28.12.09

起きたら15時だった

13時くらいだと思ったのに……。

午前3時まで起きていても、まだ12時間しか活動していないのか。

27.12.09

完全に冬眠モード

来週の月曜から10日間ほど出かけてくることもあって、今週は水曜以外は家にこもって過ごしている。冬眠のため巣にもぐっている熊のようだ。ニューオーリンズでの食べ過ぎの反省から粗食にしていて買い物にも行っていない。白菜とキャベツは長持ちする上、一玉の量が多いからから助かる。

ちょっとした気まぐれで15時過ぎから近所を散策しに出かけた。タイやインド、台湾、韓国などの学生向けの安い飲食店やブラジル系の食料品店など、学生街と移民の需要に応えた商店街があるのだ。こういった質実剛健な街はかなり好きなのだが、あまりに家から近すぎてかえって足が遠のいていたのだった。各店舗を眺めながら歩くと、ちらほらと「Best of Boston」のサインを見かける。地域誌〈Boston Magazine〉が一年に一度発表する賞は結構参考になる。メニューを見るとかなり安価だ。しかも現地風っぽい。こんな楽しそうな所、もっと早く来ていれば良かったなぁ。

台湾のパン屋で抹茶のロールケーキとあんパン、挽肉の総菜パンを購入。甘いパンは日本で見かけるものとあまり変わらないようだが、総菜パンは肉の繊維がひげのようにパンから溢れていてかなり台湾だ。その後、ベトナム料理屋で春巻き、フォー・ボー、チキンのレモングラス炒めを食す。フォーはうっかり大盛りにしたら、凶悪なほどの量の米麺が牛のリブアイ・すじ・蜂の巣等、様々な部位の牛の出汁スープの中に隠れていた。出汁のベースは上品で非常においしかったが、夫には牛のクセが気になった様子。私は全然気づかなかった。フォー・ガー(鶏肉入り)の方が無難かもなぁ。日本でよく食べたのもフォー・ガーだったように思う。

パン屋もベトナム料理屋も、これまでのボストン生活からしたらめちゃくちゃ安かった。学生街+異国の店ってのが利いてるのか。帰り道にドラッグストアで散財した額の方が高くなってしまった。クリスマス明けでチョコレートが軒並み安くなっていたからついうっかり。これでまた保存食にはしばらく困らないだろう。

行き帰りに家の裏の公園を通った。あえて雪かきしていないところを通ったら、溶けた雪でぐしょぐしょになってしまった。このどろどろをslushって言うらしいよ。で、車がslushを踏んづけて音を鳴らすのはsplosh。どっちもあのどろどろを踏みつけた音からきているのか、オノマトペだ。英語にもあるなんて知らなかったなぁ。日本語に特有なのは擬態語だったっけか。

雪が溶けて少し土が見えているような状態の林は遠目に見るとモノクロが美しい。日が落ちた後で街灯が弱々しく辺りを照らしていると尚良い。とか考えてながら、枕草子や和歌なんかを読み返したくなった。

23.12.09

クリスマスシーズンのおたのしみ

12月2週目くらいから、Boston Popsの冬のコンサートシーズンが始まる。〈Holiday Pops〉というタイトルで、クリスマスにちなんだ曲を楽しむコンサートだ。Boston Pops Orchestraと夏のTanglewoodから練習を重ねている市民合唱団が一緒になって演奏する。しかも今回は、1階席はいつもの座席を全部取っ払ってテーブルを設置し、お酒を飲みながら鑑賞することも可能。だが、まあそれは必要ないかなと思って2階席のチケットを買った。8月の終わりには申し込んでたよ。何とも気の早い話でした。観客は3代揃っておめかしして来ました! という感じの家族連れが多かった。

曲目は、クリスマスの童謡のメドレーやイエスの生誕にまつわるエピソードの朗読を交えながらの賛美歌など、いろいろ聞けてよかった。とは言っても、クリスマスの定番曲でも知らない曲もあり帰ってから調べたりもした。特に「12 Days of Christmas」は、周囲がどっかんどっかん受けているようなアレンジだったのに、原曲はわからず、歌詞も聴き取れずでその世界に入っていけないのが悔しかったなぁ。Queenのボヘミアンラプソディーからフレーズを借用してたり、結構フリーダムなアレンジではあった。そして先日、おもしろいと思って購入したクリスマスカードの絵柄がまさにこれであった。

歌詞ははっきり言って無意味だ。クリスマスの翌日から12日間に毎日一つずつ何かが増えていくみたいな歌で、日本でいう数え歌が近そう。1月は正月で酒が飲めるぞー的なのにも親近感を覚える。宗教的には12日目の1/6はイエスが三賢者Magiに祝福を受けた日として、特に東方教会では12/25よりも1/6の方が重要という。ちなみにアメリカは1/6は祝わない。それどころか、クリスマス商戦として12/14からの12daysだとか間違ったことを堂々と主張する人たちもいるらしい。アメリカってほんと敬虔な人がいる一方で、そんな原理主義者に刺されそうなことを言う人もいて、不思議な国だなぁ。

せっかくおめかししていたので食事をして帰ることにした。フレンチの〈Petit Robert Bistro〉だ。ここはフランス人シェフがアメリカ人に正しいフレンチを出してやろうと開いた店、だけどビストロ、と聞いたらもうはやる心は抑えられないね。しかし、アメリカでテーブルにクロスがかかっているようなレストラン(でもここはビストロ)で食事をするのは2度目か? 非常にまれ。でもこの店はメインがおおむね$20以下というすばらしく安い店だ。ビストロと標榜しているだけある。アルザスワインを一本と、前菜には白身魚のムースにロブスターソースをかけたもの、メインは鴨のコンフィ、デザートにタルトタタンを食す。ロブスターソースとコンフィの出来が最高だった。コンフィは正しく調理するとこうなるんだろうなーと想像したもののままで、低温の油でじっくり揚げてあるので肉の身はほろほろだが表面はかりかりだった。コンフィは家庭でも作れると思うのでいずれやってみたいなぁ。実にまっとうなフランスご飯であった。こういう家庭料理が自分でも作れたらいいなと思う。

20.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その3(完)

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/20 Sun

この日はレンタカーを借りて近隣の自然保護区へ出かけようとわくわくしていた。

にもかかわらず、免許証を忘れた…。

湿地や沼地、湿原の風景が好きで、去年のフロリダ旅行で感動したサイプレスなどがまた見られると、すごい楽しみにしてたのに、忘れた。国際免許証を初め、日本の免許証も、先月加入したAAA(JAFみたいなロードサービス)のカードも全部忘れた。

まるまる1日空いてしまったので、動物園へ行くことにした。〈Audubon Zoo〉だ。結果としてこれがすごくよかった。移動するのにストリートカーに乗れたし、停留所から動物園まで続くAudubon Parkは芝生の広がる美しい公園だった。動物園自体も、展示コーナーが各動物の原産地のような雰囲気になっている。アジアゾーン、メキシコゾーン、ミシシッピ近隣ゾーンなどなど…。とは言え、暇そうな動物たちを見るにつけ、なんとなく自分と重ねてしまった。

この日のご飯
  • 前夜に購入したシリアルバー。初めて買ったけど、普通のシリアルよりおいしいんじゃないかと思った。
  • 動物園内で軽食。チーズバーガー、チキンフィンガー、グリルチキンサンド、フレンチフライ。ここはハンバーガーの野菜は自分で持って行く式だったのがよかった。ここぞとばかりにレタスとトマトとピクルスを挟んでおいた。グリルチキンがぱさぱさでなく、普通に食べられることにびっくり。ファストフードまでとは、ニューオーリンズ、恐るべし。
  • 〈Crescent City Brewhouse〉にて生牡蠣1ダースとカラマリフライ×2。クラッカー+生牡蠣+トマトとホースラディッシュは勝利の方程式。生牡蠣は時間がたつとAcmeのすばらしさに気づく感じだったような。この日は牡蠣の揚げたやつが食べたかったのだけど、この店はイカのフライしかなかった。ひどい。でもイカフライを二度注文したら牡蠣フライへの情熱は冷めてしまった。ビールはAbitorの方が断然おいしい。
▼12/21 Mon

飛行機は16時の便であったので、最後のご飯もフレンチ・クウォーターで。〈Fluer de Lis〉は朝ご飯にオムレツ、ランチにパニーニを食べろとホテルの部屋のガイドブックに書いてあったし、だいたい店名からしてフランスに傾倒している私にはどうしても行きたい店であった。ブランチの時間に到着したら、狭い店内はほぼ満席! よく分からないまま、メニューに※印が付いていたOmelette Fluer de Lisを頼んだら、オムレツのザリガニソースかけが出てきた。ふわふわの卵の中にこれでもかと言うほどのタマネギとピーマン、バターの香り高いソースにたくさん見える赤い身…。フランス系ニューオーリンズ朝ご飯としては完璧です。ザリガニも名物だが、ここに来て初めて食す。が、ちょっと生臭いのが気になったな…。ソースはすごくおいしかった。神。ザリガニがその味や香りを自分の身の中にだけ持っていてくれたから助かった。これが出汁となってソース中で存在を主張していたら死ねる。

食後、路線バスに乗って空港へ。特に問題なく飛行機に乗り、5時間半後にボストン着。前日までものすごい大雪だったせいかめっちゃ寒い。日中15度まで上がるニューオーリンズ仕様の薄着では、ボストンのマイナス5度に対抗できないのは自明だが、でもいけると思ったんだもん。空港から家までは、A「時間がかかるし二回も乗り換えるけど一度も外に出ない」ルートとB「スムーズに乗り換えが可能で早く移動できるけど外気に曝される」ルートがあり、22時半に到着した今回は後者を選んだが、これからの季節は絶対前者だ。でないと凍え死ぬ。

道の脇や車の上に雪がたんまり積もっていて、兵どもが夢の跡的な静けさを感じた。でも自分の車を見て翌日の雪かきが思いやられた。

19.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その2

12/17-21のニューオーリンズの旅を振り返る。

▼12/19 Sat

午前はMardi Gras Museumへ行った。

Mardi Grasとはフランス語でFat Tuesday。キリスト教に由来するイベントだ。ちらっと聞いた限りでは、2月のとある水曜から4月の復活祭まで、イエスはゴルゴダの丘に登ってつらい思いをした期間であるので、信者も節制して卵や牛乳、バターは摂取しないで過ごすらしい。この期間に入る直前の火曜は、そんなわけで乳製品を食べきらないといけない。イギリスだとMardi Grasはパンケーキデイなんて呼んで、ひたすらパンケーキとして消費する日だが、フランス由来のここでは仮装行列をするらしい。しかも、行列はMardi Grasの日の11日前から始まり、ニューオーリンズ中で55組もの参加があるとか。

で、行列はフロートと呼ばれる山車がトラクターなどで牽引され、そこに仮装者が乗り込み、観客に向かっていろいろ投げる。これはプラスチックのビーズのネックレスを初めとするグッディ、と言えば聞こえはいいが要するにがらくただ。中世のヨーロッパの行列が硬貨などをまき散らしていたのを踏襲したらしい。

このミュージアムは、そのフロートを修理したり作ったりする工房を見せてくれるところ。人が乗り込む場所は鉄製の基礎の上に木材で柱を組んであるが、装飾部は重さを減らすために平坦な発泡スチロールを水平に重ねて立体化しているらしい。作る所は職人毎にブースがある感じ。巨大なのに細部まできちんと作ってあり、そばによると圧巻だった。

このMardi Grasにちなんだお菓子がKing's cake。ケーキというよりアイジングしたブリオッシュだった。見た目こそ危険そうだが、これがまたおいしかった。ニューオーリンズいいわ。

午後はフレンチ・クウォーターに戻り〈New Orleans Jazz National Historical Park〉の事務所内で行われたクリスマスジャズコンサートを聞いた。さすがナショナルパーク管轄だけあって無料のイベントであった。すばらしいね。編成はピアノ、クラリネットおよびサックス、トランペット、トロンボーン、ウッドベースに歌手。「聖者が街にやってきた」などの定番曲を各パートのソロを交えながら約40分ほど演奏した。途中で観客が踊り始めたのにはびっくりした。アフリカ系の人のリズム感はどうしてあんなにとぎすまされているのか。日本人には厳しい芸当だ。杖をついて歩いているようなおばあちゃんさえも、脚を巧みに動かして曲にのっていた。

この日のご飯
  • 〈BACCO〉にてアーティチョークとオイスターのスープ、オイスターフライ添えフェットチーネ、カニサラダミカン添えなどを食す。ここは各席に鈴のついたリボンが置いてあり、首にかけることを推奨される。由来等は全く不明。ニューオーリンズからボストンへの帰路でこのリボンを首にかけたまま飛行機に乗ってきた人を見た。
  • 〈Acme Oyster House〉再び。生牡蠣1.5ダース、グリル牡蠣1ダースとザリガニ入りコロッケ、ジャンバラヤを食す。この日はアメフトのニューオーリンズ・セインツ対テキサス・カウボーイズの試合があり、13勝0敗のセインツが無敗のままプレーオフに進めるか否かで町中が盛り上がっていた。この店も、試合が始まると店員の牡蠣をさばく手が止まりがちになっていた。 結果、この日はセインツが負けてしまった。そのせいか、酔っぱらいの叫び声は夜中まで何度も何度も聞こえた。

18.12.09

ニューオーリンズ3泊4日 その1

12/17木-21火にニューオーリンズへ行ってきた。奇しくもこの週末は、東海岸はこの冬一番の大雪となり、ボストンからの移動の日はニューオーリンズも大雨に見舞われた。というか、この低気圧が北上してワシントンDCやNYC、ボストンで雪を降らせたのだった。ニューオーリンズはその後帰るまでずっといい天気。雲一つない青空を見るのは久しぶりだった。気温はそんなに高くなかったけど。

ニューオーリンズはメキシコ湾沿いのルイジアナ州でもかなり南寄りで、ミシシッピ川の河口近くの河岸にフランス人が入植してできた街。New Orleansは新しいオルレアンの意(オルレアン公ルイ・フィリップなんて懐かしい!)。地の利から、今でもアメリカ有数の大型港があり、漁業も盛ん。一方、河口とメキシコ湾に囲まれて海抜ゼロメートルの湿地帯が広がっているため、近年、カトリーナやアイクなどの大型台風の被害に遭ったのも記憶に新しい。そんなわけで、ここの旅行の楽しみはとにかくご飯(フレンチの流れをくむ庶民的なケイジャン料理や上流のクレオール料理、生牡蠣)とフレンチ・クウォーターと呼ばれる約1.5km四方ほどの旧市街の散策、そしてジャズだ。2月にMardi Grasという大きな仮装行列祭りもある。またアメリカ人からすれば、ここはアメフトの強豪《セインツ》のホームタウンで奇しくも今年はこの旅行前までは全勝ペースであったため、ボストンに氾濫するレッドソックススウェット以上にセインツユニフォームを見かけた。

▼12/17 Thu

一度の乗り換え、約5時間のフライトで16時頃ニューオーリンズに到着。すでに雨模様。路線バスがダウンタウンへの最も安い移動手段だが、旅行者は全く乗っていなかった。事前にバスのサイトで調べていたのよりも手前のバス停で降ろされた。雨は風を伴ってますますひどくなり、片手に傘、片手に荷物を引きずってホテルを目指すのは大変であった。なんとか到着できたけど。

宿はフレンチ・クウォーターのすぐそば。夕飯を求めて早速でかけた。夜の繁華街であるバーボンストリートを歩いてみたら、バーは多くあったけれど、それ以上に多いのがネオンのまぶしい店。ここは歌舞伎町か!と思った。嵐のためか人通りがまったくないが、これは嵐故の奇跡だったなと振り返って思う。偶然、事前においしいと聞いていた〈Acme Oyster House〉を発見し入店。生牡蠣、牡蠣のニンニクバターチーズのせグリル、オイスターフライとナマズフライの盛り合わせ、ケイジャン料理盛り合わせ(ジャンバラヤ、ガンボという名のオクラ入りスープ、レッドビーンズ、ソーセージ)、バナナフォスターパイ(バナナチーズケーキ)を食す。どれもおいしかった。アメリカ外食においては奇跡だと思った。



ボストンでもニューイングランドの生牡蠣が食べられるがなぜか塩水の味がきつすぎる。ところがルイジアナ産牡蠣は塩気を抜いており、また薬味のトマトソースとホースラディッシュを予め混ぜてあるのがよかった。これ、いつもばらばらに出てきて使いこなせなかったのだ。トマトの優しい甘みとホースラディッシュの香りがうまく混ざっていて、もう手放せない。クラッカーに生牡蠣とこのソースを載せて一口でいくのが現地の食べ方らしい。ソース、牡蠣、クラッカーの三位一体説は通説にしてもいい。

▼12/18 Fri

朝からいい天気。フレンチ・クウォーターを散策した。フレンチと言っても、カラフルな壁や縦に細長い窓は南欧、スペインっぽい。ベランダのキャストアイアンの柵の装飾が細かくて美しい。ブドウの蔓などの植物を描いているのが多かった気がする。通り名がタイルで道に埋め込んであったり、アンティークの店が多かったり、ちょっと芸術的かもと思わせる街だ。いかにも観光地。
ミシシッピ川に浮かぶ蒸気船は、ディズニーランドを思い出させた。たぶんこれがモデルなんだろうなあ。夜のバーボンストリートは、前日と違ってものすごい人出。色っぽいおねーちゃんがお店の前でなまめかしいポーズをとっていたり、ほんと、夜の街であった。

この日のご飯
  • 〈Cafe du Monde〉でコーヒーとベニエ(揚げドーナツにたっぷりの粉砂糖)
  • 〈Gambo Shop〉でガンボとジャンバラヤ。ジャンバラヤがトマトと魚介出汁のピラフみたいなものなのかとやっと判明。唐辛子のアクセントがよかった。
  • 〈Louisiana Pizza Kitchen〉でアーティチョークのグリルとアーティチョークピザ等とクレームブリュレ。このクレームブリュレは絶品だった。カスタードの甘さはちょうどだし、ラムは芳しいし、表面のカラメルはぱりぱり。もうこれ以上のクレームブリュレはないんじゃないかと思えるほどの完璧な出来だった。このためにまた旅行してもいいくらい。
 

16.12.09

夜のボストン市内

前の日のローカルニュースで、Bsoton Commonを上空からとらえた映像がとてもきれいに見えたので、きっとライトアップしてるんだろうと期待して夕方からカメラ片手に出かけてきた。

 しかし、今のデジカメはすごいね。広い範囲まで撮れる。端っこが曲がってしまうのはちょっと困るけど。


13.12.09

サイダーの季節

秋頃にリンゴの収穫期が来ると、サイダーと称するリンゴジュースがどこのスーパーにも並び始める。味は、幼い頃熱を出すと母が作ってくれたすり下ろしリンゴをガーゼで絞ったリンゴ果汁そのまま。熱々のサイダーにシナモンやクローブ加えると、寒い季節に定番のエッグノッグに並ぶホットドリンクだ。スタバでも頼める。

MA州近隣もNY州と同じくリンゴの産地だけあって、ローカルプロダクトであることを売りにした商品が多いものの、おいしい一品に出会うのは難しい。去年はついに見つけられずに終わった。ところが今年は出会ってしまったよ、Whole Foodsで買えるNew England Apple Ciderに! これは甘すぎず、皮臭さも少なく、飲みやすい。アメリカだけあってやっぱ皮も一緒に処理してるんだろうなと思われるサイダーは多い。しかも、ふじや王林などの日本のリンゴと違って、こっちのリンゴは皮が厚く苦い。

問題はWhole Foodsにはあんまり出かけないことと、出かけても買うのを忘れること。2回買い忘れて、3回目にやっと購入できた。我ながら忘れっぽくて困る。メモを冷蔵庫に貼っておいても、そのメモを忘れたりね。

サイダーと言えばイギリスではリンゴの発酵に任せたアルコール飲料だ。フランスのシードルcidreと同じ。そういえばこのあいだの渡英時に飲んだやつは、フランスのよりアルコール度数が高かった。海を渡ったアメリカでは、アルコール飲料のサイダーはhard ciderだ。地域によって少しずつ違うのが興味深い。

洋梨のタルトをもう一度焼いた。うちのオーブンはどうやら設定温度よりも実際の温度が低いらしく、なかなか焼けきれない。前回はタルト台の下の部分が生焼け一歩手前だったのでそのリベンジをと、時間を延長したら今度は焼きすぎて縮んだ(型とタルトに隙間があるのがわかる)。オーブン用温度計が必要だ! それにしても洋梨のタルトは洋梨の並べ方が難しいなぁ。センスのなさが見て取れる。放射状に置いておけば良かった。ぐるっと円上に並べたかったのだが、なぜか直線状になってしまったのだ。なぜだ…。

9.12.09

フープロ餃子 雑感

年がら年中冬休みではあるが、12月に入るといつも以上に気持ちが緩んでくる。雪や霙を言い訳にして、いつも以上に引きこもっている。家最高。

フープロで餃子製作を敢行した。豚挽肉とキャベツを500gずつ、薬味にネギ・生姜・ニンニク・を適量といつも通りの調味料を投入。約70個分。肉以外は全部フープロで処理した。キャベツとネギはみじん切りに、生姜とニンニクはすり下ろし。そんでもってキャベツは布巾にくるんで絞って水気を切った。結果、具が細かすぎて売り物に近くなったがジューシーさが減った気がする。

キャベツか白菜かで水分量も違うが、手でみじん切りすると自分の能力の限界が自ずと出てきて、餃子の中に包むにはちょっと大きいなと思うような欠片も出てくる。が、餃子として食べると、この不揃いな欠片がいいアクセントになっていたんだなぁと思う。フープロで全部一様の小ささになっているので、舌触りのつまらなさというか、物足りなさを感じる。よく言えば、今回は舌触りなめらかな上品な出来であった。

こうなると餃子の皮は薄めがいい。タネに対して、餃子の皮の主張が強すぎる。ご飯のおかずにならない。皮の手作りはまだ手が出ないので買うとなれば、中国様式の上海風か香港風、あるいは韓国産となる。皮の厚さでは、韓国>上海>>>>香港。香港のは黄色の薄い皮でまるでワンタン皮。上海はさすがに水餃子様式って感じ。それを上回る韓国の分厚さよ。で、今回のは韓国産でした。宇都宮のホワイト餃子を思わせる厚さ。高田馬場の〈成都〉の大きな餃子も皮が厚かったが、それにもましてタネのインパクトが大きいからなぁ。大きいし下味も強い。タネと皮のバランスなんて考えたこともなかったので、いい経験になった。

次回はフープロ使用の白菜餃子だ。

6.12.09

ついに雪が降ってきた

換気用に3cmほど開けておいた窓から入ってくる空気がやけに冷たいと思ったら、雪が降っていた。一昨日の予報ではみぞれだったのに、雪になってしまった。来週はおおむね摂氏5度から氷点下を行き来する模様。外に出られない季節がやってくる…。

先日買った掃除機ルンバを動かしてみた。聞いていたよりも壁や家具への衝撃は小さく、ラグやマットも固定されていれば、多少厚くとも乗り越えられる模様。また、部屋が狭いにも関わらず同じ箇所を繰り返し掃除する一方、殆ど行き来しない所があったり、床に触れている電源ケーブルを巻き込みそうになったりするため、稼働時には床に置いてあるものを極力減らす必要がありそうだ。それを除けば、低いソファーの下にもちゃんと入り込むし、部屋の角にぶつかると2,3度その近辺をうろうろして四角い部屋もおおむね四角く掃いている様子で、予想以上に役立ちそうだ。ゴミ取りとブラシの掃除は使用後毎回行う方がよいが、今使っている掃除機も同様にパック式ではなく手で取り除く式なので、慣れていればそんなに手間じゃない。またフィルターを2ヶ月に1度交換する必要があるが、デフォルトで余剰に3枚ついてくるし、買うならば3枚で定価3000円、実勢1200円でまあそんなものかなという印象。

自動で動くものを見るなんて滅多にないことなので、ルンバの作業中はすっかり見入ってしまった。イスの脚にひっかかって必死にすり抜けようとしている時や、厚みのあるラグに一生懸命乗り上げようとしているのを見ながら、なんというか、子供の歩く練習を見ているような気分に陥った。

もう一つ、フードプロセッサーも使ってみた。一度、注文し逃した商品がまたアマゾンに登場したので、今度は逃すことなくぽちっとしたのだった。CuisinartのPrep Miniというやつで定価$60のところ$29。3カップという低容量に加え、みじん切りと粉砕機能しかついていないゆえの安さだが、みじん切りと包丁とすり鉢でつみれを作るのが面倒で仕方ないための導入なので、スライス機能は惜しかったけどまあいいや。初のフードプロセッサーだし。使用感から、この機械はフードプロセッサーよりもむしろチョッパーと呼んだ方が正しい気もする。

タマネギをみじん切りにしてみた。スイッチ入れたら、何これ、早っ! と呆然とした。3秒ずつ3回ボタンを押して、蓋を開けて中身をぐるぐる混ぜて、もう2回、3秒ずつボタンを押したら、めちゃくちゃ細かいみじん切りができた。これまでの苦労は何だったんだ…。ちょっとボタンを長押しするとあっという間にタマネギが液体になるな。危ない。またさすが3カップという小ささだけあって、拳一個半程度の大きめタマネギは8等分して1/2個ずつでないと投入できなかった。二人暮らしの今だから間に合う感じ。

しかしこれは簡単だ。感動した。買って良かった。餃子を作るのにも白菜のみじん切りに活躍しそう。白菜の処理が一番面倒なんだよなぁ。機械よりも包丁で切った方が良いとは言うけど、味の違いがどこまで出るか今度試してみよう。

4.12.09

元気になると、それまで何で辛かったのかがわからなくなる

朝起きたら、それまで数週間悩まされてきた鬱屈した気分が消えていた。前の晩、早くに寝付けたこともあって寝覚めもすっきりしている。なんだこれ。心も体も軽く、ESLへ行くのに家を出る10分前にコートまで着込んじゃって用意万端。授業でも絶好調で、終わった後に友人と昼ご飯を食べていると、今日は目が大きいとまで言われた。目がらんらんとしていたのかもしれない。

夕方に美術館で常設展のツアーがあるとのことで、休みの夫に昼から町中へ来てもらって散策。ボストンで有数の山手地域であるビーコンヒルでクリスマスカードを物色後、立ち寄った〈Cafe Vanille〉にてボストンクリームパイを食す。ボストンと名の付く洋菓子だが遭遇したのは初めて。中身はカスタードクリームとスポンジの層になっているケーキであり、特筆すべきはその割合。日本で食べる100円のショートケーキはスポンジの合間にうっすいクリームが挟んであるものだが、そのスポンジ対クリームが逆になっていた。めっちゃクリーム。超クリーム。ただひたすらクリーム。まあでも、カスタードクリームはラムが利いていておいしかった。その後もカロリー消費のために町中のクリスマスツリーやツリー用の生木を売っているのを見ながら歩き回っているうちに、夜にはボストンコモンにてボストン市主催のクリスマスツリー点灯イベントがあることを知る。美術館に行くには少々疲れてしまったので、イベントを見て食事をして帰ることにした。



ボストンコモンにはイベントの舞台とその後ろに大きなツリーが設置されていた。その周りではエッグノッグやらチーズやらコーヒーやらジュースやら試供品くばりまくり。おいしゅうございました。 イベントは予定では6時開始とのことだが、なかなか始まらない。しかも話によると7時からローカルテレビで生中継するらしい。ということは、ツリーの点灯は8時近く…? ご飯を食べに移動しようとしたところで、舞台に人が出てきて続々とクリスマスソングを歌い始めた。まあどうせオープニングアクトあるいは前座だろうと思いながら移動。

中華街でいつも行列の出来ている店〈南北風味 Gourmet Dumpling House〉へ。6時半というのに店内は満席で店外で待っている人も。それでも中華は回転が速いため、10分ほどで入店できた。周りのテーブルを見渡して人気メニューっぽいのを推測し頼んでみた。小籠包、空心菜炒め、挽肉煮込みのせご飯、そして四川水煮魚片。いざ食すと、どれもこれも本格派であった。全然アメリカ化されてない。そういえば客は殆どが中国人っぽかった。量も多く、久しぶりに正しい中国料理を食べた気分。おいしかったが二人には量が多すぎて食べきれず。今回初めて水煮というものを食べたが、これは四川では非常にポピュラーな料理で、ラー油、豆板醤たっぷりのスープに魚や肉、野菜を入れて煮て、さらに山ほどの唐辛子と花椒をかけてできあがり。真っ赤な丼は見た目こそかなり凶悪であったが、めちゃくちゃ辛いわけでもなくおいしかったなぁ。また来たい。

7時45分頃にボストンコモンに戻ると、まだクリスマスツリーが点灯していない。やはりテレビ用に最後まで引っ張るつもりか…と待っていたら、突如花火が上がり点灯した。花火好きのボストン。

で、帰宅後、南北風味のメニューを見ながら中華料理に思いを馳せ、たまたまたどり着いた台湾旅行記(もちろん食事目的の)ウェブサイトなんかを食い入るように読んでしまい、ちょっと中国語の勉強がしたくなった。が、それまでまったく興味のなかった中国語にもかかわらず、こんなに興味が出てきた理由が「ご飯」だなんてと、ちょっと自分のいやしさが切なくなった。

2.12.09

たった数ヶ月前の気持ちが思い出せない

今週から真人間に復帰した。が、まだ後手後手になっている気分。うまくいっているときは、例えば学校ならば、ちゃんと予習して、授業で半ば復習して理解を深めて…とまるで波に乗っているような気分になるのだが、今は完全に後ろから追いかけている状態だ。8月の終わりから9月にかけて夢一杯で各講座に申し込んだはずなのに、今となってはどのような動機があったかもはっきりと思い出せない。

3週間前からそれまでずっと飲んでいた薬を止めている。というか、飲み忘れたために一時休薬する羽目になった。ホルモンの調整剤のために、それまで安定させていた状態がそうでなくなり、体も気持ちも調子が整わないのかもしれない。昨日なんてイライラの度が過ぎて、この世の滅亡を考えてしまったくらい。また今日から飲み始めたので、1,2週間もすれば元に戻るだろう。そろそろ来学期の予定を考えないといけない時期だけど、もうちょっと調子を見るかって感じ。

今日は夕飯にお好み焼きを作った。キャベツを粗みじんに切ってから余っている中華麺のことを思い出し、広島っぽくしたくなったのだけれどあっちのキャベツは千切りなんだってね。で結局、堅焼きにした麺の上にパンケーキ型のお好み焼きを載せてみた。できあがったハイブリッドお好み焼きは時代を先取りしすぎた感じ。成長盛りの子供たちにはボリューム的な意味でいいかもしれない。おたふくソースとマヨネーズのマリアージュ(笑)は神。

うーん、今日の日記もなんかイマイチ、冴えないなぁ。 こういうときこそ、草枕とか徒然草とか読んで浮世離れした気分になりたい。でもどちらも今は手元にないので、Copleyの図書館から借りてきた山川の世界史Bの教科書を開いて寝るとしよう。