9.1.20

あけた / テルアビブ・オン・ファイア

今週から平日が始まって、なんのかんので予定があって困る。小学校へ行ってみたり、幼稚園に行ってみたり、来週の保護者会のための書類を作って…まだ着手してない、今週末は園の行事だ。

今週封切りの映画を二本楽しみにしていたのではよ行きたい。行けるときがあるとでも? 諸々がんばりたい。
去年から中東映画と韓国映画が面白いので、そろそろアラビア語とハングルを学ぶべきではないのかと考え始めている。映像に映り込む新聞の見出しとか、登場人物が着替えたシャツのロゴとか、読み取りたいんだよ。そういうところに大切な情報が隠れているかもしれないじゃん。

先日、「テルアビブ・オン・ファイア」を見た。
テルアビブ(イスラエル)のパレスチナ系のドラマ制作スタジオを舞台にした、パレスチナ系イスラエル人脚本家とユダヤ系イスラエル人エルサレム検問所主任とのおかしな交流を描いたコメディ映画。「テルアビブ・オン・ファイア」は劇中劇のタイトルで、第三次中東戦争の直前に、アラブ系のスパイがユダヤ系の将校に取り入ってどうにかしようとする愛憎劇なんだけど、主任が口出しした脚本が思いの外ヒットして、脚本家は彼のところへ通いはじめる。そしたら主任はスパイと将校を結婚させろと言い出して…と始まる話。

劇中劇の民族対立は決して過去の話ではない。このドラマ制作会社においても、中東戦争にどっぷりつかった上の世代は、スパイと将校が結婚するなんて絶対ありえないと抗議する。スポンサーが手を引くことを恐れ、自分たちの信念としても考えられない。
でも主人公たちの世代はもっと柔軟なんだよね。主任は脚本にアドバイスをする対価として、アラブのフムスを要求する。イスラエルも食べるはずなのに、わざわざ「アラブのフムスがうまい」と発言する。それに、検閲官をやめたくてしかたない。
そもそも主人公の脚本家だって、主任をユダヤ系と知っていてアドバイスを乞う。そこに憎しみのようなものはない。
そうして劇中劇のラストはあっと驚く別の結末を迎え、新しい世代で次シーズンの制作にとりかかる。ほわっと温かい気分になるラストだ。
ただ、この結末には、映画のように登場人物がみな裕福な暮らしをしていることが必要不可欠だとも思った。主人公がパレスチナ系イスラエル人なのがミソなんだと思う。パレスチナ難民ではない。だからこそ実現した世界ではなかったかなあと考える。
しかし、劇中劇の結末部分の衝撃よ。劇場内が驚きと笑いでざわざわしたし、私も変な声が出た。

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