22.7.09

ホエールウォッチングとバンカーヒル

翌日の天気予報が快晴だったので,勢いでホエールウォッチングをオンライン予約し行ってきた。天候には非常に恵まれむしろ蒸し暑いほど。乗船30分前には桟橋前にすでに行列が出来ており,観光客のやる気あるいは座席をねらう意欲が感じられた。

船は高速双胴船で2階まで船室がありデッキは3階まで上がることが可能だが,3階は座席がなかった。席を求めて2階へ上がったが,後から思えば1階にいるべきだった。鯨は水中にいるから,一番近寄れるのは1階だ…。

事前に,見られなかったらタダ券あげます的な100%保証があったとおり,1時間ほど沖まで出ると数頭の鯨が寄ってきた。船になれているのか船の航路に並行して泳ぎ,3,4回潮を噴き上げると尾びれを翻して水中に潜る。それほど水が濁っておらず,船の脇にいる時には鯨の白い腹がうっすらと見られた。

それにしても,外海まで行くために船は揺れた。船酔いに弱いため座席とデッキをかなり往復してなんとか乗り切った。船室には同様に倒れ込んでいる人もちらほら。アラスカ旅行時の船は湾内だったから全く揺れず快適だったが,やはり海となると話が違う。ポイントまでの行き帰りもかなり揺れたが睡眠で港に入るまでを乗り切った。

海から見るボストンは少し横浜に似ていると思った。

ホエールウォッチングは3時間ほどで終わるため,午後はフリーダムトレイルの後半を歩くことにした。アメリカ建国に関する史跡を巡るトレイルの終点は,独立戦争の激戦地だったバンカーヒルの塔だ。しかし,チャールズ川を渡った向こう側にあるためちょっと遠い。母が来たときにフリーダムトレイルを少し辿ったが,とてもそこまで歩かせられなかったし私自身歩けなかったため,延期することにしたのだった。

暑い日の午後,交通量の多い幹線道路の脇や住宅街を抜けてバンカーヒルに到着すると,歴史的コスチュームの人が手にしている銃の説明をしていた。精度は低く扱いが大変だがそれでも重要な武器だった様子。

塔の中に入り登ったよ,300段。こういうモニュメントにありがちだが,必ず螺旋階段だ。階段を上るというのは非常に単純な動作の繰り返しだが,幼い頃からこういうことをしているとだんだん自分が何をしているのかわからないような,おかしな気分になってくる。不意に段の高さがわからなくなって踏み越えそうになったりつま先が段に当たって痛い思いをしたりとちょっとつらかった。

登り切ると非常に狭い空間だった。四方に小窓の枠が切ってあり,おそらく当時使われたであろう銃を支えるホルダーがある。ここでイギリス軍を見張っていたのかと思うと,同じ視線で今は観光として街を見下ろしている自分と比較して,なんとも不思議な気分になった。

また気が変になりそうになりながらも300段降りると,先ほどのガイドの人がちょうど銃のデモンストレーションとして実際に撃っていた。鼓膜に響く銃声にびっくり。一回打つ毎に銃身を解体して何かしていたのが印象深い。火縄銃もそうだけど,昔の長い銃は一発撃つのも大変なようだ。

フリーダムトレイルを逆に辿り,市庁舎付近まで戻ってきて電車で帰宅。よく歩いたなあ。


・上左…フリーダムトレイル中から見えるバンカーヒル
・上中…緑と近代的な建物と古い時計塔が同居するボストンの町中
・上右…船から見たボストン。NYCの自由の女神フェリーからの風景と似ている
・下…バンカーヒルからの眺め

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