27.11.17

今日は18度

黄色の樹冠を支える黒い腕。

雨が来る前の束の間の小春日和だ。自転車をこぐと、ジャケットの前合わせの隙間から入り込む風が冷たいと思ったのは初めだけで、目的地に着く頃には少々汗ばむほどだった。天気がいいからか、繁華街の人出も多い気がする。車道の左までいっぱいに幅寄せする自動車を避けて,歩行者に心の中で頭を下げつつ歩道に乗り上げた。いつもより注意を払って、右向かいから歩いて来る人に道を譲ってこちらは左前方の人に追いつかないよう、かつ漕ぐ足が止まらないように進む。全体の道のりからすればほんの少しの間だけれども、全行程に匹敵する精神的疲労がある。

この街はいつもこうだ。ひとところに都市機能が詰まったコンパクトで便利な街は、そこに収まらないほどの人口を抱えている。

25.11.17

一年

前回の投稿から一年が過ぎてしまった。早いもんだ。あれから冬が来て,春が来て,九州に再上陸して,西の大都会生活を思いのほか楽しみながら半年が過ぎた。

ここ一年程,添削のバイトを続けている。慣れない頃は何度か指導も入ったが,今期はいい出来だったようで金一封までもらってしまった。ボーナスもうれしいが,それよりも自分を評価されるのがもっとうれしい。親としての自分でしか社会とのつながりがなくなって早6年,今ようやく自分自身の何かを取り戻そうとしているように思う。でも,子供がいないままにこういった評価を得られたかと思うと,それはわからない。関係なかったかもしれないし,あったかもしれない。ただ,今の環境でなければ添削など始めようとは思わなかっただろうから,その意味では親である自分を忌避することもないのだろう。

いつの間にか袖口から入り込む冷たい空気に触れて,自然と肩に力が入る季節になった。でもしばらくは,丸めそうになる背中を意識して伸ばして歩いて行ける。