5.8.20

精神的加重

精神科の専門的な用語に精神的加重というものがある。身体に何か問題があるときに,精神に影響が出るというものだ。急におかしな言動をし始めたとしても,それが直ちに精神科に類する原因があるせいだとは言えない。たいがいは体のどこかの調整がずれて,追いつかなくなったのが気持ちに表れているのである。
で,この新コロ禍において急におかしな言動を始めた人がいたら,周りの人が気づいてあげてほしいし,自分のことも注意してね,という話を「コロナのせいにしてみよう。シャムズの話」(國松淳和・金原出版2020/6)で読んだ。

少し前にバズった話で,カビに寄生されたセミが狂って繁殖行動をしまくるというのがある。似た事象はほかにもある。例えば宿主のカマキリを水辺に連れていくハリガネムシとか,トキソプラズマに感染した人間は攻撃的になるとか。

人が気持ちとか感情とか思考などと捉えている脳内のもやもやは,体内の化学変化の上澄みでしかないんだなと思ってしまう。どんな理知的に見えても,人間である限り,みんなたんぱく質の合成や分解に左右されて生きている。

年々,気持ちの変化は少ない方が疲れにくいと感覚的にわかってきた。年齢のせいかもしれないけれども。そのためには形式的に体を整えてやるのが楽に生きる近道なんだろう。睡眠時間や栄養状態などを蔑ろにしがちだったけれど,改めた方がいいな。

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