26.8.10

道東五日間 2日目

朝からいい天気なので、釧路駅前のレンタカー屋まで歩いて移動。ここのレンタカーは友人が見つけてきたのだが、5日間で25,000円と破格。とは言っても、万が一の時の補償で一日500円追加したので結局は30,000円弱に。走行距離が6,500kmほどのヴィッツが今回の旅の友となった。

まずは釧路湿原を見物しに行く。東側にいくつか展望台があるので、南から順に向かうのだが、初めに訪れた細岡展望台からの眺めが一番良かったように思う。展望台が高い場所にあって湿原が近く、川の蛇行も見える。また、展望台までのトレイルはシラカンバとクマザサの森の中に敷かれてあり、木陰のさわやかな風を受けながら気持ちよく散歩できた。問題は、幹線道路から駐車場までの道が細すぎて、対向車とのすれ違いがややひやひやしたことかな。まあこの辺りは私は運転してないけど。その北側のサルボ展望台とサルルン展望台はちょっとした山の上にあって、サルボ展望台に着いたところですでに脚ががくがく。階段を上るのは久しぶりで全然脚がついていけない。もう無理。

前夜、虎キチの店で飲み過ぎたために朝ご飯をかなりセーブしていた。その割にハードに歩くものだから、栄養不足もピークである。早く昼ご飯が食べたい…そんな気持ちで初めに入った町・標茶にて、最も近いそば屋へ。北海道は気候が厳しいために、蕎麦の栽培は古くから行われているらしくそば屋がたくさんある。ここもそんな店の一つであり、そばはおいしかった。セットにしたカツ丼はカツと玉子が別々に供されたのには面食らったが。

いよいよ運転は私の番である。町の道から農道へ入り40分ほどさらに北上して、摩周湖の東側にある裏摩周展望台に到着。「表」は反対側、西側である。こちらの方が標高が低く湖面が近いらしい。摩周湖は大きなカルデラ湖で、クレーターレイクを思い出させる風景だ。水の透明度が高いためか湖面が青く美しい。展望台の周りに木々が生い茂って、視界を遮られるのがやや残念。

裏摩周展望台のちょっと北側に神の子池と呼ばれる泉があるのでそこまで足を伸ばす。鄙びた感じの池がいいね。水の湧いている場所は池が青く、神秘的であった。池の畔で魚を捕まえるカワセミを見られたのもよかったなぁ。



ここから100kmほど西へ移動。中標津で数あるソフトクリーム屋の看板に引かれ、ついうっかりバニラソフトを食す。牛乳くささがまたよい感じ。日の入り一時間前になってやっと太平洋岸までたどり着き、国後島へ向かって伸びる砂嘴となっている野付半島へ向かう。

野付半島は海に向かって砂がくちばし型に堆積している場所で、半島の根元は土壌がしっかりしており松林が見られるほど。半島の先は現在も先へ先へと伸びており、その影響か半島の内側(岸側)のカーブを描いている部分は海水に浸食されている。松林の根元に海水が入り込むと当然ながら枯れる。そうして松が立ち枯れた風景が見られるのがこの野付半島の醍醐味なのだ。今はかなり枯死が進むトドマツのトドワラ、立ち枯れた木々が風食されていくのはこれからのナラマツのナラワラが見物のポイントで、それぞれでっかい看板が出ている。トドワラまでは片道30分歩かなくてはならないのが大変だが、トレイルは海岸植物に囲まれていてハマナスの赤い実やセンダイハギが風に揺れるのが夕日に映えて風光明媚である。


で、トドワラ付近はボードウォークが敷いてあるので、足下まで打ち寄せる海水に浸った湿地をじっくり眺めながら歩ける。枯れたどころか木の幹が風や海水の浸食で殆ど残っていないのは、夕暮れという時間帯に眺めると一層寂寥感が増す。


夕暮れをたっぷりと堪能した後、日が暮れると真っ暗になってしまうので追われるように駐車場へ帰る。その道すがら、遠くに謎の影が海を渡っていくのが見えた。鹿の群れだ。時々胴の深さまで水に浸かりながらも、大概は膝ほどの深さを悠然と歩いていた。砂嘴の一部で小島となっている場所を目指しているようだったが、あんな所に餌があるんだろうか。謎だ。ゴマ粒の大きさになるまでじっくり眺めてから、本日の宿を目指す。



この日は民宿モシリバで一泊。夕食には大きなカラフトマスを使ったちゃんちゃん焼きや白子のフライ(絶品だった!)、さらに流氷の氷で焼酎をいただき、あっという間に就寝。

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