28.9.09

フィラデルフィア2泊3日の旅とスノパト

先日のU2のライブにて前座のSnow Patrolへの観客の反応があまりにかわいそうだったので、彼らの「北米ツアーを見てほっとしたいよー」と夫が思い立ち、いつのまにかこの週末に2泊3日の旅程ができあがっていた。

移動は往復ともバス。NYでの乗り継ぎ待ち合わせ時間も含め片道8時間の旅だ。金曜の夕方に出て、フィラデルフィアに到着するのは土曜の深夜1時。帰りは日曜の午前に発ち夕方に到着するため、現地で自由に動けるのは土曜だけ。ライブは夜8時開始のため、まる一日はある。

フィラデルフィアは東海岸でNYに次いで人口が多い。歴史的にも合衆国憲法が起草されたり、ワシントンDCが建設されるまで首都だったりと重要な都市だ。でも、今回の私的見所は映画「ロッキー」でスタローンがランニング中に登り切った美術館の丘。あのシーンでガッツポーズをしていたかは覚えていない。映画では木の上部から後ろの背景は光で飛ばしてあったので、今こうしてビルが建ち並んでいるのが見えるのには違和感がある。

この美術館は西洋美術中心で楽しかった。特に、ターナーの「国会議事堂の火事」はボストン美術館所蔵の「死人と死に瀕した人を船外に投げ込む奴隷船」と併せて不吉な印象が強まった。ロンドンのナショナルギャラリーでかつて見たのはそんなに不吉じゃなかった気がするが、ほかのきらきらした西洋絵画と比べると、この画家からは異様な感じを受ける。別館としてロダン美術館もあったが、建物改築中のため「考える人」が本館の1階ホールに退避されていた。見落とすよ。

その後、元イースタン州刑務所の見学へ。今は使われていないこの刑務所は独房が放射状に並んで一カ所から監視でき、その方法がペンシルバニアシステムと呼ばれ各地のモデルとなったらしい。しかし、囚人を孤独にさせるよりも集団で管理する方が受刑者にも刑務所としてもよいらしいぞというニューヨークシステムに取って代わられてしまったとのこと。昔はアルカポネも入っていたとか、「ショーシャンクの空」さながらの脱出劇があったとか、お化けが出るとか観光客用エピソードも満載。それにしてもアルカポネの部屋はとんでもなく優遇されていて、一般の部屋の受刑者が気の毒だった。

で、待望のSnow Patrolは狭い会場だったけれども大盛り上がりで、途中観客に合唱を求めたときの反応がすばらしかった。ボーカルの人も「こんなに歌ってくれたのはアメリカに来て初めてだ!」と喜んでいたけど、きっとU2の時と比べてたんだろうな。この日はコンサート後というのに混雑にも巻き込まれず、早く帰ることができたのが何より嬉しかったなぁ。

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