7.2.10

Utada!

近所のライブハウスにUtadaが来る! ということで金曜の夜に行ってきた。前にManic Street Preachersを見た場所で、今回もチケットが格安であった。$20。チケットは売り切れにはなっていたものの、小さいハコだしチケットの枚数が少なかったのかと疑っていたが、蓋を開けたら満員御礼であった。ハコのキャパは700人強らしいので、それくらいの人数が来たのだろうと思う。

前座はDJが出てきた。が、クラブでプレイするのとは違ってここはライブハウス、しかもすし詰めで、踊る感じの盛り上がりが全然なかった。気の毒に。何度も「あと○○分でUtadaが登場するぜ!」と煽ったが、観客が反応するのはその瞬間だけ。私はクラブに行ったことがないためにDJと呼ばれる人たちが一体何をしているのかまったくわからなかったが、なんとなく、DJのしたいことが分かった気がする。あの人達は音楽の編曲をしたいんだね。速度を変えたり、そこにリズムを加えたり、効果音を足したりして、元の曲の新しい可能性を見いだすんだろうな。先日、グラミー賞に出てきたLady GAGAの「Paparazzi」やUtadaの「Dirty Desire」はとてもクラブ音楽映えするなぁと思った。

その後、総勢6人ものバンドを引き連れて定刻通りUtadaが登場。ドレッドっぽいボブに片方の肩をさらけ出したワンピース姿で、Utada名義のアルバム「This is the one」からの曲で幕が開いた。ファッションとあの独特のハスキーボイスが相俟って中森明菜が思い起こされた。Utadaの曲はほとんどこのアルバムからであったが、どれも聞きやすい感じ。じっくり聞き入る宇多田ヒカルの曲とは少し異なる印象か。宇多田曲も半分ほどあった。弾き語りをちょっと入れたサクラドロップスや一番盛り上がったFirst Love、Automaticのアレンジは原曲よりロックだった。私が一番ぐっときたのはSanctuary。この曲は同じメロディで歌詞が日本語のバージョンPassionもあるが、両方の歌詞を交えての歌唱であった。泣くかと思った。歌謡曲、ポップス、ロック、はてまた少しエキゾティックな曲まで、実に多彩な曲を聴きながら、メロディーメーカーとして天才なんじゃないかと思った。

バックバンドもうまかった。あんなうますぎる人たち反則だ。途中でロックな曲調が続く場面があって、その中にPlaceboのカバーが挿入されていたのだが、完全にバンドの独壇場だった。Utadaの声がかき消されるほどの激しさ。あの演奏だったら、よっぽど野太い声の人じゃないと太刀打ちできなかっただろうな。Placeboはアルバム「Sleeping with Ghost」のジャケットのイメージしかなかったので、もっと宇宙系の音楽だと思ったのに違ったのもショック。

観客はアジア人半分、アメリカ人半分といったところか。中には日本から来ている人もいたらしい。すごいね。確かに宇多田はあんまりライブをしないようだったので、ライブハウスツアーなんて夢みたいなものだろう。それもあってか、MCは基本は英語で、時々日本語で話していた。曲と全然関係ない雑談が多かったのが新鮮だったなぁ。彼女はNYC出身だけどボストンに来るのはこれが二度目らしく、一度目は小学校の同級生が中学校でボストンに転校したから会いに来た時と言う。その時に、小さな、あまりきれいでない中華料理屋に連れて行ってもらったのだが、出てきたスープに鶏の頭や脚がどかどか入っていたのが忘れられない思い出らしい。彼女としては、それはアリだったらしいけど。日本では音楽史上に残るCDセールスを記録した大スターであるのに、実際の彼女は非常にふつーの人って感じであった。すごいもんだ。

何にしろ、今回のコンサートに行けたのは幸運だった。今度いつコンサートするかわからないし、チケットもとれるか不明だし、チケットの価格もめちゃくちゃ高いだろうしな、今回の$20と比べたら。

10時過ぎに終演して、10時半には帰宅。いやー、コンサート後に早く帰って来られるって幸せ。

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