6.3.22

一コマ進む

 とりあえずひとつは面接に進んだ…! よかった。全くの門前払いにならないかもしれないと思えただけで救われる。まあこれで終わりかもしれんが…

腑抜けているのでとりあえず本を読んでいる。


・アンディ・ウィアー『火星の人』

映画にもなった小説だ。火星への有人ミッションの中で事故に遭い、たったひとり置いていかれた人が知恵を絞って生き延びる話。NASAだけでなく中国まで、この一人の人命を救うために一丸となるなかで、悪人が一人も出てこない良心しかない世界。夢のようだわ…。

作者のデビュー作らしく、そう言われれば話の底の深さはあまり感じない。ただ、丁寧に科学的論理展開を並べるだけでも十分にエンタテイメントになるんだなと思う。小説、つまりは虚構なわけだから、繰り返し出てくる試算(ほぼ算数)は登場人物のフェルミ推定を聞いているようなものだ。これを根気強くプロットした作者の努力がすごいと思った。


國分功一郎, 千葉雅也『言語が消滅する前に 』

國分功一郎の『中動態の世界』を積んでから、はや数年がたってしまった。この本の出版時や、そのほか節目節目に行われてきた二人の対談をいくつかまとめた本。

現代では言葉ではなく情動を直接伝えることが優先されていること、シニフィアンだけが走りがちなSNSではファナティックに作用するが、言葉によって感情から一歩抜け出ることができるはず、という言葉への期待と確信、政治と言葉における修辞の重要性など、なるほどなと思うことが多い本だった。

対談本は語りがそのまま文章に表れているので、kindle音声読み上げでも十分に聞き取れる。でも自己を「じおのれ」と読み上げるのはほんとやめてほしい。iPhoneは頼むから読み上げデータを収集してiOSのどこかに入れてほしい。


・ケイシー・マクストン『赤と白とロイヤルブルー』

米国大統領の息子と英国王子のロマンスもの。まだ半分までいってないけど、二人の立場からロマンスが真に成就するか否かと、初の女性大統領となった主人公の母親が再選するまでのストーリーになるのかな、という感じ。すでに二人の思いは通じたものの、英国王子の立場ではゲイと自認していることすら秘めなくてはならない、ということになっている。性的な表現はそこそこある。思ったよりあった。(もうちょっと少なくてもいいのにと思ってしまうが、ロマンスというジャンルの小説は官能場面もウリだ。これがなきゃなー。ぶつぶつ)

でも次男王子だからな~。しかもこの物語の冒頭は、長男王子の結婚セレモニーから始まる。それに王位についているのはクイーンで、その配偶者は英国の俳優(物語開始時点ですでに死去)。しきたりや跡継ぎ的な話はキャラクターがとらわれているほど阻害事由にはならないと思うんだよね。

0 コメント: