29.8.10

道東五日間 5日目

川湯温泉から幹線道路に出る道すがら、アトサヌプリへの誘導看板が見えたので立ち寄ることにした。ここの駐車場券は摩周湖の第一展望台と共通なので お得感が。遠くからでも分かる硫黄湯気の立ち上り方に衝撃。肌寒いほどの朝だったのに、この周辺だけやけに汗ばむ。活火山だ。アトサ(裸)ヌプリ(山)の 名前の通り周囲は木々も生えず、地獄谷的な風景であった。おもしろいね。この辺から産出する硫黄で戦前までは潤っていたらしいよ。温泉玉子は湯気の吹き出 し口に放置して作っていた。一個100円、5個400円。硫黄臭いのを期待したがそれほどでもなかった。

弟子屈の町 から峠を越えて阿寒湖へ。阿寒の町は車で旅行に来ようキャンペーンをしていて、一人1500円のチケットを買うと駐車場代もタダにしてやるというのでそれ にのっかる。このチケット、1500円以上する阿寒湖遊覧船や、一番高いところは1450円もする豪華旅館の日帰り入浴、当然有料のアイヌコタンのアイヌ 舞踊の鑑賞、レンタサイクルの利用の4点が可能。こんなんで収益は大丈夫かと心配になってしまうよ。自転車以外はきっちり利用してきた。

遊 覧船のルートには阿寒湖内の小島にあるマリモ保護センターの見学もあって、天然マリモをこれでもかというほど堪能。船の中ではずっと阿寒湖の解説テープが 流れていたが、最後にこの辺の歌謡曲が。これが、♪北の果て~摩周~、と歌っていていろいろつっこみたい衝動が湧いてきた。そういや、マリモってのは日本 だけにあるわけではなく、ヨーロッパなどでも見られるらしい。分布図をみたらみんな阿寒と同じくらいの緯度であった。阿寒温泉を楽しんで、アイヌコタンで 無形世界遺産にもなった舞踊を見て、アイヌ楽器を購入し(あ、どこやったっけ?)、近隣の定食屋〈奈辺久〉でルイベ刺身定食を食し、予想外に阿寒を堪能し てしまった。駐車場への帰り道に通りかかったケーキ屋さん〈Pan de pan〉は、店先のシュークリームの看板があまりにおいしそうでついつい吸い寄せられてしまったが、いやーこれはおいしかったなぁ。二種類のシュークリー ムは、一方のクリームはシェリーの甘い香り、もう一方はほろ苦いキャラメル仕立てでもう2個ずつ食べたいくらい。あのケーキ屋はまた行きたいなぁ。

阿寒湖の西南にオンネトーという名の小さな湖がある。ここも裏摩周の近所にあった神の子池のように透明度の高い美しい湖との話で足を伸ばしたのだが、展望台が低すぎて湖面に光が反射してしまう。山の合間の湖で、すぐ背後に低い山があったのでそこから登ってみたが、これがまた大変な登山であった。上下移動が激しいのも疲れるもんだ。オンネトーの背後の雌阿寒岳の上部は煙がぷしゅぷしゅ出ていて、そんな光景を見られただけよかったけど、いやー疲れた。ついでにもうちょっと足を伸ばして湯の滝まで行った。温泉が岩の上を流れる様を見られたのはよかったが、日が暮れての山道歩きは怖かったな。こっちは歩道といってもサービス車両は入れる広さがあったので歩きやすかったが、キャンプ場隣の林の中の道である。無理は禁物だ。


で、そこから一生懸命釧路まで戻る。約95kmくらいかな。釧路の夏は濃霧がひどいってのは地理で昔習ったけれど、本当にすごかった。途中で脇を通った空港は、立ちこめた霧に誘導灯などの赤い照明が乱反射していて、火事でも起こっているのかと不安になったほど。

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