30.8.10

道東五日間 最終日

帰りのフライトは16時45分発、それまでにレンタカーを空港に返せばよいので、ここにきてやっと釧路を楽しむことに。

午前中は釧路湿原の西側の展望台へ。初日は東側をずっと北上していったので、こちらは未踏であった。湿原の観光といえば西側のようだったけれど、その通りで湿原の上にせり出すボードウォークの上を歩けるのはこちら側だ。この日も午前中は非常にいい天気で、とりわけこの散歩タイムの日差しのまぶしいことと言ったらない。ビジターセンターでは前の日にタンチョウヅルが見えたなどとの情報があったが、こんな暑い午前中からツルがうろうろしているわけもなく、湿原の草本も夏のピークを越え枯れ草となりつつあり、なんか白っぽい草を眺めながらの行軍となってしまった。湿原の端っこの林に到着したときには、日陰のありがたさを思い知ったね。

湿原への道すがら、野生動物保護センターがあったので立ち寄ってみた。湿原にはもうほとんどいないと言われるエゾフクロウが保護されたばかりとあって興味深い。人間の目に極力触れぬよう、ケージはシートで覆われており、観察はカメラを通してすることができた。そのほかオオワシも何頭か。猛禽類は大きいし、保護して世話するのも大変であろうなと想像する。しかし、猛禽はかわいいねー。

さて、最後の昼ご飯だ。とはいえ、もう既に魚卵や鮭は食べ過ぎである。これ以上魚卵を取ったらコレステロールが気になる。てなわけでラーメン屋〈まるひら〉へ。市内でも屈指の名店らしく満席だったが、回転は速く無事に席に着けた。鰹だしの醤油ラーメンは昨今の魚粉でごまかした魚出汁ラーメンと違って、奥深い味だった。おいしかったなー。帰国後一番おいしかった&こういうの食べたかったラーメンだ。何の変哲もない醤油ラーメンなんだけど、不思議だな。地域のおばちゃんたちで店を回していたのも興味深かった。創業51年なんて聞くと、偏屈じーさんが厨房の真ん中を陣取ってるイメージが湧いてくるのだが。ひどい偏見!

最後はタンチョウヅル保護センターへ。タンチョウヅルは冬に渡ってくるのだが、夏の北海道でもいるところにはいるらしい。タンチョウヅルは頭頂が赤い、日本のツルらしいツルだ。でもあれと同じ見てくれのやつは北米にも多く分布しているらしいんだけどね。7月に生まれたヒナに餌やりをしている姿が見られたのがよかったなぁ。生まれて二ヶ月もたつとヒナと呼ぶにはもう十分大きくなっていたが、それでもまだ自分で食べないのかと思うと笑える。



無事に空港に戻り、トラブルもなく19時頃羽田着。北海道は自然が多くて良かったなー。また行きたいし、いつか知床岬まで到達できたらいいなぁ。

29.8.10

道東五日間 5日目

川湯温泉から幹線道路に出る道すがら、アトサヌプリへの誘導看板が見えたので立ち寄ることにした。ここの駐車場券は摩周湖の第一展望台と共通なので お得感が。遠くからでも分かる硫黄湯気の立ち上り方に衝撃。肌寒いほどの朝だったのに、この周辺だけやけに汗ばむ。活火山だ。アトサ(裸)ヌプリ(山)の 名前の通り周囲は木々も生えず、地獄谷的な風景であった。おもしろいね。この辺から産出する硫黄で戦前までは潤っていたらしいよ。温泉玉子は湯気の吹き出 し口に放置して作っていた。一個100円、5個400円。硫黄臭いのを期待したがそれほどでもなかった。

弟子屈の町 から峠を越えて阿寒湖へ。阿寒の町は車で旅行に来ようキャンペーンをしていて、一人1500円のチケットを買うと駐車場代もタダにしてやるというのでそれ にのっかる。このチケット、1500円以上する阿寒湖遊覧船や、一番高いところは1450円もする豪華旅館の日帰り入浴、当然有料のアイヌコタンのアイヌ 舞踊の鑑賞、レンタサイクルの利用の4点が可能。こんなんで収益は大丈夫かと心配になってしまうよ。自転車以外はきっちり利用してきた。

遊 覧船のルートには阿寒湖内の小島にあるマリモ保護センターの見学もあって、天然マリモをこれでもかというほど堪能。船の中ではずっと阿寒湖の解説テープが 流れていたが、最後にこの辺の歌謡曲が。これが、♪北の果て~摩周~、と歌っていていろいろつっこみたい衝動が湧いてきた。そういや、マリモってのは日本 だけにあるわけではなく、ヨーロッパなどでも見られるらしい。分布図をみたらみんな阿寒と同じくらいの緯度であった。阿寒温泉を楽しんで、アイヌコタンで 無形世界遺産にもなった舞踊を見て、アイヌ楽器を購入し(あ、どこやったっけ?)、近隣の定食屋〈奈辺久〉でルイベ刺身定食を食し、予想外に阿寒を堪能し てしまった。駐車場への帰り道に通りかかったケーキ屋さん〈Pan de pan〉は、店先のシュークリームの看板があまりにおいしそうでついつい吸い寄せられてしまったが、いやーこれはおいしかったなぁ。二種類のシュークリー ムは、一方のクリームはシェリーの甘い香り、もう一方はほろ苦いキャラメル仕立てでもう2個ずつ食べたいくらい。あのケーキ屋はまた行きたいなぁ。

阿寒湖の西南にオンネトーという名の小さな湖がある。ここも裏摩周の近所にあった神の子池のように透明度の高い美しい湖との話で足を伸ばしたのだが、展望台が低すぎて湖面に光が反射してしまう。山の合間の湖で、すぐ背後に低い山があったのでそこから登ってみたが、これがまた大変な登山であった。上下移動が激しいのも疲れるもんだ。オンネトーの背後の雌阿寒岳の上部は煙がぷしゅぷしゅ出ていて、そんな光景を見られただけよかったけど、いやー疲れた。ついでにもうちょっと足を伸ばして湯の滝まで行った。温泉が岩の上を流れる様を見られたのはよかったが、日が暮れての山道歩きは怖かったな。こっちは歩道といってもサービス車両は入れる広さがあったので歩きやすかったが、キャンプ場隣の林の中の道である。無理は禁物だ。


で、そこから一生懸命釧路まで戻る。約95kmくらいかな。釧路の夏は濃霧がひどいってのは地理で昔習ったけれど、本当にすごかった。途中で脇を通った空港は、立ちこめた霧に誘導灯などの赤い照明が乱反射していて、火事でも起こっているのかと不安になったほど。

28.8.10

道東五日間 4日目

今回の旅行もついに折り返し。早いなあ。今更ながら、今回は五泊するのでタイトルは正しくは六日間だ。今更気づいた。

本日は、午前中は小船で知床半島の先までクルージング、昼はウトロの有名店〈一休屋〉でハーフ丼を食し、摩周湖を眺めたのちに屈斜路湖畔で砂を掘って温泉で足湯。夜は近隣の川湯温泉で足湯と同じ硫黄泉を堪能するも、うっかり顔を拭って目があぁぁぁなムスカ状態に。


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知床半島の半分から先は車は立ち入り禁止。岬まで到達するには歩いていくか船に乗るしかないのは、こちらウトロ側も羅臼と同じである。というわけで高速小型船のクルージング3時間コースに乗った。今回はちゃんと酔い止めも頓服済み。

船は半島の北側を進み、船からは南側の半島の奇岩を楽しむわけだが、午前中の光は実にまぶしくてクルージングを楽しむどころではなかったなぁ。昨日に見たフレペの滝を見上げるのは絶景ではあったが、それよりまぶしくてよく見えません。ヒグマの親子連れが見られたからいいか。あとは遠くにイルカも見えたのだが、なんか黒いのが波間を縫っているなぁ、程度の認識。一番すごいと思ったのは知床岬の先の先は平坦になっていること。エゾジカが草を食べてしまうので遠くからでも平坦に見えるらしい。大地の終わりが波に洗われたままになっている様は滅多に見られないこともあり、たまらない風景だ。いつかキャンプしたい。果てなき夢だなぁ。



昼過ぎにウトロへ戻り、先に書いたとおりのいくら&うに丼を食す。ここのご飯は酢飯ではなく、海産物の味がダイレクトに伝わる。縁に敷いた海苔の細いこと、そしてあしらわれた木の芽に気遣いを感じたね。この旅行で一番おいしかったなぁ。

ここから約100km、屈斜路湖・摩周湖のある弟子屈地方へ向かう。道の両隣はだいたい牧草地かジャガイモ畑。時折、可憐な白い花が見えたりする。北海道の風景は私の知っている日本よりもアメリカに近いかもなぁとつくづく思う。摩周湖は摩周岳を登ってカルデラ湖を眺めるわけだが、初日に裏から見たのと比べるとこちらはやっぱり表かな、という印象。展望台から湖面はなるべく遠い方がきれいに見えるもんだ。夕方だったためにあんまり摩周ブルーにはみえなかったが、まあクレーターレイクかなと早々に引き上げた。

で、次は屈斜路湖である。屈斜路湖と摩周湖、その間で今も硫黄の煙をもうもうと上げる山アトサヌプリは、もともと大屈斜路岳の火口内に位置する。その後にそれぞれの場所で噴火して、屈斜路湖となったり、山となったり、摩周岳にカルデラ湖ができたりしたらしい。従って温泉地だ。アトサヌプリから屈斜路湖までは熱泉となった地下水が地面の表層近くを流れており、そこら辺にできた温泉街が川湯温泉であり、湖岸の砂地をほじくって熱湯が出てくるのが屈斜路湖ほとりにある砂湯なのである。熱湯は下手に掘り進めると火傷するほど。冷たい湖の水と混ぜて適温を目指したいものだがなかなかうまくいかないものだね。あっちあっちと踊ってしまった。

この日は町中がそこはかとなく硫黄臭い川湯温泉に泊まる。宿は昔ながらの温泉旅館でなんだかほっとした。硫黄泉であった温泉の質もすばらしく、長時間浸かってしまった。しかしながら顔を拭ってはいかんね。

27.8.10

道東五日間 3日目

リアルタイム更新と言っておきながらこの体たらくである。国後島を臨む北海道の東の端を北に伸びるホッポーロード上は、携帯の電波がなかった……。後日、写真などとともに整理します。

今日は羅臼でこんぶ▶太平洋を見ながらの野天温泉で足湯▶知床峠▶知床五湖。

二十世紀少年第三部から目が離せん。

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この日もいい天気。宿のおかみさんに、カラフトマスの遡上が昨日より始まったと聞く。川が黒いと思ったらサケだったということがあるらしい。今日は知床半島を横断してウトロまで行く予定。遡上する川は羅臼側なので、まずはこちら側を存分に楽しむことに。

羅臼の道の駅でおかみさんおすすめの昆布茶のサンプリングを食す。昆布の切端に昆布茶の粉末が振ってあり、お湯に投入すれば簡単に昆布茶になるというもの。これが絶品だった。羅臼昆布っておいしいんだねぇ。高いだけあるわ。その場で昆布の端を切り落としたものをあつめた徳用パックと昆布茶を購入。

知床半島の先に向かって車を走らせると車道は半島の半分ほどで終わる。そこから先を目指すためには人力しかない。知床半島の先まで向かうキャンパーは海岸を歩いたり、登山したり、ロッククライミングしたり、シーカヤックしたりするらしい。ビジターセンターのルサフィールドハウスに、アウトドア経験の豊かな人でないと無理だと警告してあったのが印象深い。世界遺産にもなっている国立公園だけあって、できるだけ人が入らないようにしてあるのだろう。ここでは、昆布の根っこを自分で昆布茶にしてみよう! と配っていたのだけど、案内通り水のペットボトルにつっこんだら、立派な昆布だしがとれましたとさ! 考えてみれば、いわゆる昆布茶って塩やらなんやら調味してあるよね……。さすがに飲料として飲むことはできなかったよ。ものすごい濃い出汁が出るんだもん。すみませんでした。

てなわけでここでは昆布漁が実に盛ん。海岸には昔ながらの番屋と呼ばれる小屋の名残が多く見られた。その昔、昆布漁のピークとなる夏はこの番屋に泊まり込んだという。現在は自動車によって流通が楽になり、番屋に滞在する必要はなくなったらしいが、時折フォークリフトが大量の昆布を運ぶのを見かけた。あれを自動車がない時代に運ぶのは大変だっただろう。何しろ、幅広で長さも2mを超す羅臼昆布である。

また知床半島は火山が連なっているため、羅臼も反対側のウトロも温泉地だ。特にこの羅臼側では、海岸沿いに岩を組んだだけの簡素な立ち寄り湯が二カ所ある。うち一つは海を望む岩場に岩を組んであるだけの非常に野趣溢れる瀬石温泉で、こういうのは露天風呂ならぬ野天風呂と呼ぶらしい。入浴していた全裸の若者が帰った後、そろそろと足湯だけしてみた。もう一つの相泊温泉は夏の間は囲いがしてあって脱衣棚もある親切設計であるが、お湯が熱すぎてとても入浴できなかった。

羅臼に戻りがてら、橋の上から川を眺めると聞いていたとおり川が黒い。サケだ。いやカラフトマスか。フィールドハウスのおねえさんによるとこの時期の遡上はまだマスで、サケの遡上は9月から10月らしい。そういや秋鮭って言うもんね。河口では大量のカモメがぎゃーぎゃー騒いでいた。自然とはかくも厳しいものよ。


羅臼の「食事処 鰍」で食べた上生ちらし、おいしかったなー。鮨屋だけあって酢飯も完璧でした。この酢飯に日本を感じたな。これぞ帰国の喜びであるよ。

知床横断道路沿いにも山の中に野天温泉の熊ノ湯が。ここは脱衣所も完備の初心者に優しい温泉で立ち寄ることにした。相変わらず温度は高いが、何度も入り直すと体が慣れてくる。一度に長時間浸からないことがコツのようだ。壁にいろいろと薀蓄が書いてあっておもしろかったな。女湯の周囲は完全に覆われているが、男湯は川に面した所は開放されているので、駐車場から木々の間を注意深く見ると覗けてしまうのが危険であった。でも渓流の涼しい風を浴びながら熱いお湯に浸かれるのはうらやましいものだ。

知床峠で羅臼岳を見て、ウトロまで下りたらそのまま知床五湖へ。ここではこの旅行で一番たくさん観光客を見たなぁ。5つの湖、というか池を全部巡ってもたかだか1時間半の道のりであるが、トレイルは途中から山道に。午後のけぶった空ではあったけれど、知床連山を背景にした池を眺める散歩は、運転疲れにはいい気分転換となった。



お散歩第二弾はネイチャーセンターの裏手にあるフレペの滝。翌日にクルーズで海から眺める予定ではあったが、日暮れまで時間があったのでついでに歩いてみた。崖にしみ出る地下水が滝となっておりそれを上から眺めるのであるが、高低差がかなりある断崖で自然を感じたなぁ。だいたい、エゾジカが多すぎた。それに崖に巣を作るアマツバメが大量に飛んでいたのが印象深い。ネイチャーセンターの人によるとアマツバメはそれほど珍しい鳥ではないらしいけど。この辺ではケイマフリという水鳥がかなり希少で時々見られるらしいが、さすがに裸眼でゴマ粒をひとつひとつ判別することは叶わなかった。そういえば、北海道でも根室あたりではエトピリカが見られるらしい。アラスカで見たtufted puffinである。パフィンの方が横顔はかわいいし、メーン州海岸では一時激減したのが戻りつつあると帰国直前に見かけ、ウォッチングツアーに行きたかったものよ。行けなかったけど。

26.8.10

道東五日間 2日目

朝からいい天気なので、釧路駅前のレンタカー屋まで歩いて移動。ここのレンタカーは友人が見つけてきたのだが、5日間で25,000円と破格。とは言っても、万が一の時の補償で一日500円追加したので結局は30,000円弱に。走行距離が6,500kmほどのヴィッツが今回の旅の友となった。

まずは釧路湿原を見物しに行く。東側にいくつか展望台があるので、南から順に向かうのだが、初めに訪れた細岡展望台からの眺めが一番良かったように思う。展望台が高い場所にあって湿原が近く、川の蛇行も見える。また、展望台までのトレイルはシラカンバとクマザサの森の中に敷かれてあり、木陰のさわやかな風を受けながら気持ちよく散歩できた。問題は、幹線道路から駐車場までの道が細すぎて、対向車とのすれ違いがややひやひやしたことかな。まあこの辺りは私は運転してないけど。その北側のサルボ展望台とサルルン展望台はちょっとした山の上にあって、サルボ展望台に着いたところですでに脚ががくがく。階段を上るのは久しぶりで全然脚がついていけない。もう無理。

前夜、虎キチの店で飲み過ぎたために朝ご飯をかなりセーブしていた。その割にハードに歩くものだから、栄養不足もピークである。早く昼ご飯が食べたい…そんな気持ちで初めに入った町・標茶にて、最も近いそば屋へ。北海道は気候が厳しいために、蕎麦の栽培は古くから行われているらしくそば屋がたくさんある。ここもそんな店の一つであり、そばはおいしかった。セットにしたカツ丼はカツと玉子が別々に供されたのには面食らったが。

いよいよ運転は私の番である。町の道から農道へ入り40分ほどさらに北上して、摩周湖の東側にある裏摩周展望台に到着。「表」は反対側、西側である。こちらの方が標高が低く湖面が近いらしい。摩周湖は大きなカルデラ湖で、クレーターレイクを思い出させる風景だ。水の透明度が高いためか湖面が青く美しい。展望台の周りに木々が生い茂って、視界を遮られるのがやや残念。

裏摩周展望台のちょっと北側に神の子池と呼ばれる泉があるのでそこまで足を伸ばす。鄙びた感じの池がいいね。水の湧いている場所は池が青く、神秘的であった。池の畔で魚を捕まえるカワセミを見られたのもよかったなぁ。



ここから100kmほど西へ移動。中標津で数あるソフトクリーム屋の看板に引かれ、ついうっかりバニラソフトを食す。牛乳くささがまたよい感じ。日の入り一時間前になってやっと太平洋岸までたどり着き、国後島へ向かって伸びる砂嘴となっている野付半島へ向かう。

野付半島は海に向かって砂がくちばし型に堆積している場所で、半島の根元は土壌がしっかりしており松林が見られるほど。半島の先は現在も先へ先へと伸びており、その影響か半島の内側(岸側)のカーブを描いている部分は海水に浸食されている。松林の根元に海水が入り込むと当然ながら枯れる。そうして松が立ち枯れた風景が見られるのがこの野付半島の醍醐味なのだ。今はかなり枯死が進むトドマツのトドワラ、立ち枯れた木々が風食されていくのはこれからのナラマツのナラワラが見物のポイントで、それぞれでっかい看板が出ている。トドワラまでは片道30分歩かなくてはならないのが大変だが、トレイルは海岸植物に囲まれていてハマナスの赤い実やセンダイハギが風に揺れるのが夕日に映えて風光明媚である。


で、トドワラ付近はボードウォークが敷いてあるので、足下まで打ち寄せる海水に浸った湿地をじっくり眺めながら歩ける。枯れたどころか木の幹が風や海水の浸食で殆ど残っていないのは、夕暮れという時間帯に眺めると一層寂寥感が増す。


夕暮れをたっぷりと堪能した後、日が暮れると真っ暗になってしまうので追われるように駐車場へ帰る。その道すがら、遠くに謎の影が海を渡っていくのが見えた。鹿の群れだ。時々胴の深さまで水に浸かりながらも、大概は膝ほどの深さを悠然と歩いていた。砂嘴の一部で小島となっている場所を目指しているようだったが、あんな所に餌があるんだろうか。謎だ。ゴマ粒の大きさになるまでじっくり眺めてから、本日の宿を目指す。



この日は民宿モシリバで一泊。夕食には大きなカラフトマスを使ったちゃんちゃん焼きや白子のフライ(絶品だった!)、さらに流氷の氷で焼酎をいただき、あっという間に就寝。

25.8.10

道東五日間 1日目

ネットにつながるとリアルタイム更新ができるのがすばらしいね。

てなわけで釧路に着きました。19:30頃に釧路空港に到着し、空港で待っていたバスに乗って釧路市内まで40分弱。気温は20度と半袖では肌寒いほど。夕飯は3回まで広島にぼろ負けしていた阪神の熱烈ファンな飲み屋へgo! しかしながらいつの間にかの大量得点で22-ナントカにより勝ったらしい。よかったね。

明日からCA旅行も一緒にした友人夫妻とドライブだ。とりあえずは天気がいいといいなあ。

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8/25-30で道東をぐるっと回ることになった。移動はレンタカー、今年の初めにアリゾナをともに走った夫の友人夫婦と約670kmの旅程である。

8/25 到着、釧路
8/26 釧路湿原、裏摩周、野付半島
8/27 知床半島の羅臼側
8/28 知床半島のウトロ側、屈斜路湖と川湯温泉、摩周湖
8/29 8/30 阿寒湖、釧路、帰る

初めて買った市販のピアノ楽譜はFF6のピアノコレクションだった。

来週のテレビ「題名のない音楽会」はゲーム音楽特集でゲストがFFのコンポーザー植松伸夫だってんだから見ないわけにはいかない。曲目は以下。

1.「スーパーマリオブラザーズ」より“地上BGM”
2.「ファイナルファンタジー・シリーズ」より“ファイナルファンタジー”
3.「ファイナルファンタジーX」より“ザナルカンドにて”
4.「大乱闘スマッシュブラザーズ X」より“メインテーマ”
5.「ドラゴンクエストIX」より“序曲”
6.「ドラゴンクエストIII」より“冒険の旅”
7.「ドラゴンクエストIII」より“そして伝説へ・・”

なんて、30分の放映時間にしてはかなり詰め込んでる印象。一曲3分以下か。

先の発表ではゲストがノビヨさんですぎやまこういちも振るとの話だったので、もっとFFDQ縛りでくるかと思っていた。マリオはともかく、スマブラは意外だ。またメドレーがないのも予想外。だが、演奏時間の短さや、メドレーにするほどポピュラーな曲がどれだけあるかを考えたら、ないのは道理かもしれない。

二曲目のFFのメインテーマはどのアレンジで来るか気になるなぁ。FF3のイントロつきか、FF8や9あたりのオーソドックスなものか。三曲目は無難なチョイスだな。旋律が明快で印象に残りやすいのでテレビ放映向きか。DQ3から二曲やるのは、ドラクエのブランドが今もロトシリーズのイメージに支えられている証左なのか、たんにすぎやまこういちの好みなのか。DQ3のエンディングBGMってどんなだっけ?



なんて非常に心躍るわけだが、今日からちょっくらお出かけしてくるので見るのは無理かも。まあいざとなればあれやこれやで何とかなるだろう。

22.8.10

目を合わせたいよ

土曜の夜に「大学仲間の一人に奥さんを見せびらかしてもらおうの会」が開催された。

ささやかながら結婚祝いを贈るべく、それに先立ってデパートへ行った。ギフトや生活用品のフロアを中心に物色したのだけど、並んでいる物が尽く私の物欲をかき立てて困った。商品は日本製品より海外製品の方が多かったのに。鍋一つとっても定番のフランス製鋳物琺瑯鍋は何種類かあっても国産品は見つけられなかったし、電気ケトルだってちょっと素敵なデザインのものはデロンギだ。オシャレ洗濯用品コーナーはバスケットと木製のピンチハンガーで溢れていた(カビの心配はないのだろうか?)。デパートなんて一所にあんな大量の「ちょっといいもの」を集めるバイヤーすげえと思った訳です。

しかしながら、接客はかなり残念であった。デパートと言えばやはり商品+α(大概、それは接客になるわけだが)あんまり顧客本意とは言えなかったな。丁寧な対応はすばらしいけど、そのときはそれよりも迅速さを求めていたのに、小箱二つと袋一つの包装紙を巻く程度のラッピングに25分かかっていた。ハッキリ注文しないとダメな人だったのが残念だ。また、カタログギフトの見本を貰おうとした際には、店員6人・接客ゼロの状態で、私が声をかけても誰も気づかない。店員はそのとき、何かをお話していたり、ディスプレイを直したりするのに夢中な様子であった。売り場に顧客が踏み入れてきたら注意していろよ! というのは求めすぎだろうか。いつだって店員とすぐに目が合ったボストンが恋しいよ。まあそんなわけで、池袋の東口はもう行きません。

てなことがあって、宴会は少々遅刻。広島料理の〈雑草庵〉はでてくる瀬戸内のお魚料理がどれもおいしかった。お刺身の新鮮なことは筆舌に尽くし難い。食材はいずれも産地直送らしくその分予算も高めの店だけどまた来たいなぁ。たった一人でホールを回していたお姉さんとは、注文したい時によく目が合ったのもよかったなあ。

20.8.10

引っ越し完了

お盆が明けて帰京した今週の初め、ボストンから船便で送った引っ越し荷物が届いた。大小合わせて15箱は、存外部屋のスペースを占拠して困る。荷物がないなり(まあいろいろ買い足してはいるが)に一ヶ月暮らしてきた中で組み立ててきた生活のパターンを揺るがすほどのインパクトだ。帰国直前に熱に浮かされたように急いて購入した鋳物琺瑯鍋はとりあえず吊り戸棚にしまったものの、重さが心配。収納計画を修正しないといけないなぁ。

ボストンでできた友人から一時帰国しているとの連絡をもらった。私の帰国直前にはいろいろ都合が合わず、挨拶さえできなかったのが心残りだったので嬉しい驚きであった。おみやげをいただけるとのことで、のこのこと東京駅まで出向く。銀の鈴前で再会するのも不思議な感じであった。彼女の背景にはボストンの緑が似合う気がする。MFAグッズのみならず、カレーパン発祥の地森下のパン屋〈かとれあ〉のカレーパンやグランスタで常に行列を作っているかりんとうなど、数々のおいしいものまでいただいてしまった。ありがとうございました。カレーパンはレンジで20秒温めたのち、オーブンで2分ほどあぶるとできたてのおいしさが戻ってきた! 今後、この方法で食べようと思う。きんぴらごぼう風味のかりんとうもくせになるおいしさでした。いやあ日本の食べ物はすごいね。

12.8.10

帰省中

今週初めより帰省し、地元の友達と旧交を温めている。姿・しぐさ・話す内容、どれをとっても当時は想像つかなかったほどにみんな大人になっているのに感嘆しながらも、あの頃と変わらない笑顔に会えるのがうれしい。こうして仲良くしてくれる人がいることのありがたさよ。

友人の一人とは彼女の幼稚園児の子と小学生高学年の姪とともに遊園地にて再会した。友人とは15年ぶり、子供たちとは初めて。この姪っ子ちゃんは年齢以上にしっかりと従妹の面倒を見ながらも、まだまだ子供な部分もあってとにかくかわいかった。

彼女が観覧車が一番高いときにコクハクするとうまくいく確率が高いと言うので、姪っ子ちゃんもするの、と尋ねると少し首をかしげて、しない、とつぶやいた。照れているのかと思ったが、それに続いて言うには、カレシをつくるよりも楽しいことがたくさんあるし小6じゃカレシってよりも所詮ボーイフレンドに過ぎない、らしい。それにクラスの男子はかっこいいと言われたいだけだから、聞かれたらそう答えてあげれば満足する、とも。このお姉さんの恋愛講義には脱帽だ。しかしながら、だからこそさあ帰るぞという間際になって、今日の記念に一緒にプリクラ撮ろう、と恥ずかしそうに耳打ちしてきたときの表情と言ったらもう! 幼い子がはにかみながら勇気を出して誘ってくれたのと同じで、先ほどの「おねえさんモード」とはまったく逆であった。

人が成長していくのって素晴らしい自然現象だなと思う今日この頃。

1.8.10

暑かったり寒かったり

木、金はすわ冷夏か!? と焦るほどの涼しさだったのに、この土日は非常に暑くなって倒れそうだ。

先日、近所の河川敷で花火を眺めてきた。最寄り駅は普段はがらがらで非常に寂しいが、この日ばっかりはとんでもない混雑。ちょっとした日曜の新宿だった。

1時間以上にわたって音楽に合わせて打ち上げられる花火は、いくらかの種類を使い回しているようにも見えたが、それでもスマイルマークが上下正しく打ち上げられると「当たり」かと嬉しくなる。去年の7/4に見た独立記念日の花火はものすごい量で押しているのがさすがアメリカと思ったが、それに比べて今回のはちょっとはかない感じが日本っぽくていい。



最後5分で何千発上げるとの前評判通り、ラストは物量作戦であった。火薬が多すぎて真っ白。明るすぎだろう、これはさすがに。