15.6.10

まるごとオリンピック半島  CA・OR・WAの旅 その5

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 5/18-6/8のカリフォルニア・オレゴン・ワシントン州の旅行を振り返る
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▼5/27 thu

オレゴン州とワシントン州の州境となっているコロンビア川を渡り(長い橋だった…)、ワシントン州に突入した。朝から寄り道すべく、Cape Disappointmentへ向かった。このコロンビア川河口一帯はその昔Lewis君とClark君が時の大統領トマス・ジェファーソンに命じられて太平洋まで冒険しにきた場所だ。一行がやっと太平洋に着いたよわーい!と喜んだ岬が、実はコロンビア川に向かっていたのでした、がっかりだね、ということで「がっかり岬」と名付けられたとのエピソードがある。現代においても、眺望的にもちょっとがっかりかもなー、てな感じ。

気を取り直して、再び北上を続ける。ワシントン州の太平洋側は、オリンピア山を中心とするオリンピック国立公園に指定されている。水蒸気を多く含んだ海風が山にぶつかって雨を降らせるため(日本では珍しくない話だ)、山の麓には温帯雨林が広がり、Hoh Rainforestのように世界遺産に指定されている森もあるほど。そういえば、レッドウッドも世界遺産だった。

トレイルの敷いてある温帯雨林のうち、QuinaultとHohへ行った。いずれも、クラブモスというエアプランツが木の幹や枝にたくさんもさもさとくっついており、ずるずる感がたまらない。モミ、トウヒ、カバ、メープルと大きな木だけでも様々な種類があるが、だいたいどれもずるずるしていた。木の種類によっては、幹が酸性のためにクラブモスが付着できないものもあったらしいが気づけず。中には、ずるずるの重みで曲がってしまった木も。

ここもレッドウッドのように倒木が別の植物のナーサリーベッドになっており、森の生命の循環があるのだなと感動した。森に生きる生命に思いめぐらすと、その豊かさに圧倒される。



この二つの森を回る途中、海岸まで下りることになる。砂地の一部が赤いというRuby Beachに立ち寄るが、赤い部分は見つけられず。大きな流木がどっかんどっかんと流れ着いていたのが印象深い。太平洋の波の力ってすごいなあ。広い潮だまりを見つけたのでついつい水切り遊びに興じてしまった。初めて3段跳躍したよ! 12年ぶりの新記録である。言うまでもないが、習得したのは12年前だ。

この日はフォークスに宿泊。映画「トワイライト」の舞台となった小さな町で、モーテルの内装がぴかぴかだったことからトワイライト特需かなあと思った。あの映画の中の森の映像は確かに美しかった。

走行距離:260 mi.


▼5/28 fri

オリンピック国立公園に来たのだから、やっぱりオリンピック山の頂は眺めたい。Hurricane Ridgeがその場所である。が、天気が悪い。幹線道路を走っていても、山の中腹より上部は霧にけぶっている。この半島はオリンピア山一つだけではなく、プレートの移動によって隆起してできたために複数の山とその合間に湖や渓谷が見られる。ハリケーンリッジは、オリンピック山に近い別の山の上というわけだ。

しかしながら、見えないんじゃ行ってもしかたないし、翌日は多少晴れ間が見えるらしい。明日に回そう。ということでこの日はレイククレセントの脇で山中の小さな滝を眺めるちょっとしたトレイルを歩いたり、半島の北側にある砂州spitがすごいDungeness national wildlife refugeへ行ったり、半島の北側は海を挟んでもうカナダであるが、影響を受けたビクトリア調の小さな港町Port Townsendへ行ったりと、まあなんて言うか余った一日どうしようか的な過ごし方をした。

レイククレセントは山の中の湖といった様子で、芦ノ湖に似ていたが、霧が濃すぎて山の中腹より上は全く見えなかった。滝のトレイルの近所に、山の上に登って湖を眺めよう(ただしめちゃくちゃきつい勾配)的な別のトレイルがあり、挑戦しようか何時間か迷ってやめた。まあ登っても眺望は霧で視界が完全に閉ざされて登り損であったと思う。後ほど、その山トレイルについて現地の人に尋ねる機会があったが、自己鍛錬トレイルだと言っていた。眺めとか、そういう楽しみについては全く言及がなかった。

Dungeness national wildlife refugeは地図で確認できるほどに大きな砂州が海に伸びているところ。到着したときにはちょうど満潮で、砂州の先の灯台まで片道5mi.のトレイルは 完全に海の中であった。砂州の砂州の根本の断崖絶壁の松の上にはボールドイーグルが営巣している。私たちの車がカリフォルニアナンバーだと気づいて、親切 な現地の人がその居場所を教えてくれた。とても肉眼では見えない距離だったが、写真に撮ってヒナに餌をやっている様子がわかった。町に戻る際に松の木の下 を通ったら、二頭ものイーグルが枝に止まっていた。道のすぐ隣は住宅があるというのに……。ボールドイーグルは少し前まで絶滅危惧種であったし、去年のア ラスカ旅行でもはるか遠くに見えたらみんな大興奮していたのでレア鳥だと思っていた。ここワシントン州ではそれほど珍しくもないのだろうか。



現地人の言うところのPT、もといポートタウンゼントは、小さな港町ながら観光客と向かい(ワシントン州内)に渡るフェリーがあってそこそこにぎわっていた。チェーンでないカフェがたくさんあったのがアメリカには珍しい。この町までの道路の周りは完全に荒れ地で、陸の孤島のような状態だからかもしれない。町のシンボル的な建築だった裁判所や、1800年代後半に建築された建物が今も教会や住宅として残っており、町歩きが楽しい。1800年代といえば、入植時だろうか。時代を感じる。

この日は365日中300日が晴れというSequimに泊。到着したときは雨降ってたけど。

走行距離:164 mi


▼5/29 sat

外は小雨。山の方は朝から霧が立ちこめている。天気予報が「夕方から時々晴れ」に変わってしまった。Hurricane Ridgeは午後に回し、午前中はDungeness national wildlife refugeに再び訪れることに。

干潮時の砂州と言われても、目で見る分にはあまり違いが分からない。トレイルというほどの道もない。ただ礫海岸が昨日見たより少し幅広くなっている程度。とは言っても、砂州自体が結構太く、その地に降り立つと細く伸びているようには見えないのである。

崖の上の松林にまたもボールドイーグルが複数舞っていた。枝から枝へとみな同じ方向に移動していく。なんだろうと近づいてみると、崖を子鹿が走っていた。奴らは狩りをしていたんだろうな。ボールドイーグルは集団で狩りをしないはずなので、複数の鷲がそれぞれ獲物を狙っていたのだろうか。不思議だ。

天気が回復しないので、さらにElwha Riverをのぞいてみた。雪解け水のためかきれいなエメラルドグリーン。月曜がメモリアルデイという祝日のため、この週末は国立公園がごった返すと聞いてはいたが、こんな知名度の低いだろう場所のキャンプグラウンドまで盛況していたのにはびっくり。いや、本当はそれほどマイナーではないのかもしれないけど。

そしてついにHurricane Ridgeへ向かうことに。約45分、17マイルで1500mまで一気に駆け上がる。道路はヘアピンカーブの連続、なのに前方はとんでもない霧。15m先までしか見えないのもざらであったが、周りの車は速いね~。 がんばったよ、私。そして、やっとridgeにあるビジターセンターに到着したが、駐車場の範囲しか見えない。泣ける。2時間半ほどねばったが全く霧が晴れそうになく、まあウェブカメラで見るか、と諦めて下山した。そこそこ人はいたが、みんなさっさと帰るか、駐車場脇に寄せられた雪に大興奮する子供達の世話をするかのいずれか。親は大変だ。

ここから、オリンピック半島の北東にあるケンジントンからフェリーでPuget Soundを渡ってエドモンズに入り、その北の町エバレットにて宿泊。ケンジントンでカーナビが「take a ferry」って指示したのが笑えた。車一台$14、40分の航海であった。

走行距離:195 mi

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