った。私の髪は太く量も多いため、一月放っておくだけでざんばら頭になってしまう。それにもかかわらず4ヶ月も放置してしまったため、見るに堪えない惨状になっていた。外見がカタストロフならばその当人の苦労はいかほどかというものだ。担当の美容師に、とにかく短く、髪にまとまりもたせてとリクエストしたところ、ワカメちゃんになった。頭が小さくなったのは良いものの年甲斐がないな。まあ快適だからいいか。

重曹で洗髪すると消臭効果も相俟ってよろしいと聞いて早速挑戦したものの、洗えたような洗えていないような疑問が残る結果に終わった。当地のシャンプーは日本製品に比べて髪がきしむように思うが、これは消費者の好みだろうか。一方、ボディソープはローション配合と唱われているものが多く、流しても流しても肌にぬるぬるが残るのが好ましくない。不思議だ。ついでに体も洗ってみようと重曹をしめらせて肌をなでてみたが、日焼けの痕のためか痛みを感じるだけだった。重曹は石けんの材料であり、脂に反応して石けんで洗うのと同じ作用となるらしい。しかし、粉の状態で使うよりも最初から石けんになっている状態で洗浄する方が遙かに楽ちん。重曹……風呂桶を磨くのには非常に効果があったのに、人体を磨くのには向いていないのか。

今度映画にもなる「銀魂」の原作がえらいことになってしまったので、来週の土曜まで待てなくて困る。

9.3.10

活動した後の反動

木曜からこの方、ずっと引きこもって過ごしています。多少は家を出ることもあったけれど、気持ち的にってことで。

木曜は英語教室で友人が日本代表のプレゼンをする予定だったけれど、それさえスキップしてしまったことには後ろめたい気持ちがある。この間、日中は気温が10度まで上昇し、春がそこまできていそうな陽気が気持ちいい。一方私は家の中でじめっと暮らしているわけではなく、むしろ嬉々としてだらだら過ごしているわけだが、何もしていない自分を振り返って時折空しさが眼前をかすめる。

何をしたいという気持ちがあまり湧いてこないのは、満たされているためかもしれない。

そういえば、お隣ニューハンプシャー州は今月末から来月頭に掛けてメープルシロップの生産シーズンと言う。月末の週末にはあちらこちらの農場でシロップの採集の様子が見られたり、できたての味見をさせてくれるらしい。行ってみたいなぁ。

ああ、それから念願の揚げ物天国をした。
  • 唐揚げはこれまでで一番出来が良かったな。油淋鶏の甘酢ソースがないともう唐揚げは食べられない。いつもここのレシピを確認しながら配合するのでいい加減覚えてしまいたい。揚げすぎないためのコツは、肉の下味に醤油をあまり使わないこと。でないとすぐ衣が黒くなって惑わされるから。二度揚げで完璧。375Fで1~2分、5分ほど休めて、もう1分。
  • 魚屋でスズキを買った。あえて皮付きの三枚に下ろしてもらい、家でひいた皮を竜田揚げに。下味はニンニクすり下ろし、醤油2、酒1。揚げた後の油がニンニクくさい……。
  • アスパラガスは小麦粉に塩少々加えたのをまぶすと、調味せずにそのまま食べられてよい。カラッと揚げるのが難しいのでまだまだ研究の余地有りだなぁ。今回はしなかったけれど、こういう揚げ方ならアーティチョークハーツはかなりおいしい。今度やろっと。
  • 冷凍食品の一口ハッシュポテトは325Fで揚げればOK。375Fだと揚げすぎになる。インストラクションには従うべし。
揚げ物にはやっぱビールだね! Ithaca BeerのApricot Wheatにまたお目見えできるとは思わなかった。NYCでふらっと立ち寄ったWhole Foodsで見かけて、本気で買って帰ろうか迷ったのだけど、ボストンに戻ってきてからスーパーで発見、即購入。同時に、重たいの提げてこなくて良かったと息をついた。サミュエルアダムスと違って苦みが全然なく、甘い香りが引き立つのに、かといって甘い味がするわけでもない。緑萌える夏のイサカに似合うすっきりとしたビール。また出会えて嬉しい。

一方、Finger Lakesのワインには全然再会できない。もう通販しかないのか。

7.3.10

過剰の美学 MUSE@TD Garden

イギリスではウェンブリースタジアムさえ満杯にするMUSEが、単独でボストン公演をするというので行ってきた。会場はTD Garden、入場するのは初めて。

6年前に留学する際に当時つきあっていた夫が、傾倒していたUK Rockで餞別の「詰め合わせCD」を作ってくれたのが、MUSEを聞いたきっかけだった。とはいえ「Sunburn」一曲のみであったけれど。 それ以来この人達の音楽は、装飾過多で宇宙系のメロディーでやたらめったら壮大な感じ、というイメージがずっとあった。で、実際のコンサート演出(特に照明)もイメージに違うことなくド派手であった。

演奏した曲目にはSunburnはなかったものの、宇宙系は引き続き絶賛邁進中であった。ああ、でもSunburnのぶっとんだ感じからすると、そ の後の音楽は少しだけ大衆寄りになったかもしれない。聴いたことすらない曲でも聞ける。メロディーだけならむしろ歌謡曲っぽいのに、あの伴奏の装飾っぷり はすごい。おかげで日本でも売れているらしいね。アメリカに来る前には日本でもツアーをしていたとか。

演奏はうまかった。とにかくCDと同じクオリティのまま突っ走る。ボーカルのマシュー君はギターを弾いたりピアノを弾いたりショルダーキーボードを弾いたりとめまぐるしく活躍していた。なよっちく細い腰がセクシーであった。ドラムのドムさんもおそらく腕は相当だ。ベースのクリスさんはよくわからないけど、3人しかいないメンバーの一人だからたぶん大事。
 
席はステージの上手後方の最上段。微妙に後ろ姿しか見えない端っこの席だが、それでも周囲の観客はジャンプしまくり。見下ろすGAはモッシュが激しく、ああ、あそこにいなくてよかったーと胸をなで下ろすほどであった。観客層はこれまでのコンサートとはうって変わってみんな若い。タトゥーが入っている人、髪の毛がピンクの人、パンクな服装の人なんてこれまで全然目にしたことなかったのに! 最近は映画「Twilight」シリーズのテーマ曲にも採用されているので、若い人への訴求力が強いのかも。

半年前にツアーをしていたU2の前座にも登場したMUSE。というかむしろ、このMUSEを前座にするU2は別格だと思った。

4.3.10

日常カムバック

春休みが終わった…。

秋くらいからずっと悩んでいたベッドバグ問題、つまるところダニ問題であるが、このアパート内で被害に遭っていたのはうちだけではなかった! 旅行中にアパートの管理人とペストコントロールのインスペクションが入り、希望があれば薬を撒いてあげるよーとのレターが届いていたので、妹を送る前に依頼しておいた。それが昨日来た。作業を開始したらすぐに1時間ほど出て行ってくれと言われて、いそいそと出かけましたよ。ベッドリネン類や掛け布団も枕も、全部高温のお湯で洗濯して高温で乾燥したし、完璧である。夜にはいつものむずむず感もなく安心して就寝できた。

だから、今朝、夫の手首に見つけた赤い斑点は昔の傷ということにしたい。私の首元にある「何か」もね……。

我が家のユニットは7月に入居した際にはキッチン設備、フローリングの床材、カーペット、バスユニット、とにかく見える物は全部新品あるいは塗り直し・設置し直し済みのぴかぴか状態であった。ベッドも入居してから新品を買った。布団等はイサカからの持ち込みだが、あっちではダニはいなかった。だからこそ、ダニは絶対に我が家の外から入ってきたものと思っている。壁に隙間があるようには見えないから進入経路は分からないけど、建物自体は相当古そうだからなぁ。

そんな困った話と同居させるのもアレな感じだが、今日はかねてから予定していた友人の誕生会。と言っても、私は料理も持って行かず、ただひたすらごちそうになってきた。コロッケ大好き、ちらし寿司最高。ボストンに来て数ヶ月間は寂しい時間を過ごしていたのに、こうして良き友人に出会えてありがたいことよ。

帰宅したら夫が筍ご飯の調理に挑み返り討ちに遭っていた。水の分量を間違えたらしく、ご飯が団子状態だった。こうして失敗を重ねてみんな大人になっていくのです。しかし、みずから挑戦した姿勢は評価します。今後もがんばりましょう。50点。

2.3.10

妹を見送りがてらNYC

2/24の深夜近くに妹ともにボストンに帰還。25、26とちらっとボストン観光し、28日のフライトのために27日にはバスでNYCへ移動と、かなりあわただしいスケジュールで妹は旅立っていった。ボストンからNYCへの移動は妹一人では心細かろうと、ついでに私たちも一緒に移動して観光してこようと相成ったのであった。

ボストン滞在中の特筆すべき事と言えば、やっとピザ屋〈Figs〉へ行けたことくらいかな。生ハムと干しイチジクのピザはおいしかったけれど、いかんせん大きかった。あのせいで、夜に予定していた生牡蠣を諦めざるを得なかったのだ。しかし私的にはReginaのベジピザがベストだなぁ。一切れ$4.5で十分だし。

▼2/27

NYC Penn Station到着時にはすでに22時を回っていた。何はなくとも妹の大荷物を宿に持って行かねばとがんばって移動。いやー、ほんとNYCの地下鉄はバリアフリーがなってなくて困る。ボストンもたいがいであるが、それ以上に問題だ。

謎に広いアパートメントタイプのホテルにチェックイン後、身軽になってラーメン〈せたが屋〉へ行くことに。妹、明日には日本なのにしつこく和食を食べさせられて哀れなり。まあ一人でラーメン屋に行くこともないだろうからいいだろう。去年の冬に来たときはとんでもなく並んでいたし、しかも塩しかなく、温盛りさえ可能か分からず辛い思い出しかなかったが、今回はがらがらだった。しかも醤油や二郎インスパイア系までメニューにあるし温盛りも可能! 私は二郎系をチョイスするも、なんだか塩気が足りない。昨年から塩気が足りないと思うことが増えたが、なぜかは分からない。大丈夫か、私。


帰りにタイムズスクエアに立ち寄る。初めて来た! まるっきり新宿東口であった。お上りさんだらけで安心。



▼2/28

妹を見送りに朝からJFKへ。日曜であったために通勤ラッシュがなく助かった。セキュリティポイントの奥に消えるまで私たちはずっと眺めていたが、対照的に全然振り返らないで行ってしまう妹。切ない。

さて、自由行動タイムである。NYCだし、まあ一応は…とメトロポリタン美術館へ。ガイドブックでチラ見していたエジプトの神殿をまるまる移築したところが楽しみであったが、本物を目にしたらやはり壮観だった。ギリシア神殿風の円柱の上部にそれらしい飾りもあって、文化の融合に思いを馳せたなぁ。西洋絵画も多くあったけど、あまり印象に残っていない。

夜にブロードウェイでミュージカルを見ようと、当日券を安く売るtktsのためにタイムズスクエアへ再度向かうのにセントラルパークを歩くことにした。この前々日に降った大雪が残っていて、丘では子供達がそり滑りを楽しんでいた。中には大人も混ざっていたが…。雪だるまもたくさんあった。セントラルパークのスケート場はとんでもなく混んでいて、人口密度的にボストンコモンは全く叶わないと思った。でもいいもん。

で、やっとtktsに到着。夜公演分は15時からの売り出しで、15:10に到着したらすでに行列ができていた。列の前にいた人はチケットが売り切れの憂き目に遭っており、妹大絶賛の「In The Heights」はどうかと思ったがあっさり半額で購入できた。前の人は何を買おうとしたんだろうか。

夜公演の7時まで時間ができたため、マンハッタンを南下してブルックリンブリッジを見に行くことにした。あの吊り橋が点灯した風景はよく見るが、その橋を渡っている渦中には見えないよなぁ。橋の最寄り駅のあるNYC市庁舎の建物が立派で、むしろそっちに度肝を抜いた。

この日も翌日も日中は温かかったけれど、日が陰ってくるとだんだん冷えてくる。況や橋の吹きさらしをや。

もう寒くて仕方ないので、劇場側のタイムズスクエア付近まで戻り、その辺のカフェでコーヒーを飲んで時間をつぶしながらもNYCは物価が高いなぁと思うのであった。で、会場へ向かうと行列ができてる! チケットは全席指定なのになぜ並ぶのか。謎だ。

「In The Heights」はラテン系の音楽でダンスと照明がすごいと妹から聞いていたこともあって、ストーリーはついていけるかなぁと不安だったけれど、すごくおもしろかった。前半から幕間まで気を休めることなく進んだし、後半は一瞬かと思うほどあっという間だった。ところどころ聞き取れず分からないところもあったけれど、それを補って余りあるステージの迫力よ。途中、花火大会のシーンがドラマチックで少女漫画を読んでいる気分になった。ああいうときめきを感じるのは久しぶりだったなぁ。あのシーンだけまた見たい。主役の人はダンスがヘタクソという設定だったが、映画「High School Musical」で踊れる役で出ていたとおり、下手なのに上手に見える不思議。彼のラップもよかったなぁ。

このあと、日本人街のグリニッジビレッジへ移動して焼き鳥を食す。キリンのビールは苦かった。

▼3/1

野球フリークの夫の希望で新生ヤンキーススタジアムへ行くことに。どうにかして中をのぞけないかなーとうろうろしていたら、チケットブースが開いている。尋ねてみるとスタジアムツアーを開催しているらしい。$20/人の高さに悩みもするも、思い切って参加することにした。

ツアーは約1時間。新しいだけあって、過去のワールドチャンピオンになったときのトロフィーや著名な選手のサインボールが飾られたミュージアムや、永久欠番の選手の碑などもあって、通常の試合中でもいろいろ見られて楽しそう。まあ実際、試合中はそれどころではないけれど。そして、このツアーのハイライトは、ヤンキースのベンチとロッカールーム! まさかそんなところへ入れるとは。私はミーハーなので、こういうのはかなり嬉しい。大学生の時に裁判所見学へ行った際、裁判官席に座らせてあげると言われて真っ先に乗り込んだ私。尻込みするみんなが控えめだなーと思ったもんだ。とにかく、そんなわけでベンチはかなり興奮した。ベンチの裏側にある屋内の打撃練習場を見ながらロッカールームへ移動したが、ここは写真一切禁止。選手の私物があるためにプライバシーにかかるらしい(代わりにミュージアム内に再現してあった)。ロッカーってやつはよくある金属製のあのロッカーではなく、まるでオフィスの給湯室にあるような機能的なシェルフであった。しかも一人ずつテレビが付いている。ジーターは二つ分占領していると言う。ヤンキースの歴史の解説も簡単ながらしてくれるので、野球にあまり詳しくなくとも楽しめるツアーであった。


昼食には、トラベルチャンネルの大食いテレビ番組「Man vs Food」でも採りあげられた〈Katz's Delicatessen〉へ。超有名店で歩き方にも載っている。パストラミサンドイッチとコンビーフサンドイッチを食す。スパイスがやさしく、肉の脂がとろけるおいしさだった。付け合わせのガーキンピクルスも浅漬けでこのがつんとくるハムに合っていた。食べきれず持って帰ったコンビーフサンドイッチは冷めるとまた味が変わり、何度も楽しめる。妹を連れてきてあげたかったなぁ。

で、SoHoを通り抜けるつもりで手前のNoLitaを南下し、China Townを経由して再びNYC市庁舎付近へ。今日は裁判所めぐり。と言っても外観のみ。NYSは州の裁判所さえ大きくてびっくら。連邦裁判所は改築中であった。こっちはボストンが勝ったかもしれない。

Penn Stationに戻り、18:50発のバスでボストンに戻る。バスの到着場所がSouth Stationに変更になり家から遠くなったのがつらい。途中で降りられればいいのになぁ。日付が変わるころ帰宅。おつかれさまでした!