14.6.10

いきなり本命Redwoodとオレゴンコースト  CA・OR・WAの旅 その4

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 5/18-6/8のカリフォルニア・オレゴン・ワシントン州の旅行を振り返る
写真はこちら
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▼5/24 mon

SFのダウンタウンでレンタカーをチェックアウトし、運転が怖いと有名な市内を通ってゴールデンゲートブリッジを渡っていく。通勤ラッシュを終えた午前中でいわゆるリバースコミュートのために、難なく終了。海岸線をひた走り、目指すはカリフォルニア州の北の端にあるレッドウッド国立・州立公園だ。

ここに生えているレッドウッドはセコイア(アメリカスギ)の一種で、世界に類を見ない太さ、高さとなる木。最も大きなクラスになると、大人が20人集まって手をつないでもその幹を取り囲めないほどという。この公園周辺は海岸に近いところに生えているのでcostal redwoodとも呼ばれる。去年、イサカで習ったESLの先生が自分の人生ベスト3に入る公園だと言って、それに関連する記事やラジオを教材にしていた。その時に見た写真で、こんなにでっかい風景があるのか!と驚愕し、アメリカにいるうちに必ず訪れたいと思っていたのだった。

森は国立公園に指定されている範囲だけでなく、その南側から続いている。ドライブしている間も、道路の両脇に大きな木がにょきにょきと生えていて壮観だ。事前にハイキング本でおすすめのクリーク沿いトレイルを見つけ、Humboldt redwood state parkへ。ビジターセンターで道路状況を尋ねると、雪解けで水位が上がり自動車道路さえ通行止めになっているという。代わりに、よりお手軽で定番のトレイルを紹介してもらい、結果的にそれで良かったのだが、この「雪で道路封鎖」のコンボは、この旅行ではずっとつきまとうのであった。

森は、大きかった。背の高い木がどかんどかんと生えていて、視界に収まらない。樹冠が遠すぎる。森の足下はシダシダシダ。とにかくシダ。あと苔とクローバー。レッドウッドは寿命が来ると根元から倒壊し、それがまた他のレッドウッドやシダ、苔などの植物のナーサリーベッドとなる。また、この根は木の高さに比べてあまりに短いことに驚く。


歩いている間、どうも『もののけ姫』のBGM「アシタカとサン」が頭から離れなかった。生命の循環を感じた。

さらに国立公園まで北上しLady Bird Johnson Groveへ。州立公園とそう変わらない風景に首をひねる。トレイルヘッドから幹線道路に戻る急傾斜の山道をおそるおそる下り、海岸の崖ぎりぎりを走るCostal Driveを抜けてこの日はクレセントシティに泊まった。

走行距離:372 mi.


▼5/25 tue

朝から大雨。国立公園のビジターセンターへ行き、森の定番の訪問地を尋ねると、未舗装ながら森の中を一周できる自動車道があり、途中のStout Groveが見物という。

未舗装道路にはいると周りの景色がこれまでと全然違うことに気づく。森の木が太いこと! 樹冠のおかげで雨は地上まではそれほど落ちてこず、時々ターンアウトに停車して森の中にたたずんでみた。地表はバックカントリーハイクなんてとてもできないほどにシダが生えているために、車道から周りを見渡すくらいしかできないけれど、しとしとと落ちる雨音に心が落ち着いた。Stout Groveにはちょっとしたトレイルが敷いてあり、森の中に入ることができた。

トレイル周りの森はかなり手入れをしてあって、レッドウッドの赤茶色に雨に濡れたシダ葉の緑色が美しく映えていた。 言葉が出ない。もう一生ここにいてもいい。


名残惜しい気持ちを引きずって、レッドウッドならびにカリフォルニア州よ、さようなら。州境を越えて今度はオレゴン州だ。

オレゴン州は山と森のイメージしかなかったが、それは中央部だけで、西の端は太平洋に洗われた海岸線、東の奥地は砂漠と多様な地形を抱えているらしい。特にこの海岸はドライブに大人気でOregon coast driveとして無料のガイド紙がたくさん出ているほど。アメリカ人には一生海を見ないで過ごす人もいるわけで、海を見るということには、日本人には想像できないほどの感動と興奮があるらしい。

いろいろと見所はあるのだが、実はそれほど印象に残っていない。レッドウッドの印象に引きずられすぎたのと、運転して、見所があるから降りて、また運転して、また降りて……という繰り返しがちょっと負担だった。落ち着かないのだ。車を走らせる時間も短いし、何か見物していても時間が気になる。だいたい、見物するといっても、ビューポイント程度の規模しかないので、車を降りて眺めて終わり、ということもざらだ。

この日はSea Lion Caveで一人$12払ってアシカの大群を見て、遠くのフォトジェニックな灯台を眺めた。アシカは遊び好きなのか、集団で波間に漂っているのが遠目に見えたのが興味深かった。


そういえば、このコーストハイウェイは一方が崖、一方が海岸になっていることが多く、落石注意の看板もよく見る。のだが、本当に落石でウインドシールドが完全に破損している自動車を見かけた。警察車両も数台集まっており、こんなことあるんだなとその後冷や冷やして運転した。

走行距離:189mi.



▼5/26 wed

今日も今日とてオレゴンコースト。いろいろ見所が出てくるのは中部から北部である。灯台やオレゴン州を横断する大河にかかる鉄橋などの人工物、奇岩 がにょきにょき生える海岸に砂丘、入り江に伸びる砂州といった地理の教科書でしか見たことがなかったような様々な海岸地形と、バラエティ豊かだ。

印象深いのはYaquita Bay State ParkとThree Capes Scenic Loopのドライブ。
 
州立公園は灯台のある岬の周辺にアザラシが営巣しているために、一帯を保護しているらしい。太平洋の波に浸食されて、陸地が削られているのが素敵。 台地の端っこと通ずるステキさがある。アザラシは…アシカ以上にごろごろしていた。アシカと違って手が発達していないので、陸地を移動するためには全身で 飛び跳ねなくてはならず大変そうだ。こぢんまりとしていながらも、いろんな風景が見られてすばらしい州立公園であった。


Three Capes Scenic Loopはその名の通り、3つの岬を巡るシーニックハイウェー(風景街道)である。この辺りの海岸には沖に巨石がごろごろしているが、これらは haystack rockと呼ばれていた。干し草の山のような岩とはなかなか詩的だ。


入り江に伸びた砂州が湾の入り口をほぼ完全にブロックしているのがいくつも続くのも、後から気づいて驚愕した。規模が大きすぎて運転中には気づかな かったのだ。航空写真などで上から見ないとあのすごさはわからないなと思いGoogle Earthしたけれども、よくわからなかった……。

この日はオレゴン州がワシントン州と州境を接する街、アストリアに泊。

走行距離:257 mi.

4 コメント:

kazuhiro said...

動物の写真があまりない。
悲しい。

帰ってきたら飲みましょ。
ちょっと気になる飲み食い処を神保町で発見した。


どうでもいいけど「じんぼちょう」ではなく「じんぼうちょう」なんだね。
半蔵門線を使うようになって知った。

fomalhaut said...

今回はそれほど動物を見てないんだよね。一番見かけたのは鹿だった。後でまとめます。

神保町は結構渋いよね。私もそれほど詳しくないけど、あの近辺で楽しい居酒屋知ってるよ。あっちこっち行こう。

上京した頃、「山手線」すら読み方が曖昧だったことを思い出す。

kazuhiro said...

ここが気になる。
http://www.eurobeer.net/frigo-est/about-frigo-est/
ベルギービールってうまいのか?

fomalhaut said...

のどごし命のビールとはちょっと違うけど、そういうお酒だと思うとおもしろいかも。

フランスあたりにかぶれている私は、ベルギービールにムール貝とポテトフライがあると幸せ。