4.10.18

映画

先月から劇場に行ったりレンタルDVDしたりしていくつか見た。
  1. 判決、ふたつの希望
  2. プーと大人になった僕
  3. 去年の夏の仮面ライダー映画と去年の冬の仮面ライダー映画 
  4. Mother!
  5. この世界の片隅に
1.判決、二つの希望
これね、レバノン映画だった。ヨルダンと間違えてた。レバノンは共和制だし、フランス寄りなんだろうな。ヨルダンは立憲君主制。でも抱えている歴史や社会問題は似ていると思う。

映画は、レバノン人の男の家の水道管が壊れたので、直してもらおうと思ったんだけど、ささいなきっかけで作業員のパレスチナ人の男と喧嘩が起こり、裁判沙汰になってしまった。 二人のつまらない喧嘩が元だったのに、二人の民族の違いがだんだん大事になって、国中を巻き込む騒ぎになってしまう……というお話。

タイトルから分かる通り裁判劇で、レバノンの司法制度なんて全然知らないので、興味深く見た。基本的には弁論主義っぽかった。裁判官は三人で、裁判長は女性。代理人弁護士はいずれも法服みたいのを着てた。
そして、ほんとにしらないなーと痛感したのはレバノンの戦後の歩みね。第○次中東戦争を振り返っていくんだけど、もう彼らのやった・やりかえすの繰り返しはどうにも止められないんじゃないかって暗い気持ちにもなる。ただそれは、相手を〇〇人という型にはめて見ている限り起こることだから、そうじゃなくて、一対一の関係になったらどうなのか。そこから未来へつながるんじゃないかな。

元のタイトルはThe insult。それでも十分に内容を示した題名だと思う。けど、邦題の「判決、ふたつの希望」もいい訳だった。
話の構成はピースの細かいパズルのようで、見ながらそれらが嵌っていく爽快感があった。
いい映画でした。
あとこの映画は町山智浩さんの解説(ほぼ全ネタバレ)がすごいよかった。

この人のお話おもしろいね。最近はテレビの「町山智浩のアメリカの今を知るtv」も楽しみに見てる。BS朝日なのが残念だけど、公式サイトのまとめもなかなかよい。先日やってたアメリカの白人至上主義グループの代表者へのインタビューがすごい考えさせられた。

2.プーと大人になった僕
半年前のティザーからずっと楽しみにしてた映画。予想通り、ロンドンとイギリスの森がたくさん出てきて、イギリスの風景を見たい私には大満足の画面でした。話はディズニー制作だけあって、やさしくてわかりやすい。子どもと人形たちががんばるのがとにかくかわいかった。
上映時間的に字幕でしか見られなかったんだけど、英語セリフも易しくて聞きやすいし、芝居がよくわかってよかった。つきあわされた長男(7才)には漢字混じりの字幕はかなり厳しかったみたいなので悪かったなー。

Twitterにも書いてるんだけど、娘がおずおずと Do you think you can read to me for a minute? って父親に尋ねる場面がめっちゃ切なかった。そんな「本読んでほしい」があるかよ!と思った。 ボーディングスクールに入る11-13歳の子なんだよ。賢くて親の顔を伺い、親の喜ぶ顔を見たくて自分を押し殺している子。泣けてくるね。

子供の頃は「何もしないことをしてい」られたのに、いつのまにか大人になって「何かをしないと何も得られない」としか考えられなくなってしまう。そんな疲れた大人に送る物語だった。 Doing nothing often leads to the very best of something.
こういうプーさんのいいセリフが多くて、それを聞くのも楽しい。
ここに鑑賞者が印象的だったセリフがいっぱい投稿されてる。

 3.去年の夏の仮面ライダー映画と去年の冬の仮面ライダー映画
二年前の「仮面ライダーエクゼイド」 から子どもたちと一緒に特撮を見始めた。モチーフがゲームと医者ってことで、ゲーム的なエフェクトの散る画面が楽しいし、医者ドラマってのも好きだしでちょうど私の関心に飛び込んできたんだよね。

夏に完結編とも言える小説版が出て、そこから逆算して見返してる。初見時には「うんうんいいよね」と思ってただけの脚本が、小説版を踏まえて考えると「げーそんな背景が含まれてたの…死ぬ…」みたいなことになるので、復習を…と思ってレンタルしてきた。
でも最初から世界観が完璧に出来上がっていたわけじゃなくて、かなり水物というか、役者の演技や視聴者の反応でずいぶんストーリーが変わったみたい。
あとからつじつま合わせたって側面もあるけど、それにしてもうまく拾ったなと思う。

4.Mother!
アマプラにあって、Twitterの洋画クラスタの人が言及してたから見たかったんだよ。日本では上映中止になった作品。サスペンス。

これね、映画として流れているストーリーが、本当はまるっきり別のモチーフの別の主題を描いているってタイプの話だった。本に例えれば、普通に書かれている文章が映画の画面に現れているものとして、全く違う話(本質的には同じなんだけど)がずーっとルビで語られているって感じ。
それを読み解くのはめっちゃ楽しいんだけど、でも、肝心の流れているストーリーが……。とにかく胸糞、不快、えぐい、ひどい。ただひたすらイライラした。なんでそうなのかは、ルビの方に思い至れば至極当然なんだけど、それを置いても不快。
たぶん、二度目は見ない。だけど、こういうのをつくりたかった制作陣の気持ちはなんとなくわかる気がする。作ってみたいよ。

5.この世界の片隅に
私はこの原作者のこうの史代が大好きで、著作は全部あるくらいなんだけど、なのでこの映画の監督がどれくらい原作リスペクトで原作オタクでっていうのはよくわかった。削ったエピソードは泣く泣く削ったんだなってことも伝わった。しかもそこらへんを足したロングバージョンを12月からまた劇場公開するって話じゃないの。
まあなので、2時間という枠に収めるためにどれだけがんばってるかってのもわかるわけです。画面の切り替えが早いな―とかね。
作画も声優陣のお芝居も音楽もすごいいいと思うよ。トータルでいい映画だと思う。
だけど私は漫画が好きだ。原作が至高だな。

この秋、残ってるのは「恋のしずく」「A ghost story」。それとトレーラーで見かけた1987、ある闘いの真実「愛と法」は見たい。あっ、年末には「シュガー・ラッシュ オンライン」も!

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