19.10.09

イギリス一週間 その3

10/9-17に巡ったイギリス旅行(スコットランドとロンドン)を振り返る。

▼10/14 Wed

相変わらずの曇り空。正直ロンドンは友人一家に会うために来たのであって、あんまり観光目的がなかった。この日はすっかり友人に下駄を預け、コベントガーデンからチャイナタウンに抜けて、ピカデリーサーカスを経由してフォートナムメイソンでお茶を買うことになった。

私はこれまで、ロンドンには日曜の午後から夕方にかけてとクリスマスホリデイの夜にしか来たことがないので、コベントガーデンは人混みがすごいというイメージしかなかった。が、さすが平日の朝。人口密度が低くて快適快適。アロマセラピーグッズを扱うCulpeperや紅茶屋など、小さくともかわいいお店がたくさん。なんだか街行く人の格好も、襟のついているウールのコートにブーツが多く、アメリカよりもトラッド。日本人には馴染み易い感じ。

中華街では、かつてPoonsというヌーベルシノワっぽい店がはやっていて、入れないままに終わってしまったので今度こそと挑戦した。が、その場所には違う店が…。ただ、店の入り口には「昔Poonsでした」との張り紙があり、なんだろうと思いつつも入店。エビの蒸し餃子、上海風小籠包、エビとフカヒレの餃子を前菜に、エビを揚げたのをニンニクと唐辛子と塩で和えたものを注文した。いやー、ロンドンはおいしかった。このエビの揚げたの食べたかったんだー。揚げ具合もばっちり、ぷりぷりしていた。点心もどれもよかった。幸せ。

で、人混みをかき分けながらF&Mまで移動。今回、スモーキーフレーバーの茶葉を買って帰ろうと思っていて、カウンターで聞いてみるが、なんとキームンとラプサンスーチョンとスモーキーアールグレイしかないとのこと。ラプサンスーチョンはボストンの水と合わせるとどうなるか不安だったため、若干香りの優しいキームンを購入。その他よく見ないで会計したクラシックアールグレイは、茶葉が紅茶でなく緑茶であった。家に帰ってから気がついたよ。それはそれでありな味だったけれど。それに普段飲む用としてQueen Ann。ストレートでもミルクでもどっちでもいける。ストレートに砂糖を入れると、午後ティーストレート。

その後、スーパー行脚してWaitroseでCiderとSainsbury'sでTetleyの紅茶を購入。テトレーはアメリカでも買えるが、ノスタルジーから手が伸びた。しかし、やはりQueen Annを飲んでしまうとテトレーは飲めないなぁ。味が雑すぎる。ミルクを入れないと飲むに耐えん。PG Tipsの方がいいかも。

この日の晩にサイダー飲み比べ。GeymerのSomersetとDevonのラベルの付いた2本だ。いずれもローカルプロダクトらしい。Somersetは発酵臭もなにもなく、非常に飲みやすいのにアルコール度数は約5%。ちょっと危険。比べてDevonはより素朴というか、癖のある香りが鼻に残るけれどそれがまた癖になりそう。


▼10/15 Thu

この日は雲1つない青空が広がり、絶好の町歩き日より。友人がまだ行っていないというタワーブリッジと食いしんぼ的にはBorough Marketを目的に、ロンドンブリッジ付近を探索することにした。

地下鉄でロンドン塔の最寄り駅まで来ると、観光客であふれていた。すごいね、さすが大都会。平日なのに。テムズ川沿いまで降りてからタワーブリッジへ向かい、南に向かって橋を渡る。交通量が多くて少し怖い。道が狭い。

テムズ川の南岸を東に向かい、ロンドン市庁舎の脇を通りマーケットを目指す。市庁舎ではちょうどクレーン車をつかって窓掃除をしていた。窓掃除っていつまでも人が手でおこなうんだなぁ。消防車の放水じゃきれいにならないのか。あるいは、ビルの上から水を流すようにすれば良いんじゃない? とか勝手なことをいろいろ想像した。

ちょっと迷いながらもマーケットに到着。狭い区間にチーズやジャム、オリーブなどの持ち帰り品的食料と、その場で食べられるご飯を売る店が並んでいる。そしてその合間を埋め尽くす人! 観光客のみならず、その辺で働いている人もいる様子。

ここで、草をジュースにするジューススタンドを発見。小麦の新芽のようだがよくわからん。絶対苦いと思ったが、予想外に甘い。が、鼻に残る草の青いにおい。どうしてもやっぱり草だった。

人混みをかき分けて、魚屋のシーフードタイカレーを食す。あまり辛くないけれど、甘くなくおいしい。ムールやイカがごろごろしていておいしかったなぁ。ペーストはMae Ployを使っているようだったので、まあ味に間違いはないだろう。ついでに魚スープも頼んだ。こちらは魚と野菜の出汁がよく出ていておいしかったのだけど、全部砕けていて具がない。タマネギとかジャガイモを入れて食べたかった。スープはものすごくおいしかったので、そのカレーの具をこっちに回してほしいなぁと思った。

この日は帰りにM&Sに立ち寄りお土産にJaffa cakeを買う。オレンジピールが苦手だと甘いだけの実においしくないお菓子であるが、私は大好き。まあボストンでも買えるんだけどね。

夜にトライフル食べ比べを実施。3種買ってみたけど、結果は
  • Waitrose…断然リード。これが一番おいしかったなぁ。カスタードがあまりゆるくないがプリンほど堅くもない。正に絶妙。フルーツコンポートは上品な甘さ、ホイップクリームも濃厚だけど脂が気にならない。さすがだね。
  • Sainsbury's…まあ普通。
  • Danone…問題作。ジャムにプリンを重ねた感じ。ああ、これは3連のを買ってしまったよ…。
ついでに翌日食べたのも加えると
  • ・M&S…上品でおいしいんだけど、カスタードが緩すぎる。味はいいんだけど、好みはWaitroseかなー。
ということになった。
Waitoroseのトライフル、ボール版のを独り占めして食べたかったなぁ。

▼10/16 Fri

一度は温かいスコーンが食べたいよー! ということで、ケンジントンガーデンのオランジュリーカフェへ行くことにした。ランチ時は有閑マダム的な客で満席だったが、旅行者っぽい団体も。パレスの1施設を転用しているだけあって、天井の装飾やテーブルの上のオレンジのミニ鉢など、随所が光る。その割に安い気がする。ここでやっと本物のラプサンスーチョンにスコーンと、マッシュルームクリームスープを食す。硬水で入れたラプサンスーチョンには感動した。軟水だとどうしても渋みが出てしまい、スモーキーフレーバーが鼻につくほどに悪い方向への相乗効果をもたらすのだが、そういった負の部分はすべて抑えて、ミルクのまろやかさとマッチしていた。友人の茶葉の購入も可能なアフタヌーンティーもまた、硬水なのにいい香りが出ていてあっと言わされた。さすがだね。スコーンはパンに近いテクスチャだったけれど、それはそれでおいしかった。

ケンジントンガーデンの木々は少しずつ色づいていて、このイギリスの芝生が広がる庭園ていいなぁとつくづく思う。ロンドンも手狭な街なんだけど、こういう緑地をちゃんと整備して確保しているのはすばらしい。

途中で友人と別れ、この後は独りでハイドパークを抜け、Oxford Stの各種デパート行脚へ。そして待望のセルフリッジに入店してみた。なんだか日本よりラグジュアリーさが高い感じ。ただ、客層はそんなに偉い感じでもない。総合デパートだけあって、電化製品からアパレルまでなんでもあった。ここで夫の誕生日に財布を購入すべく、紳士小物コーナーへ向かおうとするも、どこにあるのかわからない。案内ブースなどもなく、20分ほどさまよってしまった。最終的にたどり着けたけど。財布と手袋コーナー担当の紳士は親切にもいくつか候補を選んでくれ、その中で手触りが一番優しかったLaunerのものを選んだ。シンプルだけどちょっとキュートなやつ、なんてよくわからないリクエストによく応えてくれたよ。いい店の接客はやっぱいいね。

私は鞄が欲しかったのだけど、なぜかそれは地下の生活雑貨コーナーでピクニックシートに化けた。もちろん、日本に持って帰るつもりで買いましたよ。数少ない、私の「日本に持って帰るリスト」に載ったもの。

ロンドンの鞄事情は、みんなショルダーバッグだ。かつてブライトンのレーンズのOlie & Nickで買ったのもカーキ色のショルダーバッグだった。大事にしていたけどイサカからボストンへ移動するときにどこかに行ってしまった。ちなみに夫には不評だった。今回持ってきたかったんだけどな。

この日は友人の誕生日だった。おめでとう。

▼10/17 Sat

14:50発のVirgin Atlantic機でボストンに戻る日。あっという間のイギリス旅行だった。友人一家の子供達もしばらく見ないうちにまた大きくなり、折に触れ感動したなぁ。お兄ちゃんはよりお兄ちゃんらしくなり、妹は赤ちゃんから女の子へ変わっていき、成長という自然現象は実に偉大だと思った。

車でヒースローまで送ってもらったが、1時間もしないで到着できた! 国際線の空港がこんなに市街地に近いなんて不思議だなぁ。

ほんと、ロンドンに来てからはこの友人一家にお世話になった。どうもありがとうございました。

私の数少ない海外経験でイギリスの影響は計り知れず、それなりにいい印象ばかりだったのだけど、今回小さな子供とロンドンを移動したり、アメリカと何かと比べたりしたら、むしろアメリカっていい国じゃないかと思えてきた。基本どこもバリアフリーだし、子供に寛容だし、水やお湯もちゃんと出るし、ヒーターも動く。アメリカって先進国だなぁと思った。道も広いし、何にしろでっかいってのはいい。店に入ったときのHow are you?も、聞かれないと結構寂しいものだ。スコットランドの荒野もよかったけど、自然から受けるインパクトはどうしてもアメリカの方が大きい。一方で、アメリカの大量消費的生活習慣が知らず知らずにこの身に染みついているのには、改めたい気持ちになった。エジンバラ初日の夜にカレーを食べたとき、ナプキンが要るか?と聞かれたのでお願いした。そしたら、はるばる席までたった一枚の紙ナプキンを持ってきてくれた。アメリカだと、こういうときは一掴み分くれるんだよなぁ。そして利用されない分はそのままゴミ箱へ行く運命だ。大体の場合は1枚で済むはずよね、と大いに反省した。

としんみりした気持ちでゲートに向かったら、まただよ、女性一人旅への疑惑の目。今度は手荷物を全部あさられた。夫へのプレゼントはセルフリッジで小さな紙袋に入れ、口をシールで閉じてくれていた。それを破って開けようとしたんだよ! それはプレゼントだからやめて開けないでーと焦ってお願いしたら、中身の口頭確認で済んだけど。この入出国に関するところだけは、実に参った。今度は誰かと来よう。

アメリカ行きの飛行機は当然アメリカ人も多く乗っていて、行きと随分雰囲気が違っていた。飛行機が平行飛行に入ると突然立ち上がりだし、好き勝手なところに集まって雑談を始めたり、子供があちこち徘徊したり、ちょっとフリーダム過ぎないかと思った。まあそんな感じもいいか、と思いながら問題なくボストンへ到着。入国も特に疑いの目を向けられることもなく、ビザとI-20の確認をされてスムーズに終了。すばらしい。

無事に迎えに来てくれていた夫と会い、プルデンシャルセンターで夕飯を食べて帰宅。

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