14.3.14

この日記は11月に書いていた

話は,前回二回分のポストより前にさかのぼる。

10月は上の子にいらいらすることが多かった。下の子に手を出すなど上の子のなすことなすことにいらいらするのもあったけれど,自分の思った通りに家事が進まないフラストレーションを,上の子にぶつけていたことがとにかく多かったと思う。料理に関しては,惣菜や外食では満足できないし,授乳にも差し障るから,どうしても自力で作らなきゃいけない。が,調理中に子供たちに手が回らなくなって,上の子は手しゃぶりしたよだれまみれの手をその辺になすりつけるし,このころから下の子はぎえーぎえーと耳に来る奇声を発し始めるようになった。掃除はしてもしてもほこりがたまるし,自分の産後の抜け毛が床を散らかし始めて耐えられなくなった。洗濯物を取り込んで畳んでる矢先に,上の子が洗い立てのハンカチでよだれを拭き,下の子がまた耳をつんざく叫び声をあげる。そしてやっとの思いで調理した食事は,上の子のこれいやあれ食べない口からペー床にポイでもう気が狂いそうだった。

上の子との関係改善の為に,保育園からの帰宅後にしばらく車の中に残ってカーステレオでアンパンマンの曲を聴きながら一緒にジュースを飲んだり,夕方の家事を前倒ししてその辺を散歩したり,下の子を早く寝かしつけて上の子と二人で遊ぶ時間を作ったりした。でも,上記の問題が解決されてはいないので,同じことを繰り返していた。

上の子は母が近寄りがたい雰囲気なのはよくわかっている。その分夫に甘えるようになり,だんだん夫の負担が増えてきた。夫に申し訳なく,視線を合わせられなくなった。上の子に怒りたくないけどどうしても怒ってしまうと言い訳めいた愚痴もこぼした。

なんだか逃げ場がなくなった気がして,情けないけれど,友人に愚痴メールを送ってしまった。ありがたいことに温かい返事をもらって,何度も見返した。

そうしたら,その数日後に風邪症状が出た。体調不良が精神に作用していた部分も大いにあったみたいだった(これが前回のポストだ)。家族全員を巻き込み,回復するまでの一週間は家中が暗かった。その後も体調不良時を引き継いで家事は捨て気味のまま低空飛行を続けてきたが,そのためにいらいらする気持ちに変化が出てきた。いらいらすることへの自己嫌悪が強くなってきたのだった。

いらいらは漢方薬で治まる。そんなケースをネットで見て,藁をもすがる思いで産婦人科へ電話した。長らく待たされた後,助産師が話を聞くとのこと。上の子は一時保育中,下の子を連れてすぐに向かった。このとき,母乳の生産量が減っていることにも追い打ちを掛けられていた。

結論から言えば,これでやっと落ち着いた。助産師さんは特段, カウンセリングのようなことをするわけでもなく,一般論で慰めてくれただけだ。上の子は下の子に嫉妬しているのよ。でも下の子がかわいいと思えるならいいじゃないと。こうして下の子を取り上げてくれた方,いろいろと母体の回復でお世話になった方と,あの大変だった出産時を分かってくれる人たちが,この出産の延長線上にあるであろう今の苦しみをまた分かってくれて,一緒に下の子の成長を喜んでくれたのがものすごい救いになった。そして,胸部マッサージで授乳量には問題ないとのこと。これがどれだけ拠り所になったか。

出産時は上の子がアデノウイルスにかかっていて,夫が一人で世話をした。だからお互い様の状況で,むしろ私は産院という安全な場所にいて,その分夫よりは負担が少ない。夫には本当に感謝している。心からそう思っていた。だけど,さみしかったのかもなあ。下の子を産んだことに後悔はないけれど,頼る身内がそばにいない今の状況で二人目を出産し育てるということを,軽く考えていたように思う。

その日,保育園から帰宅後の上の子と二人で遊ぶ時間を最大限とった。家事は病院からの帰宅後に済ませ,夜にも下の子はベビーベッドで寝かせたいなどの将来的な希望よりも,すぐに寝付くことを優先し横になっての授乳で早々に寝かせた。上の子は戸惑っているのか,なかなか私と二人だけでは遊ぶことができず,すぐに夫の傍へ 行ってしまった。それからも二三日は上の子も戸惑ったり私に近づいたり,夫にわがままを言ったり甘えたりしていたが,だんだんと笑顔を見せてくれるようになった。

それと同時に,これまでは怒鳴りつけていたような問題行動を見ても,それほどいらいらしなくなり,小言をやめた。初めはただ意図的にスルーしただけだったが,子自身の意図がわかることが増え,見守る場面もそれに伴い増えた。靴を履きたくないなら裸足で歩いてみればいい。とりこんだ洗濯物に興味があるなら畳んでみればいい。帰宅時に手洗いしたくないなら私が先にやる。食後の歯磨きもそうだ。

先ほど,夫との入浴を終えた子にパジャマを着せて保湿剤をつけようとしたときに,膝の上に乗ってきた。「だっこ,うれしいね」って。久しぶりに上の子の顔を,目を,見た。

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