4.12.09

元気になると、それまで何で辛かったのかがわからなくなる

朝起きたら、それまで数週間悩まされてきた鬱屈した気分が消えていた。前の晩、早くに寝付けたこともあって寝覚めもすっきりしている。なんだこれ。心も体も軽く、ESLへ行くのに家を出る10分前にコートまで着込んじゃって用意万端。授業でも絶好調で、終わった後に友人と昼ご飯を食べていると、今日は目が大きいとまで言われた。目がらんらんとしていたのかもしれない。

夕方に美術館で常設展のツアーがあるとのことで、休みの夫に昼から町中へ来てもらって散策。ボストンで有数の山手地域であるビーコンヒルでクリスマスカードを物色後、立ち寄った〈Cafe Vanille〉にてボストンクリームパイを食す。ボストンと名の付く洋菓子だが遭遇したのは初めて。中身はカスタードクリームとスポンジの層になっているケーキであり、特筆すべきはその割合。日本で食べる100円のショートケーキはスポンジの合間にうっすいクリームが挟んであるものだが、そのスポンジ対クリームが逆になっていた。めっちゃクリーム。超クリーム。ただひたすらクリーム。まあでも、カスタードクリームはラムが利いていておいしかった。その後もカロリー消費のために町中のクリスマスツリーやツリー用の生木を売っているのを見ながら歩き回っているうちに、夜にはボストンコモンにてボストン市主催のクリスマスツリー点灯イベントがあることを知る。美術館に行くには少々疲れてしまったので、イベントを見て食事をして帰ることにした。



ボストンコモンにはイベントの舞台とその後ろに大きなツリーが設置されていた。その周りではエッグノッグやらチーズやらコーヒーやらジュースやら試供品くばりまくり。おいしゅうございました。 イベントは予定では6時開始とのことだが、なかなか始まらない。しかも話によると7時からローカルテレビで生中継するらしい。ということは、ツリーの点灯は8時近く…? ご飯を食べに移動しようとしたところで、舞台に人が出てきて続々とクリスマスソングを歌い始めた。まあどうせオープニングアクトあるいは前座だろうと思いながら移動。

中華街でいつも行列の出来ている店〈南北風味 Gourmet Dumpling House〉へ。6時半というのに店内は満席で店外で待っている人も。それでも中華は回転が速いため、10分ほどで入店できた。周りのテーブルを見渡して人気メニューっぽいのを推測し頼んでみた。小籠包、空心菜炒め、挽肉煮込みのせご飯、そして四川水煮魚片。いざ食すと、どれもこれも本格派であった。全然アメリカ化されてない。そういえば客は殆どが中国人っぽかった。量も多く、久しぶりに正しい中国料理を食べた気分。おいしかったが二人には量が多すぎて食べきれず。今回初めて水煮というものを食べたが、これは四川では非常にポピュラーな料理で、ラー油、豆板醤たっぷりのスープに魚や肉、野菜を入れて煮て、さらに山ほどの唐辛子と花椒をかけてできあがり。真っ赤な丼は見た目こそかなり凶悪であったが、めちゃくちゃ辛いわけでもなくおいしかったなぁ。また来たい。

7時45分頃にボストンコモンに戻ると、まだクリスマスツリーが点灯していない。やはりテレビ用に最後まで引っ張るつもりか…と待っていたら、突如花火が上がり点灯した。花火好きのボストン。

で、帰宅後、南北風味のメニューを見ながら中華料理に思いを馳せ、たまたまたどり着いた台湾旅行記(もちろん食事目的の)ウェブサイトなんかを食い入るように読んでしまい、ちょっと中国語の勉強がしたくなった。が、それまでまったく興味のなかった中国語にもかかわらず、こんなに興味が出てきた理由が「ご飯」だなんてと、ちょっと自分のいやしさが切なくなった。

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