25.1.10

アリゾナ・ニューメキシコ10日間の旅 その4(完)

12/28-1/9のアリゾナ・ニューメキシコ旅行を振り返る。

▼1/7 Thu 山登りも終盤

引き続き西へ向かうが、幹線道路沿いは実に何にもない。山もない。植物さえ少ない。道路沿いに「サンドストーム注意!」の看板がたびたび登場する。看板によると、本当に何も見えなくなるようだ。おそろしい。非常にいい天気で視界中雲一つなく、抜けるような青空が広がっているのに、ひたすらドライブ。

昼頃に幹線道路を降りて、唯一の売店でBLTサンドイッチを注文した。初めにパンの長さを6インチ(30cmくらい)のところ6フィート(180cmくらい)と間違えたところから、サンドイッチ屋のおばちゃんのからかい攻勢が始まった気がする。アメリカでは注文後に「何か足すか?」と聞かれることがよくある。バーガーキングでさえ、普通のハンバーガーを注文しているのに、チーズはいるか、だの、ベーコンは、だの聞かれ、聞き取れずにうっかりyesと答えると、チーズ&ベーコンハンバーガーにアップグレードされて値段も上がっている。だから、おばちゃんにそう聞かれたときに堂々とno!と答えたのだ。そうしたらおばちゃん「えーベーコンだけでいいの?」だって。ベーコン・レタス・トマトサンドイッチをくれって言ってるのにその確認はねーよ! あわてて訂正してレタスとトマトもお願いすると、にやにやした顔で返事するおばちゃんに、からかわれたなーと気づいた。このサンドイッチは後ほど国立公園にて食べたのだが、これがめちゃくちゃおいしかった。めちゃくちゃ見直した。おかげで旅行から2週間がたった今でもBLT熱が冷めず、頻繁に作っている。しかしなかなかあの味を再現できない。脂たっぷりの分厚いベーコンがどっさり入っていたのが良かったんだろうなぁ。ボストンは中途半端にヘルシー指向なスーパーが多いので、取り扱っているベーコンも薄切りだったり減塩ものだったりして、あのジャンクさを求める身にはイマイチ物足りないのである。

この日はチリカウアChiricahua National Monumentが目的地であったが、日本語のガイドブックには西側から来る道順しか載っていなかった。東から行く道順をなんとか調べ、道路の名前だけを頼りに進んだら、未舗装道路を延々と進むことになってしまった。山を越えて舗装道路にたどり着いたときには、舗装のすばらしさを思い知ったよ。この山の一部がチリカウアNMであるが、こちら側は山に木々が生えているのがわかる。チリカウアは山が浸食されて奇岩が多く見られるが、それが森と同居して特異な風景を形作っている。


岩の脇を縫うように敷かれたトレイルを歩く。雪が凍っている日陰はすべってしょうがない。時々岩の上に登ったりしながら、1時間ほど歩いたところで戻ることにした。

さらに田舎道を走り、夕方にトゥームストンへ到着。ここはガッツ石松の「OK牧場」の本物OK Corralがある街。とは言っても、私たち4人のうち誰もOK牧場の元ネタは知らず、「OK牧場の快斗」「ワイアットアープ」などの関連映画も見ていない。簡単に言えば保安官とカウボーイ(と言う名のチンピラ)の銃撃戦があったところで、保安官側のワイアットアープは無傷で生き残りましたと言う話。もともと銀坑で栄えたこの町も今は観光に頼るしかない様子。街の中心部は当時の建物を再現してあったが、何しろ夕方で軒並み閉まっていた。OK Corral Museumで当時の様子を眺めて、旧裁判所の外観を見たら終わった。滞在時間1時間。



この後、またも検問があった。パスポートは常に携帯すべきだと思い知ったね。Are you an American citizen? という問いにNoと答えれば、次に言われるのは「パスポート見せろ」に決まってるのだ。ちょっともたつくと、すぐに「はい、1番の標識の前に車停めてー」と言われる。空港の入国審査になぞらえれば「別室」行きってやつだ。まあ悪いことはしていないので臆することはないけど。

夕焼けに目を奪われながらツーソンまで移動。


▼1/8 Fri ハリスホーク大好き

前夜のうちに国立公園のある街まで移動していたので、この朝はゆっくり起きてサワロ国立公園Saguaro National Parkへ向かった。サワロとは縦に長い、FFのサボテンダーなどで非常にイメージとしては馴染みあるサボテンだが、実はアメリカではこの辺りにしか見られないらしい。旅の初めにフェニックスから北のセドナに向かう途中、幹線道路の脇ににょきにょき生えていたのだが、あれは別物か。公園の脇に動物園があったので、午前中はそこで予習して、午後に公園内を巡ることにした。

動物園の展示はこの砂漠地域のイグアナなどが見られてなかなかおもしろかったが、何より印象深いのは猛禽類の飛行ショーだ。午前と午後と二回行われていたが、午前は間に合わなかろうと見送った。がんばって見に行けば良かった…。というのも午後はハリスホークという鷹を人の頭上すれすれを何度も飛ばせるショーでかなり興奮したのだ。午前はフクロウやミチバシリを飛ばせた(走らせた)らしい。ハリスホークは単独行動が基本の猛禽類には珍しく、仲間と共同で狩りをする。砂漠の厳しい気候が行動様式を変えたというのは興味深いもんだ。かわいかったなぁ、鷹。帰ってから鷹匠になれないか研究したくらい。でも猛禽類を飼うのは大変そうだった。

公園は予想通り、サワロサボテンだらけ。そのほか、ウチワサボテンなど異なる種類のサボテンも見られた。

このサワロサボテンにはキツツキが孔を作るのだが、内側が殻のように固まり水分が逃れないようになるという。そしてその孔にはフクロウなど別の鳥が棲まうらしい。黒い孔が開いているサボテンはあちらこちらに見られた。ちなみに、このサワロサボテンは非常に成長が遅く、2mに達するものは120歳ほどと言われた。長寿だ。

十分にサボテンを見た後、フェニックスに移動。

▼1/9 Sat いつか終わる夢

10時半のフライトに間に合うよう、朝のうちにホテルを出て空港にてレンタカーを返却。10日間なんてあっという間に終わる。いつになく盛りだくさんの旅であった。クリーブランドで乗り継ぎ、8時頃ボストン着。相変わらず寒かった。

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