19.10.09

イギリス一週間 その1

イサカからイギリスに行ってしまった友人一家を訪ねて6年ぶりの渡英と相成った。ついでにエジンバラも行くことにして。

▼10/9 Fri & 10/10 Sat

19:45ボストン発。Virgin Atlantic Airlineは私がかつてイギリスに行ったときと同じ飛行機だ。相変わらずアイマスクやボールペンなどのおまけをくれるのが嬉しい。ノスタルジック。飛行時間は7時間ほどであまり寝られないままに7:20ロンドン着。

入国審査はスムーズにはいかなかった。女性一人旅は疑わしいのかね。夫はいないのか、エジンバラに電車で行くなんて酔狂だ、みたいな感じでいちいち眉をしかめられてしまった。こちとら1週間後の帰国便も購入済みなんだよ! ということで、e-チケットのプリントを見せてやっとスタンプを押してもらった。ほんと疲れた。

イギリスっぽいカラーリング
その後、地下鉄でユーストンまで移動し、Virgin Trainに乗ってエジンバラまで5時間弱。乗り換えのプレストン駅はランカシャーの入り口で、駅内の装飾がバラをかたどっていてかわいい。そういやばら戦争ってのあったな。おおよそすべての乗車を寝て過ごし、気がついたらエジンバラ駅に到着。街を見がてら、宿まで約20分の道のりを歩いて移動。

ほらランカスターは赤いバラだった
今回、PCは持ってこずiPod touchで乗り切るつもりだった。宿はWifi完備でわくわくしてつなげ、明日のために充電を…と充電器のプラグに変換アダプターを刺そうとしたら、ささらん! プラグは横に長く、アダプターは丸形に出っ張りがある。帯に短したすきに長しで、プラグの歯がアダプタにはまらないのだ。恐ろしいことに、今回時間を確認できるものはこのiPodしかない。ということで、あんまりネットは使わないように、常に電源オフ、音楽なんてもってのほか! なんて切ないことになった。ちなみに携帯は国際通話ができないタイプで、こちらも充電ケーブルを忘れた。電池の消耗が激しい携帯のため、ボストンに帰り着くまで電源オフでお蔵入りとなった。

部屋はかわいい感じ。紅茶とミルクが常備されているのが嬉しい。夕食には宿の近所でインドカレー屋を見つけ、ラムビリヤニを食す。この日は日が変わる前に就寝。

▼10/11 Sun

8:30起床。宿は朝食付きのゲストハウス。イギリスらしく、オーガニックとフェアトレードに気を遣ったフルーツやヨーグルトの他、いわゆるイングリッシュブレックファーストが供された。ベジタリアンミールを選んだら、専用のソーセージはあっさりしていて良かった。

エジンバラはスコットランドの首都みたいなところで、王城があり、中世より栄えてきた街。観光の名所はエジンバラ城址と現在のロイヤルファミリーも滞在するHolyrood城、両者をつなぐ中世の街並みが飾る道ロイヤルマイル。ここに見られる無数のおみやげ屋は、いずこもキルト・タータンチェック・ウールやカシミヤで溢れていた。Holyroodの裏手には荒野が!! 中世の街並みの後ろに突如見える荒野ってのは、奇妙だ。その一角だけ保存してあるわけだが、やっぱおかしいよ。

エジンバラ城は朝から大盛況。オーディオガイドを借りて3時間ほど滞在してしまった。時計がないと時間の進み方が分からなくなる。エジンバラ城の現存する建物の歴史は12世紀ほどまで遡れるようであるが、英国史の表舞台に登場するのはイングランドに攻め込まれる17世紀からだ。ピューリタン革命の失敗の後にイギリス国王となるが、名誉革命によって玉座を追われてしまう。その前後からスコットランドはずーっと戦争状態だったらしい。グスタフ・アドルフと縁あってスウェーデン式の軍隊を採用したとか、バグパイプを演奏するパイパー隊をスコットランド軍に常設したとか、各部族を示すキルトを軍服の一部に採用したとか、とにかく説明される歴史は先の大戦までずーっと戦争にまつわるものだった。

このスコットランド旅で唯一食べたかったのはハギス。羊の臓物をそぼろ状にした料理で、東京駅の黒塀横町にあるスタンディングバーではかなりおいしかったのが忘れられず、本物を体験してみたかったのだ。そんなわけで、昼過ぎにエジンバラ城址を出てロイヤルマイルを歩くうちに「ハギスパニーニあります」の看板にとびついてしまったのだった。その店がトルコカフェであることに気づかずに。ちょっと冷静になってみれば、ハギスはパニーニにしないだろうし、添え物はマッシュポテトが定番であることを思い出しただろうに、うっかり入店。地中海東部的なサイドディッシュ(ドルマ、ヨーグルト、紫キャベツのマリネ、唐辛子の酢漬け等)に彩られたパニーニはいい経験でした。

そのままHolyroodのパレスへ。ここでもオーディオガイドを借りて見学。突き詰めて言えば「お宅訪問」をしているに過ぎなかったが、最後に展示されていたクイーンを初めとするロイヤルファミリーの写真はよかった。クイーンの若い当時はものすごい美人。そういえば邸内の解説でもクイーンの人柄が現れるエピソードが満載で、日本の皇室に対する感情と似たものがこの国にもあるのかもなと思った。

パレスの裏にある荒野にも登りたかったのだけれど、このときすでに16:00。まだまだ多くの人が登っていたけれど、車もないし遭難したら事だなぁと見送る。翌日も丸一日とれるため、ハイランドのバスツアーに申し込むべくツーリストインフォメーションへ向かった。ハイランドと言えば、谷間の湖にぽつりとある古城(要塞の廃墟みたいなの)のイメージで、そういうところへ連れて行ってくれるツアーに申し込みたかったのだけれど、大手はみな満席。やや遠出になるが、ネス湖まで行くツアーならと挑戦したら申し込めた。この手続きはツーリストインフォメーションのおねーさんがすべてやってくれ、ここで精算もできる。観光国はちがうぜ、と思った。





もう一度ロイヤルマイルに戻り、道すがら「ロイヤルマイルで一番おいしいハギス」の看板が出ているパブに吸い寄せられた。今度はパブ! 間違いない! とローカルエールとともに注文。そうしたら、見た目がなんかまた前衛的なんですけど…。グレービーソースの中に、上からタースニップのマッシュ、マッシュポテト、ハギスの層に分かれた円柱が立っている。おいしかった、おいしかったけど、なんか違う感じ…。

0 コメント: