22.6.10

日帰りケープコッド

自動車の引き取り手もまだ見つからないまま、ボストン最後のドライブはケープコッドを目的地にした。当然日帰りである。

ケープコッドはMA州の南、海に向かって大きく腕を曲げているような形の岬で、ボストンから腕の根本までは約1時間弱、そこから指の先のプロビンスタウンまでは1時間半の距離。cod岬の名前の通りかつてタラが豊富に捕れたこの一帯は、今では海水浴客でにぎわうリゾート地だ。

初めに目指したのはイギリス風の農村のようなサンドイッチ。水車小屋のある池の畔にガラス工芸館がある。日本へのお土産探しのためにここに来たと行っても過言ではない。水差しやグラス、花瓶、アクセサリーとどれもステキであったが、価格もかなりステキ。結局、無難にコースターを購入した。帰国後、渡した人からは好意的な感想が聞かれたのでよかったけれど。私はよく夜店で売られているような小さなガラス人形、特にロブスターとタコが気になったが、こういうのって買ってもすぐどっかに紛れちゃうんだよねー。と思ってやめた。

ケープコッドの先まで続く6号線には、旧街道の6A号線が平行に敷かれている。行きは6A号線で森の中を進み、時折展望台に立ち寄ったりした。しかしながら、交通量が多いね。月曜だってのに、観光客がたくさん。たぶん、これからもっともっと混むのだろう。

途中で6号線と合流し、ケープコッドの大西洋側に広がる国立海浜公園のビジターセンターへ向かう。このラインはずっと海岸が続くのだが、場所によって管轄が国だったり、州だったり、町だったりするようだ。立ち寄った限りでは、州の管轄地がシャワーなり更衣室なりの設備が整っている様子。

大西洋の海は冷たく透明できれいだった。南の海のような暖かみはあまりないが、硬質な美しさを感じた。ただ、泳ぐにはちょっと冷たすぎたかなぁ。かなりにぎわっていたけど。


岬の先のプロビンスタウンは、かつてイギリスのプリマスを出航したピルグリムファーザーズが1621年に到着した場所。そう思うとなかなか感慨深いね。それを記念して1900年頃に建造された展望台に登ると、ケープコッドの先の先、陸地に向かって円を描く岬の様子が見られる。また海岸近くの沼地や大西洋側に堆積する砂丘など、様々な風景が一望できておもしろい。ここはボストンのバンカーヒルモニュメントと違って、階段ではなくスロープで登れるのが楽。国立公園でないので有料ではあるが、登る価値がある展望台だ。

町歩きも楽しい。ポルトガルと何らかの縁があるのか、町中にポルトガル国旗が飾ってあった。この日の朝、サッカーW杯でポルトガルが勝ったのでひょっとしたら午前中は盛り上がっていたかもしれない。町の中心部に二軒あるアイスクリーム屋の一方でスムージーを頼んだら、本物の果物を使っていて感動した。おいしかったなー。また数あるおみやげ屋の中にがらくたと言っていいほど雑多な物を取り扱う店があり、ついつい入り浸ってしまった。木でできたブイ(ベンチの背もたれの上にいっぱいのってるやつ)、ほしかったなー。お財布様に強く反対されて諦めた。まあね、がらくたなのは認める。


灯台は4つほど巡った。そのうち一つは、Cape Cod Chipsというポテトチップスのパッケージにもなっているもの。そういえばこの近辺にはそのポテトチップスの工場があって、見学ができるらしかったがスルーしてしまった。アメリカの灯台って、ときどき家っぽいのもあるのが不思議。

海水浴もせず、かなり駆け足のケープコッド行脚は往復で250マイルであった。長距離ドライブ旅行の直後だったし、250miなんて平均的な距離だと高をくくっていたけれど、その翌日は疲れてしまった。観光とドライブと両方あるとやっぱ大変かもと思ったのであった。

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