5.5.11

大分県東南部ドライブ

連休のお出かけその2は大分県の豊後水道沿岸ドライブと臼杵の石仏見物である。延岡からは大分市も2時間ほどの距離だが、延岡市から九州自動車道が始まるお隣佐伯市までは山道しかなく、それだけで1時間かかる。距離は60kmほどしかないのに。高速道路は3年後の開通を目指して工事中だが、果たしてそれまでここにいられるかどうか……。

まずはマグロの水揚げが盛んな津久見市へ向かう。その西側、豊後水道に延びる半島に晴れれば四国も見える展望台があるらしい。佐伯市からのんびりと一般道を走ると、時折目にする肉屋から唐揚げの香りが漂ってくる。大分は唐揚げの町といううわさは聞いたことがあるが、全県的にそうなのだろうか。半島と津久見市との分岐へ到達すると、臨時駐車場や、半島への通行禁止と書かれた看板が立っている。とりあえず車を止めて駐車場の案内人に尋ねると、この連休中は半島にある〈うみたま体験パーク つくみイルカ島〉近辺でマグロとイルカの祭りがあるため一般車は入れないとのこと。この近辺では時折野生のイルカも見られるらしく、町おこしのネタにもなっている様子。つくみイルカ島は先月オープンしたばかりのイルカふれあい体験ができる施設という。シャトルバス乗り場にそこそこの行列ができていたので、私たちも向かうことにした。

つくみイルカ島までは10分弱。ここで初めて大分の海を間近に見ることができた。とにかく青く透明! とはいえ、はしゃいでいるのは私たちのみ。地元人には珍しくないらしい。つくみイルカ島ではちょうど二時間に一度のイルカショーが始まるところだったが、施設の隣にあった漁村センターで〈四浦よってこ市〉として出店が出ていた。津久見での目当てだった「ひゅうが丼」が食べられるとあって、イルカショーはやめていきなりご飯。ひゅうが丼はこの辺り漁師料理で、マグロをゴマ・しょうゆ・しょうが・生卵に漬けたものをひゅうがと呼ぶ。別にりゅうきゅうと呼ばれる食べ方もあり、こちらはニンニクしょうゆに漬けるらしい。いかにも田舎のバザー的な会場で、会議用長机で食すのもイベントらしくて楽しい。食後、イルカショーの音楽につられて外に出ると、よってこ市のみなさんが海沿いのフェンスによりかかってショーを見ている。やや距離はあるが派手な動きは見えるので混ざって見物。15分ほどのミニショーであった。結構高く跳ね上がるもんだね。さらにマグロのから揚げも食し、満足して帰りのシャトルバスに向かうころにはこの市も大盛況となっていた。いいタイミングだった。

津久見で有名な〈ぎょろっけ〉を食べるために「大田商店」へ立ち寄る。魚のすり身を揚げてコロッケ風の見た目にしたものだ。よってこ市で試食したマグロコロッケがコロッケらしくておいしかったので期待して購入。一枚100円。こちらはコロッケというよりも魚のすり身に衣がついたものだった。おいしかったけどね。一緒に買った鳥の軟骨入り天ぷら(さつま揚げ)が意外においしかった。天ぷらに肉が混ざることはあまりないから新鮮。

緊張しながら初の高速道路in日本、九州自動車道で一区間だけ走行するも交通量が少なく産むが安しであった。たった7kmで臼杵に到着。ここはふぐが有名だが、それはさすがにまた今度。今回の目当ては石仏だ。大分は磨崖仏がたくさんあり、一度は見たいと思っていたので早くに実現してうれしい。が、思っていたより規模は小さめ。この辺りは阿蘇山の噴火の影響で柔らかな石灰質であるため、こういった石仏が多いらしい。一方、劣化も進みやすいのでどの石仏群も屋根に覆われていた。保存が大変そうだ。それにしても昔テレビで見たときはものすごく大きな印象が残ったんだけれども。国東半島の方がメッカなのかもしれないなぁ。

ここから15分の範囲に鍾乳洞があるとの看板を見つけ、帰り道沿いであったことから回り道することにした。しかしながら山道を走ること30分。絶対15分の距離じゃない。鍾乳洞の入り口まで少し登り、中に入ったら階段を下ったり上ったりして、500m先の最深部はかなりすてきな光景が広がっていた。今も成長を続けているらしく、スタラクタイトの先に水滴がぶらさがっている光景をよく見かけた。中にはスタラクタイトとスタラグマイトが出会ってコラムになってる場所もあって、図鑑に載っている形を一通り見られたのではないかと思われるほど。思いつきで訪れた割にかなりいい場所であった。

佐伯市に戻り、iPad2の実機販売をする電気屋に立ち寄ったり、道の駅でこの辺の特産品であるごまだしうどんを買ったりした後、ラーメン屋〈遊楽〉へ。佐伯のご飯は観光本ではごまだしうどんばかりが取り上げられるが、ネット上ではラーメン屋ばかりだったのだ。18時開店と同時に入店すると瞬く間にほぼ満席に。豚骨スープだが白濁はしておらず、ニンニクと煎ったごまが効いていてかなりおいしい。麺は柔らかめのやや太め、どちらかというと細いうどんのようだったので好みが分かれるかもしれない。最近はかん水のにおいがする太め固めの中華麺が多いからね。珍しくスープまで飲み干してしまった。おいしかったなぁ。

ところで佐伯のごまだしは宮崎の冷や汁の元となる味噌から甘みを抜いたようなもので、ゆで汁に入れたままのうどんにごまだしをつっこめばうどんが完成するという代物。これはこれでおいしいのだが、炊きたてご飯にうすーく塗って食べるとごまの香ばしさが味わえてよりすばらしい。瓶詰めで売ってたのを買ってこればよかったなぁ。

でもってここから1時間半かけて山道をたどり延岡まで帰った。行き当たりばったり感が強くとも、いい外出だった。

0 コメント: