17.6.10

オレゴン州でしめくくり CA・OR・WAの旅 その9(完)

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 5/18-6/8のカリフォルニア・オレゴン・ワシントン州の旅行を振り返る
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▼6/6 sun

今日も雨。ポートランドは雨で有名な都市らしいが、この旅行中の雨率の高さからしたらもうどうでもいい。日曜の朝は街の中心部はがらがら。ここは公共駐車場の料金がめちゃくちゃ安いし、町中にバスと路面電車が敷いてあり、自動車なしでらくらく移動できる。また自転車の利用も強く促進されていて、路面電車にも自転車ラックがあるほど。オレゴン州は道路を走っていてもみんな厳格に規制速度を守るし、遵法精神が高いように思う。よく道も譲ってもらえるしね。ボストンとはえらいちがいだ。

街の中心のモニュメントは高等裁判所。現役で使われている裁判所である。平日はツアーで内部見学ができるらしいが、この日は残念ながら日曜だったため外から眺めておしまいだ。街の北東にあるチャイナタウンへ移動し、念願の飲茶を食す。が、出てくる物がみんなアメリカンな中華であった。夫はこれが初飲茶だったので、いろいろ持ってきてくれるワゴンに大興奮。調子に乗ってたくさんもらってしまい、あっという間に限界に達していた。餅米のダメージがでっかいちまきは先に頼んじゃいけないのである。精算を済ませた後に豆腐花が出てきたのがショックであった。急いで食べ過ぎたなぁ。

街歩きが楽しい北西地区に移動し、オレゴン一の広さを誇る本屋を覗いてみた。本屋のにおいは落ち着くね。もしこの辺に住んでいたら無意味に通いそうな広さであった。アメリカにはなかなか大きな本屋はないし、アマゾンで割安で購入できるために、本屋からはずいぶんと足が遠のいてしまう。寂しいもんだ。その代わり図書館はそこそこ充実しているけどね。

とにかく大雨だったので、ポートランドでは必ず訪れるべき! なバラ園にも行かずに終わった。ちょっともったいなかったかな。でもその気持ちをくじけさせるくらいの大雨であったのだ。

さて、この後は東へ向かう。ワシントン州とオレゴン州の州境はコロンビア川。大手アウトドア用品店のコロンビアはここオレゴンが発祥の地である。ちなみにナイキも。で、このコロンビア川が美しい峡谷を刻んでいるのとその周辺に多くの滝が見られるらしく、渓谷好きとしては立ち寄らないといけないと思っていたのだ。

何度も言うけど、この日は雨。結果として、コロンビア川峡谷はぜーんぜん見えなかったです。場所によってはかすかに、相当びみょーに浸食された河岸の影が見えて、こりゃ晴れていたら絶景だっただろうな、というのはなんとなーくわかったけれど、でも真っ白。しかしながら、崖側の滝は結構壮観だった。川の北側、我々の対岸は河岸段丘がはっきり見て取れたけれど、南側は浸食が激しくV字谷の傾斜が大きく、滝までの距離がほどんどない状態。ポイントにはどこも駐車場が完備されていて、車からちょっと降りて眺められて楽。もうハイキングは十分と思っていたのでなおさらこの立地はありがたかったな。最大のモルトノマ滝は目の前にしたら圧巻だった。雨に滝しぶきが相俟って豪雨状態だったけど。

コロンビア川の渓谷群を抜けて南下する道に入ると、そこは一面広がる農地であった。地平線まで広がるローリングヒルに雲の影が流れていく。時折、大地が河川や風に浸食されて盆地の中に台地が取り残されていたり、小さな川が鋭いV字谷を形成していたりと、アメリカの自然の大きさ、バリエーションの豊富さを感じさせる場所であった。ほんと、アメリカは大きかったなぁ。

ワシントン州のノースカスケード付近からこのオレゴン州の中程、さらにはカリフォルニア州までの火山帯は、大きくは環太平洋造山帯に属している。ドライブ中、道の脇にいくつもの山の頂が見えた。現地の人からすれば釣りやハイキングなどでレクリエーションを楽しめる場所がたくさんあるのだろう。こういったアウトドアの楽しみが人々に近いことが、日本にはないアメリカのいいところだと思う。国立公園だけでなく、州立公園、ともすれば市区町村レベルで大きな公園が整備されており、水道や衛生施設なんかもだいたい設置されている。民間の商売も開発も入り込まず、ただ自然を楽しめるのはすばらしいことだ。

この日は、翌日のクレーターレイクに向かってひたすら進むのみ。途中で夫の恒例「財布なくした」が始まったが、30マイル引き返したところで車の中から発見できたのでよかった。そういえば、この旅行の初めの頃には携帯電話を洗濯していた。私の携帯も持ってきていて良かったよ。

走行距離 299 mi.


6/7 mon

クレーターレイク国立公園は巨大なカルデラ湖。1800年代に「発見」されたときにはすでに今の状態であったらしい。その後の調査から、約3000年前に富士山級の高さのマザマ山が大噴火を起こし、現在あるように火口縁の高度は約2000mとなったという。どれほどの大噴火だったかが忍ばれるが、一説にはシアトルに火山灰が数cm積もるほどであったという。


火口の縁にぐるりと道路リムドライブが敷かれているのだが、雪が残っているこの季節はまだ封鎖中であった。のに、この翌日から一部開通するんだってよ! ひどい。てなわけでこの日までは西南の入り口から入って、南側のビューポイントまで車で上っておしまい。湖は青くてきれいだったよ。周りは雪だらけだったけど。

カルデラ湖ひとつ、それだけがここの公園なので、湖を見てしまえば終わりなのがつまらん。リムドライブが全線開通していれば、カルデラ湖内に見える奇岩なんかも眺められたのだろうが、まあ湖は湖だからね。てわけで、2時間ほどでここを後に。

何度も何度も言うけど、この辺は火山帯。過去に噴火した火山もいくつもある。そんなわけで、周辺には固まった溶岩から火山ガスが抜けて形成した洞窟もいくつもある。この旅行の最後は、そんな洞窟探検で締めくくることにした。

さらにさらに南下して、カリフォルニア州との州境を越えてすぐの場所にあるLava Beds国定公園へ。未だに草木さえ生えていない溶岩大地の脇を通り、念願の洞窟群へ。ここは大小20以上の洞窟が見学可能であるが、ただ一つビジターセンターすぐそばの洞窟を除いては照明がついていない。そのため、ビジターセンターで懐中電灯を借りていかないと危険。鍾乳洞とも違ってストラクタイトとスタグマタイトなどの見所もないので、ただ自然の洞窟の中を素朴に探検する気分になれる。深い場所へ潜れば、光が届かないので真の闇を体験することも可能だ。また、いくつかの洞窟はコウモリの繁殖時期のために封鎖されていた。洞窟潜入に当たっては、初級・中級・上級と大きくグループ分けされており、初級・中級の洞窟は500mもないが上級は2kmにも及ぶものもあった。上級は殆ど這っていかないと進めないとか、マッピング必須とかかなりレベルが高そうであったので、私たちが行くのは中級までにしておいた。そんなわけで、洞窟の中は見て楽しむというよりもむしろ、自分が探検して楽しむ、といったものであったが貴重な体験であったと思う。


夕方17時頃にここを出発し、サンフランシスコ空港そばの宿に到着したときには既に23時近くであった。途中、シェスタ山の周りを巡った際には、山の形が美しすぎてこの近辺の湖が大きなリゾート地になっているのがよくわかった。この辺は山が一つ一つ独立して存在するので、その形もわかりやすい。


道路状況は、サンフランシスコ北東のバークレー付近から急に交通量が増え、また速度が速く車線変更を激しく繰り返す車が目に付くようになり、ベイブリッジを渡って以降はかなりひやひやした。事故を起こさずに済んで本当に良かった。この旅行中、一番怖い道であった。時間は23時近くだっていうのにこれだから、もしこの晩に空港まで行かず、翌朝に空港に向かうことにしていたらどうなっていたか。サンフランシスコに入るには、すぐに高速道路を下りてしまうゴールデンゲートブリッジからのルートの方が幾分安全かもしれない。

走行距離 579 mi.


▼6/8 tue

宿から空港まではたったの2マイル。フライトは13時であったが、レンタカーの返却が9時半であったために早めに出た。最後に給油したガソリン、すっごい高かったな。1ガロン当たり$3.85。去年旅行したアラスカのマッキンリー山付近と同レベルなんだけど。無事に飛行機がボストンに到着した後、家に帰るまでが遠足です。どうもお疲れ様でした。

しかしながら、よく運転したもんだ。 3536マイル、約5660kmである。そのうち、私がお休みしていられたのは150kmか。ちなみに、運転が一番怖かったのはやっぱベイブリッジからSFに入ったところでした。あの辺の人たちはオレゴン州のみなさんを見習うべき。あっ、ボストンの人も。

走行距離 2 mi.

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