25.11.09

BSO

2週間前に思いつきで買ったBSOのチケットのコンサートへ行ってきた。Boston Symphony Orchestraという団体の演奏をSymphony Hallで聞く、といった体は初めてだ。BSOの演奏は夏のTanglewood以来だし、殆どメンバーが同じだけれども先日のBen Foldsと共演したのはBoston Popsである。シンフォニーホールの音響の良さはベンフォールズの時に十分に分かったので、てきとーにとったチケットとはいえ結構楽しみであった。何しろチケットは一人$20、破格であるよ。40歳未満ならばこの$20チケットが買える。若い人にもっと来てほしいんだろうなぁ。

そしたら、いつの間にか指揮者が交代しておりそれに伴って2曲目も変更されていた。まあ今回の目当てはバイオリンコンチェルトでソロを務めるJoshua Bellであり、そこんとこは変わりなかったのでよい。夏のTanglewoodで見たときには彼が有名な演奏者であることを知らなかったために、演奏後に握手を求めるファンの数にびっくりした。かっこいいのも人気の秘密だと思われる(写真は無断引用です)。この人、youtubeにWashington Post紙の企画で、駅の片隅で演奏したら何人立ち止まってくれるかを試した動画がある。都会は冷たいけど、さすがたくさん人がいるね、と思ったもんだ。


曲目は以下の通り。
  1. DEBUSSY Prelude to The Afternoon of a Faun
  2. STRAVINSKY The Firebird (1945 suite)
  3. BRAHMS Violin Concerto
寸感:一曲目はハーモニーが美しく響き、さすがBSOとうならずにはいられない。新緑が萌える5月の草原て感じ。二曲目はバレエのBGMを全部まとめてひとつの曲にしたもの。1946年には作曲者のストラビンスキーが自らBSOで指揮を執ったらしい。ちなみにBSOは来年、創立130年を迎える。この曲で指揮者が本領発揮 。狭い指揮者の台をめいっぱい動き回って、盛り上がりのところではジャンプした。着地後、客席がざわついたのが印象深い。直前の曲目変更のためか、一曲目に比べて和音に荒さを感じる。で、お待ちかねの三曲目はさすがブラームスと思わせる大曲。ソリストの動きの激しさに、指揮者は少しなりを潜めた様子。

クラシックこそCDで聞くのではなくコンサートに行くべきだと思う。CDの演奏はうまいけれども(市販のCDでもヘタクソなやつもあるが、それはまた別の話)、小さなスピーカーからを通すとそれだけ狭められる気がする。少なくとも家の15cm*8cm×2個のスピーカーは小さすぎる。5.1chの音響システムを使うと違うかもしれない。いいイヤホンを使うと、例えばバイオリンが右手前から、ホルンが正面から、トランペットが右奥から聞こえてくるのがわかる点でスピーカーに勝るけれども、演奏している姿が見えないのが決定的だ。その点コンサートは自分の視界一杯から音が聞こえてくるし、演奏家が見えることもあってそれぞれの楽器の音もわかりやすい。ひいては各楽器が担うフレーズが際だち曲が立体的に感じられる…気がする。

それと、クラシックでも聞いていられる曲と聞き続けるのにエネルギーが必要な曲があるとつくづく思った。旋律があってそれを補佐するように伴奏がある曲と、どこにメインのメロディーがあるのかわからない曲。前者はわかりやすいし、もしその旋律が自分のツボにくると、もう100回でも聞いていられる。その点ブラームスは偉大だと、今日の演奏を聞いていて思ったのだった。三楽章とも楽しく聞けたもんなぁ。口ずさみながら聞ける感じ。そのほか例えばブラームス交響曲1番なんてコンサートの定番だけど、定番になるだけのことはある。

好きな曲と言えば、ドボルザークの交響曲5番もそうだ。この曲はマイナーすぎてなかなかCDが売られていない。かつて2chのどのCDを買うべきかスレみたいなところでおすすめのCDを教えてもらったもんだ。ちなみに、この曲を認識したのは「のだめカンタービレ」からであった(日本編のニナ・ルッツ音楽祭で選抜オケが演奏した曲目の1つ)。いろいろ書いてきたが、きっかけはそんなもん。

0 コメント: